button韓国ロック特集 - Rockin' Seoul!

mag radの韓国インディー・ロック・レポート

part 3 - COCORE LIVE in ソウル


Cocore
   少し早く会場に着いたので、自分の家をそのまま店にしてしまったような、あまりにアットホームな韓国の定食屋に入り、開演まで時間を潰す。開演時間のころに会場に着くと、入り口のあたりにファンの子たちがいる。ライブ前に大騒ぎするわけでも、変わった服を着ているわけでもない。普通の女の子たちばかりだ。会場のライブ・ハウスはビルの地下にあって、階段を降りたところではCDが手売りされている。フル・アルバムが日本円で900円くらいで売られている。インディーズとはいえ、安い。入り口のすぐ向いになる楽屋に入ると、ココアのメンバーとの初対面となった。本番前でかなりピリピリしているのでは、と心配もしたが、飲み物を進めてくれたり、親切な振る舞いにこちらの気も緩む。 Cocore

 挨拶もそこそこに、サポート・アクトが演奏しているライブ・フロアへ。すると、そこには初めて見る光景があった。ライブを見ているお客さんが、床の上に敷かれた座布団の上に座っているのだ。後ろまで見やすくするためか、会場の後ろに行くにつれて段々畑のように高くなっていく。しかも、入り口を入ってすぐの壁に照明のスイッチがあり、寄っかかった時に間違えて背中で押してしまいそうになった。ステージやPAは日本でも見るライブハウスのそれだったが、この二つには驚いた。ここだけのものなのだろうか、それともこれが韓国流?

 ココアへのセットチェンジの間、会場に設置されたモニターでは、ホームビデオで撮影されたココアの姿が映し出される。どうやら日本を訪れたときの映像らしい。なかでも面白かったのが、渋谷をぶらつくメンバーたちを映した場面。メンバーが路上でライブを始めると、そこにやってきて警官に尋問されるという場面では、みんな笑っていた。それに続いて笑いが起こったのは、壁面広告の草薙剛が映されたとき。チョナン・カン、こっちでも有名なのね。
Cocore

 さて、いよいよココアがステージに現れるが、観客は座布団の上に座ったまま。それでもメンバーは特に気にしていない様子だ。ココアのメンバーは、ウソン(Vocal/Guitar)、ミョンス(Guitar/Vocal)、ジェクォン(Bass)のバンド結成時からの不動の三人に、クァンヒ(Drums)を加えた四人。ライブでは、サポートのキーボードとシタールが加わる。やり慣れた会場だからだろうか、メンバーが緊張している様子はなかったが、やはり曲が進むにつれて、エンジンがかかってくる。三曲目あたりのウソンのMCで煽られて、ようやくお客さんが立ち上がった。ここですぐさまモッシュの嵐とはいかないが、二本のギターとシタールが生む音の渦の中で、体を揺らしている。大きなアクションと予想もつかないような表情を見せてシャウトするウソン。彼を見ていると、クレイグ・ニコルズを思い出す。ココアが最も影響を受けたというバンドは、ニルバーナだ。

 ウソンが見せる派手なアクションのかたわら、ベースのジェクォンは淡々とグルーブを紡ぎだす。プライマルやマンデーズをフェイバリットにあげる彼のベースラインは、堅実でいながら、しっかりとツボを押さえてくれる。T.REXの"ゲット・イット・オン"のギター・リフが聴こえてくると、"Rock'n'Roll Anyway"へ。CDにはしっかりとSampling from & inspired by T.Rexとクレジットされているこの曲。同じリフを頂戴したオアシスの"シガレッツ・アンド・アルコール"よりも軽快にドライブいく。これまでのグランジを基調としたハードな曲とは明らかにテイストが違う。この曲はニール・ヤングやブラック・サバスといった70年代のロックを好むミョンスの曲かと思ったら、後で調べるとウソンの曲だった。レスポールを操り、ソロを決め、ウソンと交互にボーカルを取るミョンス。音楽的な面で彼がこのバンドを引っ張っているように感じる。
Cocore

 ライブも終盤に入ると、ゲストの外国人ギタリストをステージに呼び、即興演奏へ。ここぞとばかりにワイルドな演奏が展開していくが、破壊的というよりは、むしろサイケデリアなグルーブに飲み込まれる。ライブが終わったとき、演奏時間はもう1時間半を超えていただろうか。始めはきれいに並んでいたのに、今はもう無造作に床に転がっている座布団がライブの盛り上がりを実感させてくれる。終演後、ふと気になったので、ファンの子を捕まえて、どのメンバーが一番人気があるのかを訊ねた。「私はミョンスが好きだけど、ウソンが一番人気ね」という答えが返ってきた。言い忘れたけど、ココアのメンバーは男前ぞろいだと思う。

 メンバーの好意で、ライブ後の打ち上げに同行することができた。メンバー自身が車を運転して、店に向かう。看板もない建物の地下に案内される。靴を脱いでなかに入ると、中2階のある広々とした空間に、メンバーの友人など大勢の人が集まっている。高い天井で広々した店の中で、ジャズ・バンドの演奏をバックにくつろぐ時間はめちゃくちゃ気持ちいい。こんな店、東京には多分ないだろう。メンバーの高校からの友達で、今も映像関連でメンバーをサポートしている人が「俺たちココアのファミリーはみんな忠義なんだよ」と語ってくれる。ドラムのクァンヒがココアに加わったきっかけも、ミョンスがクァンヒの前のバンドのプロデュースを手掛けたからだそうだ。仲間が集まるこうした場所で、この国のインディー・ロック・シーンは少しずつ進んできたのだろう。インタビューを明日に控えたこの日はメンバーよりも一足早く、ホテルに戻った。



report by rad and photo by hanasan

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韓国ロック特集 - Rockin' Seoul!

buttonIntro : 韓国ロックをチェックしろ! : photo and comment by hanasan
buttonmag radの韓国インディー・ロック・レポート : report by rad, photo by hanasan
 part 1 - はじめに
 part 2 - 韓国到着
 part 3 - Cocore LIVE in ソウル
 part 4 - Interview Sugardonut
 part 5 - Interview Cocore vol.1
button番外編 photo report of cocore with Sagitta and 59 (04/04/24 @ Koenji UFO club) : photo by nachi
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