特集『コンドウトモヒロ・歌の色』
コンドウ トモヒロ @ Shinjuku Naked Loft (5th Feb '05)
part.5 - カヴァーナイト編
「ROOTS」
全曲カヴァーで弾き語り、というちょっと趣向の変わったワンマンは、昨年12月にオープンした新しいライヴスペース「Naked Loft」で行われた。新宿の職安通りに面したこの店は、道路側がガラスばりになっていて、道行く人や車が走っていくのが中から見えるのが面白い。場所柄か、時にはパトカーや救急車のサイレンが聞こえたりもする。逆を言えば、外からも店内が見えるわけで、流れてくる音楽にふと足を止め、珍しそうにのぞき込んでいく人もいる。それぞれがガラス越しに異空間を眺めているような気持ちになる。50?60人も入ればいっぱいのこぢんまりしたスペースで行われたオールカヴァーライヴは、コンドウトモヒロのルーツや音楽の嗜好が垣間見えるアットホームなイヴェントとなった。
ステージ、というか客席に紛れてあるようなスペースに出てきたときは、やや緊張しているように見えた。初めてのハコ、初の全曲カヴァー、目の前に、ほぼ同じ目線で見つめているお客さん。いろいろな要素が重なっているからだろうか。少し長めの前トークの後、コンドウトモヒロといえばこのバンドの存在は欠かせない、THE ROOSTERSの”She Made Me Cry”でライヴをスタートさせた。
洋楽、邦楽、有名、無名、女性、男性、古い、新しい。そういう垣根はまったくなく、ただ、自分が好きな歌、今日唄いたい歌を正直に音にしていった。セットリストを見てもらうと分かる通り、Velvet Undergroundから日本のポップス系までとにかく幅の広さを感じさせる選曲。1曲づつ「これは誰々のこういう曲で、このアルバムに入っていて・・・」という解説つき。ここで聴いて興味を持った曲があったら、CDショップで探してみるのもいい。そんな親切心が見えるようでもあった。
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夜が深くなっていくのと同じ早さで進んでいった前半から、後半は窓の外を流れる車の速度へ。札幌・旭川ツアーで一緒だったthe blondie plastic wagonとDUSKの曲を初カヴァー。ここから定番になっていくか? 個人的には「また聴きたい、唄って欲しい」と思った2曲だった。この後はROCK’N’ ROLL GYPSIES、DATE OF BIRTH、メインストリート、the moonbeamと九州出身アーティスト4連発。自身の地元も九州ということで、思い入れの強さと歌に力がこもるのを感じる。これらのバンドも近藤さんのオリジナルも、曲の中味は全然違うのに、元のそのまた元にある根っこというか、流れている血筋? は通じるものがある気がした。単に思い込みかもしれないけれど。
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コンドウトモヒロのライヴを見た人の感想として「近藤さんは声がいい」というのをよく耳にする。弾き語りだとその良さが浮き彫りになるのだが、特に今日のような見せ方だと、様々な曲調やキーがあるせいかより際立って聞こえてくる。決して通る声ではないが、磨り硝子のような半透明さが耳に残って離れなくなるのだ。最後はその声で会場をいっぱいに満たした”THE DRUGS DON’T WORK”。ラストの繰り返しのパートはいつまでも頭の中で響いていた。
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アンコールでは遊びに来ていたLONESOME DOVE WOODROWSのTARSHIをステージに上げてしまった。何日か前にどこかで似た光景を見たような・・・。人と一緒に演るのが好きみたいだ。唄ったのはバンド仲間JIGHEADの”赤いテレキャスター”。友達のパワーをもらって、本当に楽しそうな、いきいきとした顔でライヴを締めくくった。
好きなアーティストのルーツを知って、そこからまた新しい音楽と出会う。カヴァーをライヴで観る良さはそんなところにあると思う。そのことを存分に分からせてくれた、楽しくて素敵な夜だった。
- set list -
1.She Made Me Cry(THE ROOSTERS)/
2.FEMME FATALE(Velvet Underground)/
3.Cry Baby Cry(THE BEATLES)/
4.DANCING BAREFOOT(Patti Smith)/
5.HEAVEN(D’f)/
6.TRAIN TRAIN(SHEENA&THE ROCKETS)/
7.This Song(GIRL)/
8.70%?夕暮れの歌(CHARA)/
9.落日(ICE BOX)/
10.ひまわり(小山卓治)/
11.Launge(the blondie plastic wagon)/
12.BOY’S SUICIDE(DUSK)/
13.OLD GUITAR(ROCK’N’ROLL GYPSIES)/
14.愛だろう(DATE OF BIRTH)/
15.僕らの生まれ変わりに(メインストリート)/
16.36℃(the moonbeam)/
17.THE DRUGS DON’T WORK(the verve)
En.赤いテレキャスター(JIGHEAD)
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report and photo by wacchy
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The official site
PEALOUT
http://www.pealout.jp/
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