Asagiri Jam It's a beautiful day @ Asagiri Arena (1st to 2nd Oct '05)
A Hundred Birds
初日の茜空を羽ばたいたA Hundred Birds。フランソワ・ケヴォーキアン主宰レーベルWAVEからのEPは国内外ハウスミュージックシーンで評判…というイベントフライヤーの裏面みたいな先入観で臨んではみたが、蓋を開けてみた先にあったのは、洗練の言葉を纏った弾みの音であった。
初めは落ち着いたリズムで音の麗を見せ、中盤の"Jaguar"のカバーあたりからBPMも上がり、揺らしのダンスミュージックへと移り変わったと見ている。エンディングとなった"Batonga"のカバーは、ハウスのアフタヌーンパーティーさながらの歓喜と朝霧JAMの特質が溶け込んでいるという空間を生み出した。思わずオーディエンスを見回し、その表情にこちらもほころんだものである。
今回彼らで注目した点は、メンバーによるサウンド面の巧(たくみ)。アナログでもその演奏のまとまりを驚異としたが、実際に生で味わってみると、そこに躍動感が備わっているからたまらない。味わいこそ保たれながら、リズム隊のグルーヴメイクやボーカルの声などなど、みずみずしさと水面を跳ね上げる躍動の同居。これには巻いた舌を危うく噛んでしまいそうなほど踊らせてもらったのを覚えている。
最近、彼らの他にもReggae Disco RockersやKyoto Jazz MassiveといったDJ/プロデューサー主権のバンドを観たが、こうしたユニットに見られるバンドメンバーの音、そのマエストロとなるリーダーの音のチョイスという絡み合いが創るケミストリーにはどれも外れ無く、好アクトばかりだなと思うことしきりである。
ステージに立った百羽の鳥に導かれる形で羽ばたいた、千羽以上のオーディエンス。思い思いの楽しみ方が味わえるこの場所で、気持ちよさげな烏合の衆を見ていた夕陽は、とても名残惜しそうな顔をして山の向こうへ逃げていった。
あなたのビートを忘れない。
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report by ryoji and photos by sam
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mag files : Asagiri Jam
Jam Special '04 : JAP / ENG (04/10/02 - 03) : photos by hanasan, ryota, sama and yusuke
review (02/09/28 - 29) : review by akira noguchi, photos by hanasan and maki
今年は雨 (02/09/28 - 29) : review by nob, photos by ikesan
photo report (02/09/28 - 29) : , photos by ikesan
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2005
review with no title : ロブ・スミス (2nd Oct. @ Asagiri Arena)
review with no title : ア・ハンドレッド・バーズ (1st Oct. @ Asagiri Arena)
2004
うつつに灯る夢心地 : Shang Shang Typhoon (7th July @ Hanazono Shrine)
「煌き」 : GAN-BAN NIGHT SPECIAL [BREAK ON THROUGH] VOL.1 SPACE COWBOY (28th May @ Nishiazabu SPACE LAB YELLOW)
「伝説」 : THE VINES (19th May @ Shibuya Quattro)
興奮はあった。パーティーは無かった。 : Squarepusher Japan Tour 2004 (15th May @ LAFORET MUSEUM ROPPONGI)
書籍 Review : -P2Pという冒険- : 『ナップスター狂騒曲』 ジョセフ・メン(著)/合原 弘子(訳)/ガリレオ翻訳チーム(訳) (20th Apr)
名レーベルが魅せたパーティーの真髄 : NINJA TUNE feat.Bonobo / Kid Koala / Coldcut / Hexstatic / Jason Swinscoe (2nd Apr @ Shibuya O-EAST)
例外的ヒーロー : IGGY POP & the stooges (22nd Mar @ Shibuya AX )
CD review : 『Somewhere Only We Know』 : Keane (2nd Mar @ Nagoya Diamond Hall)
愛と思い出の夜 : Ben Harper & The Innocent Crimiinals (2nd Mar @ Nagoya Diamond Hall)
熱帯雨林、そして野生のUAがクアトロに : AlayaVijana (20th Feb @ Shibuya Quattro)
「iPODロッカー」?さあ、どうでしょう : JET (2rd Feb @ Shibuya AX)
2003
Movies Review : 映画『モロ・ノ・ブラジル』 : 監督:ミカ・カウリスマキ / 脚本:ミカ・カウリスマキ、ジョルジ・モウラ / 出演:セウ・ジョルジ、マルガレッチ・メネー / ゼスほか計31組のアーティスト等 (16th Dec)
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