button HUSKING BEE @ 苫小牧 音楽館 (May 29th. '04)

変化と成長という旅を続けるバンド


HUSKING BEE  最後まで未練の残るところだったが、結局函館行きは断念して(つまりハワイアン6を諦めて)再び苫小牧に向かう。昨日札幌でインタビューしたばかりのハスキング・ビーが音楽館で演るのだ。やはり観ないわけにはいかない。正直、このバンドにはかなり愛着がある。最初に観たのはもう7、8年前の横浜クラブ24で、確かHi-STANDARDのオープニングを務めていた時だ。もちろんまだ三人編成の時代だったが、すぐに好きになった。まさかその当時は現在のこの変貌と人気を知る由もなかったわけだけど(ましてや自分がインタビューとかすることになるなんて!)。

 今日はワンマン公演らしい。ハスキング・ビーのライブではけっこう珍しいパターンだ。早く着きすぎてしまいハコの周りをぶらぶらしていると、FREE KICKのカワギシ君にばったり出会う。あれ、今日はハスキンのワンマンのはずでしょ、お客さんとして来たの?と訊くと「いや、演奏はしないけど単純に手伝いにきたんですよ(笑)」との返事。うーむ、自分がライブをやらないときでもボランティアに来るのか。この男に会うたびに何かしら感心させられてばかりである。こういう姿勢の積み重ねが数十万セールスのバンドをも地元に呼び寄せてしまう結果につながっているんだろうな。

 そして本番である。客入りは東京のハスキン人気を考えるとやっぱり若干寂しい。「ハワイアンさんとかハスキンさんとか10-FEETさんが今回連続で(苫小牧に)来るじゃないですか。嬉しいんですけど、それで地元の客足がバラけちゃった部分はあるみたいなんですよね」とカワギシ君の説明。なるほど。だけどその分集まった客層はけっこうコアだ。ハワイアン6と共演した札幌のUPPERというバンドのメンバーも来ており、カワギシ君に紹介してもらった。東京でのハワイアンのライブにも出るそうなので、興味ある人はぜひチェックを。

 一枚前のアルバムの一曲目、"#4"からライブは幕を開けた。その後はやはり新作からの曲を多めに、でも旧作からも満遍なく色んな曲をやってくれた。磯部氏はバンドと共に個人としても成長を遂げたプレイヤーの見本みたいな人だと思う。初期はコードをひたすら掻き鳴らし限界まで声を振り絞っていたのに(それはそれで素晴らしかったんだけど)、アルバムを出すごとに色々な表現方法をどんどん身につけてきた。特にギター・プレイに関してはほとんど別人の領域だ。ツインギターの片翼をしっかり担うその姿を見て、なんだか胸にジンとくるものがあった。

 どんどん(Gu/Vo)が曲の入り方を失敗してレオナ(Dr)から「気合が全然足りねー!」とハッパをかけられたり、ベースのテッキンが即興でラップ(!)を披露しようとしてグダグダになるという一幕も見られたが、これもハスキンならではの微笑ましい一幕。オーラスでは2ndアルバムから"YOU CAME BACK"をやった。君は戻ってきた――まるで北海道で久々にハスキンと再会することになるのを予見していたかのような歌詞だ。そして、ぼくはこれからもこのバンドに何度も戻ってくることになるのだと思う。その度にハスキング・ビーの躍進を目の当たりにすることになるんだろう。 

report and photo by joe

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道南パンク行脚 (04/05/25 - 06/03 @ 札幌〜苫小牧〜室蘭〜函館) : review and photo by joe

Live Report :
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