Down Beat Ruler @ Ebisu Garden Hall (3rd May '05)
The Ska Flames, akiko & The Travellers, Osaka Mnaurail, Zoot16 × Sly Mongose, Los Rancheros, Little Fats & Swingin' hot shot party and more...
Zoot16 × Sly Mongoose
ミキサーでつくられる機械的な音もいいが、血の通ったダンスビートもまことに気持ちがいい。SLY MONGOOSEはスカやロックステディあたり、南国ジャマイカにおけるダンスミュージックをルーツとしている。それだけでは飽き足らず、わざわざ刺激物を抱え込むかのように、正確無比なドラムと沈着冷静なベースとのコンビネーションによって生み出されるハウスの専売特許「四つ打ち」のビートを足元に敷き詰めて、新旧ダンスミュージックの融合を見事に実現させていた。
|

そして最後は、Down Beat Rulerならではのスペシャル・セッション、ZOOT 16(というか渡辺俊美氏)が出てきて、ZOOTの鋭く早いスカナンバー、"RED MOTEL"をかましていく。以前のライブではおもちゃの光線銃が鳴り響いていて大人の遊び心が満載な感じだったが、木枯らしのようなコーラスとハードボイルドな雰囲気によって切り取られたコマのひとつひとつに、スパイ映画やマフィア映画の焦燥感がただよっていた。 |
好奇心からくる雑多な世界はさらに広がりを見せ、ギターは「海」をイメージさせるという部分でリンクしているサーフインストではなく、一歩踏み込んだトラッシュガレージのザラザラした音を好んでチョイスし、空間を裂いていく。軽い足取りで跳ねるオルガンとトランペットが、カリブの色を着色していく唯一の理性だった。人力でありながら狂いなど微塵も感じさせないし、何より密なサウンドに自然とフロアは熱をおび、ありがちな「知ってる曲だけ盛り上がる」状況など皆無。歌わないバンドの理想型がそこにはあった。
 |
report by taiki and photos by hiroqui |
|
|