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20:40 Electraglide。それは「メインアクトはハゲばっかりなんで、今日はハゲの祭典」(笑)。その会場の幕張メッセ周辺はすでに大勢の人。整理番号によって入場するゲートが違うのだけど、それぞれのゲートには入場待ちの長い列が出来ていた。 21:10 入場。DJプール(サブフロア)ではTomo Hirataが回している。ハードでトライバルっぽい感じ。人が結構集まっていた。メインの方へ行くとメインでDJプールの音と映像が流れている。 大きな幕張メッセ国際展示場の三分の一がDJプールで、奥にDJブース、スピーカーが4台設置されている。入り口の方にテーブルと椅子が置かれている。壁際にみるくやBLUEや岩盤などの屋台がある。DJプールとメインのダンスフロアは壁で仕切られていて奥にステージ。ステージ両脇とステージ奥にスクリーンが設置されている。入場ゲート側にPAコントロールとスクリーンが2面天井から吊るされている。 入場ゲートから見て左側にグッズ売り場や焼きそば、タイラーメン&カレー、ケバブ、パキスタンカレーの食べ物の屋台とハイネケンのビールサーバーが並ぶコーナーがある。タイラーメン(500円。大体の食事は500円。ビールも500円。ソフトドリンク300円)は「フジの時より5倍旨い」と好評だった。その隣はコインロッカーが並んでいた。またその隣、DJプールと仕切られた壁際にグッズ売り場があってすでに長蛇の列が出来ていた。
22:00 オービタルが始まる。頭に二つライトを付けて登場。目が光っているように見える。最初は少しゆっくりめのテンポで、徐々にBPM130代後半くらいの速さになりハードになっていった。途中、BON JOVIの「YOU GIVE LOVE A BAD NAME」やBELINDA CARLISLEの「HEAVEN IS A PLACE ON EARTH」を回した、というかサンプリングしたのを流して会場は大盛り上がり。そうしたユーモアもいいアクセントになった。それにしても高音のキラキラするシンセ音が奏でるメロディは非常に気持ちよく、まさに地上の天国(HEAVEN IS A PLACE ON EARTH)であった。お客さんも満員になった。アンコールはビッグビート風の曲でまとめ、この日のベストアクトに推す声も多かった。 23:30ころオービタル終了。
オービタル途中〜終了時の会場の声 「ライヴテクノだ!素晴らしい」 「実をいうとOrbitalをみるのは怖かった。俺にとってOrbitalは2ndで終わったユニットなので。これでライブまで悪かったらどうしようかと。しかーーーーし、そんな心配した俺がバカだった!!!!オープニングから白ジャケットOrbital(Middle Of Nowhere)の曲に入った時点で大興奮。「Newアルバムの曲も最高じゃん!」といきなり懺悔したくなった。LUSH3やIMPACTを演った時点で涙がこみ上げてきた。あーー、これが俺が夢中になったテクノだ!HALCYONのアレンジの素晴らしさは感動的だし、全体の流れも、最初はチルって、次第にハイになっていきアシッドに持っていくあたりは、まさにアンビエント・テクノ・ハウス!!!!」 「会場は寒いです。アンダーワールド待ちだったんで、くつろいでました」 「ハイスタ難波が居た。握手しました。オービタルは目が光ってました」 「『サタン』が観れて良かったです」 「後半のハードになるところが良かったです」 「チリドッグ、チリポテトがおいしかったです」 「ビタルは最初一時間ほどしか見ていなかったけど、素晴らしかった。タイラーメン(絶品!)食いながら残り聞いていたけど、ちゃんと見ていたら絶対ベストアクトなライヴだったと思う」 「どなたかが言ってましたが、ビタルは宇宙、と、まさしくその通り!と思いました」 「仕事終わってから遅れて行ったらもうOrbital始まってた!キレ味のいいテクノで大満足」 会場をいろいろ歩いて話を聞いていると、先述のハイスタ難波のほかケン・イシイ、小室哲哉&マーク、ピエール瀧、高城剛、ブライアン・バートンルイス、マッドカプセルのタケシとキョーノ、くるりの佐藤&森、飯野賢治、シアターブルックの佐藤タイジ、スケボーキングのSHIGEO、坂本美雨、森岡賢などの目撃談があった。まあ、暗いんで自分には分からなかったけど。あと、意外にも、幕張新都心に勤めているのかサラリーマンがスーツ姿で来ているのが散見された。ご苦労様です。 さて、アンダーワールド待ちの皆がメインステージ前に続々と集結。「99年のフジロックで観れなかったので、大阪から来て幕張プリンスに宿を取りました」という彼らを心待ちにしている人も居たりして、期待が高まっていく。ちなみに聞いた話だと「音がうるさい」と幕張プリンスから苦情が来たらしく、日高社長は「プリンスぅ!?苗場を呼べ!苗場を!」と言っていたらしいです。 0:30 ついにアンダーワールド始まる。カール・ハイドが「Everything, Everything・・・」とつぶやき始める。ステージ前にいると身動きが出来ないほどの超満員。その観客たちから一斉に歓声が上がる。「Cowgirl」で始まった。そのまま「Rez」に突入したら最高だったんだけど・・・。自分は場所を移していろいろなところから観てみたのだけど、どこもハッピーに踊っている人たちがいて大変盛り上がっていた。一応、DJプールのほうも覗いてみるとTwo Lone Swordsmenがやっていてバキバキのテクノで結構お客さんを集めていた。そして、アンダーワールドのハイライト、というかこの日のハイライトはやはり「Born Slippy」。この時に上がったみんなの手、手。とても幸せな光景だった。「Jumbo」のゆったりとした美しさも素晴らしかった(実際のBPMは139くらいなのにね)。本編最後は「Push Upstairs」アンコールは「King of Snake」「Moaner」であった。この2曲はかなりアッパーな感じで幕を閉じた。 今回のアンダーワールドのライヴは、ダレン・エマーソンが抜けて初の来日で皆の興味が「ダレンがいないアンダーワールドってどうよ?」というところにあった。筆者としてはなかなかのものだったと思う。映像も良かったし。ただ「Rez」をやればもっと良かったのに。だけども、会場の声を拾うと賛否両論で、カールのボコーダーマイクやギターの機材の不調、流れがぶつ切りになっていたこと、スピーカーがフロア後方にも設置されてないための音響的な問題や、映像などの点に不満ある人がいた。 3:00ころ アンダーワールド終了。 アンダーワールド後の会場の声 「踊った、歌った、楽しんだ、泣いた。曲順はいまいちだったし長かったけど」 「キックが微妙にズレていた。2〜3曲盛り上がったけど、今イチ」 「映像が余り良くなかった。オービタルが良かったんで比べるとダメだった」 「盛り上がっていた。けど、ステージ後ろのスクリーンはチャチだった」 「良かった。けど最後長かったんで疲れた」 「眠かった」 「味が薄くなった。不味くはないけど、一曲一曲を大切にしないでミックスでつないでもらいたかった。一曲一曲に感動がない」 「最高!」 「40がらみのオヤジが頑張っているのを観て勇気づけられた」 「良かったが、フジと比べると今ひとつ。長かったし」 「中盤に二人になってからの新機軸が出て良かった」 「長すぎ&セットリストが納得いかなかったけど全身筋肉痛になるくらい激しく踊れたし、非常にハッピーだったのでやはり自分が一番好きなアーティストだなぁと、思いましたわ。そしてやはり、ダレンがいないと音が薄かったですね。特にサードの曲で「あれ?」と思うことが数回ありましたわ。あとヘッドホンなしで音をいじくってるときは「どうやってモニタしてるのだ?」と不思議でしたが。なんちゅーか、ウダウダ文句言いながら楽しかったです」 「自分の期待があまりにも強すぎたかもしれないなぁって思いました。曲に関して言えばライヴ盤の曲は一通りやったし、ライヴ盤を聞いて初めて見た人にも解りやすい感じはしました。でも、もう少し加えられる所もあったと思います。映像は、まあそれなりに良かったのでは?TOMATOのビデオを織り交ぜながら彼らの演出の持ち味は出ていたと思います」 「映像は、TOMATOなのですか?自分的にはもっと音と光と映像の素晴らしい空間を作ってくれるものと期待してたのですが、どうもイマイチでした。期待しすぎ??いや、あれだけ名を馳せるTOMATOですもの。最後の方は良かったけど、始めの方は???って感じでした」 「不完全燃焼。やっぱりダレンの抜けた穴はデカいなと実感。あの高揚感が感じられなかった。映像もイマイチだったと思う」 「Rez無かったのはちょっと残念・・・でも気持ち良かったーしかしあのライティングは芸術でした・・・ライティングはTOMATOではないのかな?」 「テクノというより進化したエレポップという感じで、途中ちょっとダレたかな?でも生BORN SLIPPY聴けて良かった」 「BORN SLIPPYが聞けて感無量です」 「思っていたよりも、興奮の渦に巻き込まれなかったなぁ〜。盛り上がり方が、1クールごとって感じで、全体にワーって行けなかったんだよね」 「リズムが心拍のリズムと一致して気持ちよかったです。身体の奥底から盛り上がってくる感じでした」 「おいおい、1曲目が、COWGIRL!! おいおい、最初から飛ばすのかーと、本当に意外や意外。誰も予想つかなかったであろう。あー、もうアンダーワールド見てて、生きていて良かった。BORN SLIPPYがかかっただけで、一人一人が笑顔。もう、涙がでてくるよー。こんな幸福感ってめったに味わえないと思う」 「強いて悪い点を探すと、BORN SLIPPYでピークを迎えたあとその後が長かったのと、ギターの音が出なくてカールがイライラしてたように感じた。でも、そんなことよりも、幸福感が圧倒的に上回っていたので、問題なしです」 「ロックぽかった。ショーとして完成されていた」 アンダーワールド終わって、DJプールのほうに行くと、すでにリッチー・ホウティンが回している。かなりバキバキのハードでミニマルなテクノで、筆者もDJブースの前で踊ってみる。とても気持ちいいけれども、ずっと同じことをやっているので10分くらいして飽きる。ある意味阿波踊りやインドネシアなどの民俗音楽に通じる反復の快楽を機能的に突き詰めた、という魅力はあるんだけどね。いろんな人に話を聞いている最中に、ルーク・スレーターがメインでやっていて、まだまだ踊り足りない人たちが集まっていた。ルークはしっかり観たかったけれども、お客さんの話を聞いていたり眠かったりであまり記憶には残ってません。スイマセン。 この日出店していた「岩盤」の店長、豊間根さんに話を聞いてみた。 「アンダーワールドは待った甲斐があった。これ見よがしなことをせず、良かった。そしてハウスに帰っていく。リッチーはかっこいい。今の流れに合っている」との評。 ところで、店の売れ行きは? 「肉まんバカ売れだし、フランクフルトは売り切れた。フジロックTシャツも売れている。それにしてもフジロックより女の子がかわいい!岩盤ナイトはテクノパーティーにしたい!(笑)」 ルークが4:30ころ終わり、その後メインでもリッチー・ホウティンのDJの様子が音と映像で流れてそれにあわせて踊る人が多数。メインのスクリーンでリッチーのターンテーブル捌きを見ていても何がおこなわれているのかよく分からん。神業なのだろうか?5時台のリッチーのプレイは結構メリハリがついてきて自分としては良かった。アンコールにも応え、最後はサンプラー(?)のパッドの連打で終わった。 5:30 リッチー・ホウティンのDJでElectraglideが全て終了。
ルーク&リッチー後の会場の声 「ルーク・スレーターは予想以上だったね。アルバムのスケールをはるかに超えるLIVEだった。腰砕けになるまで踊ったよ。リッチーは最前線までいったけど、手先の器用な人だね。しかし、硬質なリズムでこれまた踊っちまったい!!!」 「個人的にはルーク・スレーターが一番良かったな、って思いましたよ。踊り易かったってのもあるけど、予想以上だったね」 「しかし!しかしルーク!あの時間帯にあれだけ客を躍らせるのは半端じゃなくすげーぞ!」 「ベストはルーク!! 今年最高のテクノてくのな体験でした」 「ホウティンはCDと全然ちがーう!!バッキーバキと化していたね。あまりにも展開が同一で、飽きたけどでも体は反応していた私(笑)」 「とにかくルークが最高でした。胃の中のものが逆流するのを感じながらも踊らずにはおれるか!って感じでした」 「ルーク・スレーター、インダストリアル風味もあってアゲアゲ、一番踊れて騒げた!個人的ベスト」 「リッチーは一回ツボにハマると、おおーーーーってカンジでお腹が空きながらも抜けることができませんでしたぁ」 「ルーク・スレーター格好良すぎー!!!」 「リッチーもルーク・スレーターもかっこよくて踊りまくった!!!」 「ルーク・スレーターは、よさげだったんだが体力の限界で3分で撃沈!!元気なときに見たいなぁ」 「ルーク・スレーター、激最高!!!!これぞテクノ!!!テクノの中のテクノ!あまりにも完璧なテクノで、絶叫しっぱなし。顔はニタニタしっぱなし。音がブレークするところ、Lowがカットされて再び低音がぶっ放されるところすべてがお約束のタイミングで入り、全く飽きることなく踊りっぱなし」 「リッチー・ホウティン、めし食ったり、ルーク・スレーター観たりで途中からだったけど、今日のリッチーは「非常に優れたテクノDJの一人」にとどまった。もちろん踊りました。もっと、ディープにやってくれることを期待してた」 「ルークは完璧かつ最高!」 「リッチーは男のテクノだ!」
そして、客電がつくと、フロアはゴミだらけ。一気に現実に戻された。そう言えば、今年6月のオービタルの代々木無料レイヴでもゴミ多かった。「ゴミ箱が足りなかった」という指摘もあったけれども、あれくらいで十分だと思う。ただ好意的に解釈すると、そのゴミ箱に「燃えるゴミ」とかいてあったんでペットボトルはどこに捨てていいのか分からず行き場を失ったということなのじゃないだろうか。もちろんペットボトル以外のゴミも散らかっていたんで根本的なマナーにも問題アリかもしれない。だけども今回、フジロックの掲示板でゴミについての指摘が数多かったのは、フジロックを体験して意識が高まったというべきなのだろうか? また苦情としては、ロッカーが足りないので、荷物を入れられずにフロアに置いている人が多く邪魔になった。所構わず寝る人が多かった。ビールなどの飲み物が売り切れた。フロアと休むところが一緒なのでロビーを開放して欲しかった(解放した説もあり。自分はずっとフロアに居たんで確認できず)。メインの出演時間が30分早くなったのにインフォメーションがなかった。メインステージのスピーカーが足りないので後ろに居ると迫力がなかった。空気の入れ替えがないのでタバコの煙がこもっていたなどがあった。 だけども、全体としては好意的な意見が多く、とりあえずは成功と言っていいのではないだろうか。WIRE共々屋内のテクノイベントがもっと盛り上がっていけばいいと思う。まだまだ日本ではテクノが市民権を得たとは言えない状況だし。会場を出ると東の空にある太陽が目にしみた。
以下の方々に感謝を捧げます(順不同、敬称略):たけちゃん、かみむら、R2、りえ 蔵、あべちゃん、アルバイト戦士 嵐、まっちゅ、がんばれ原千晶!、オサム、みみ ちゃん、ぎみつ、フミ、hideto、MF、ume、あきこ、骨折娘、satoshi、ゆ、ハルチ ン、キク、ときおか、しげっち、かずわん、まったり君、とみた、マツ、西岡。会場 で会った皆さん。
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