Glastonbury 2000 パート2

ADF  おそらく、自分にとって2000年の最高傑作の1枚がAsian Dub Foundationの「Community Music」。あの強力な個性とか、ラディカルさとか、パワーやエネルギー、それにレゲエの感触とか... まぁ、そういうのが大好きで、けっこう聞き狂っているって感じかね。と、まぁ、そんなこともあって、今回のグラストンバリーで最も期待していたのがADF。というので、2日目の13:00に登場した彼らのステージを見逃すことはしませんでした。彼らが登場する10分以上前にはピラミッドの裏側にある所定の位置でプレス・オフィサーがやってくるのを待って、わくわくしていました。

Glastonbury festival 2000  といっても、ステージ前で写真を撮れるのは最初の3曲だけ、というので、まずは写真を撮影して、(まだ昼間なので、オーディエンスの写真も撮れるのが嬉しい)それからフォト・ピットを抜け出し、ピラミッドの真正面へ移動だ。といっても、バックステージ・エリアから大回りをして一端外にでて、それからぐるりと回ってピラミッド前のアリーナに向かうわけです。(はっきり言って、これで20分は無駄にします)でも、当然ながら、ステージの直前はぐちゃぐちゃなので、遙か彼方の後ろの方に行って腰を落としました。まぁ、機材なんかがなかったら、もっと前の方にいって踊っていたかもしれないけど、もうそんな元気がな年齢に達していますから。(笑)

 レゲエとか、ちょっとしたダブっぽさとか、バングラからファンクとかがランダムに、同時にオーガニックにいり混ざったインパクトのあるサウンドは、やっぱり気持ちいいし、ものすごいエネルギーを感じます。それに彼らの歌がいろんな意味で社会的で政治的な問題を内包しているわけで... 逆にそれが形になったのがオーガニックにフュージョンされたサウンドってなことだと思っています。ということで、数多くのオーディエンスの中でライヴを体験すると、これが多くの人たちにアピールしているのがよ〜くわかります。この日も演奏しながら、あるいは曲の紹介をしながら、人種差別のことなんかをアピールしてたし... 加えて、ヌストラット・ファテ・アリ・ハーンといったアーティストの名前が彼らの口からでてきたり... 自分たちのルーツをしっかとふまえた彼らの音楽性が強力な個性をもって迫っている。

Glastonbury festival 2000Glastonbury festival 2000
 それだけじゃなくて、98年かにプライマル・スクリームの前座で見たときに比べて、彼らに貫禄というか、重厚感がでてきた感じ。とってもいい感じで彼らが大きく成長しているってんでしょうか。フジ・ロックではホワイト・ステージのトリをつとめることになっているんだけど、今から彼らの持つとんでもないエネルギーが会場を包み込んでいくのが見えるようで楽しみで仕方がないといったところ。特に日本では98年のフジでの演奏がかなり高い評価を与えられていたし、ホワイトよりもグリーンで彼らを見たかったというのが本音なんだけどね。ハッキリ言って、売れていようがいまいが、最も多くの人たちに彼らを聞かせたいからなぁ。と、まぁ、私はそう思うのですよ。

 そう言えば、彼ら、どこかの雑誌で、「これからのサウンドががらりと変わるいるよう」なんてことを発言していたらしいんだけど、あれって本当かね? どうも、あれってメディアをからかっているような気もしないでもないんですけど。ま、そんなのどうでもいいんだけど。

Glastonbury Festival 2000  さて、この日の天気ですが、昨日と違って実にいい。イギリスが緯度でいうと、北海道よりも北にあるということで、太陽が照りつけている時には、めちゃくちゃ暑いし、紫外線がやたら強くて即座に日焼けするんだけど、(ということで、私、真っ黒になりました)いったん太陽が雲に隠れると冷たい風のせいで寒いほど。これはイギリスに限ったことではなく、標高の高いフジ・ロックの会場となる苗場も同じこと。昨日の夜も空に雲がないぐらいに晴れ渡っていたんだけど、息が白くなるほどの寒さだった。これで雨が降っていたら、おそらく、いつものようにMA1を着ても寒かったんだろうが、今回はその一歩手前といったところ。

 さすがに、イギリス人はそういった天候やフェスティヴァルに慣れているんだろう、(目に入った限りですが)Tシャツとサンダルだけといった人はほとんどいなかった。まぁ、真夏でも革ジャンを着ている人がいるのがこの国ですし、海のそばにでも行かなければ、そんな人はあまりいないんですけどね。ちなみに、「自然に返ろう」なんて看板を持って毎年ここにやってくるヌーディストたちは、この日もすっぽんぽんで歩いていましたけど。(笑)それでも、夜になったら、彼らも服を着ると思いますよ、やっぱ。

 ともかく、天気が良かったのは嬉しかったね。一応、念のために... というのは、一昨日の雨のせいで地面がぬかるんでいる場所もあると思って、かなりの時間ゴム長で過ごしたんですが、水はけがよくなったのか、2日目の昼頃にはほとんどすべての場所からぬかるみが消えて、乾燥してきました。このあたり、主催者のマイケル・イーヴィスがかなりの工事をしたという話を聞いていたんですけど、その結果がでたって感じかな。

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 で、例によってライヴよりも会場の中でのお祭り騒ぎが好きな自分は、ADFが終わってから、グラストンバリーで最もピースフルなエリア(でも、一番はずれにある)Green Fieldに向かったわけです。ところが、どっこい、今年はちょっと事情が違ったような... なにせ、人の数が異様に多くて、どこに行くのも出勤時間の山手線のような状態で、人の流れが動かないわけですよ。これにはびっくりしましたよ。特にJazz&World Stageの隣の道からグリーンピースのエリアあたり... とんでもない混み具合いなわけです。これって、去年のフジ・ロックで、電撃ネットワークが終わった直後のホワイトとグリーンの間みたいな感じ。たまりません。

 というので、一気にグリーン・フィールドのてっぺんにでるのはあきらめて、入り口ぐらいから脇に入っていったんだけど、そこでみつけたのがこういったオブジェの数々。これも実にグラストンバリーらしい。ここだけじゃなくて、会場のあちこちにこういったものがあって、目を楽しませてくれるんだけど、特にこのエリアではあくまでも自然な素材を使ったスピリチュアルなものが多くて、写真を撮っていてもそれだけでも楽しくなる。

 いろんなスタイルのマッサージ屋さんやヒーリング関係の休憩所、まぁ、けっこう不思議な空間がここを支配しているんですが、これをぐっと小粒にしたのが、おそらく、フジ・ロックのフィールド・オヴ・ヘヴンだと思うんですけど... といっても、もっと余裕のあるスペースがないとこのグラストンバリーのグリーンフィールドの味は満喫できませんが。それに、今年はなぜが人を集めそうなバンドやアーティストがここに集められている。なんでかね? やっぱり、あそこはのんびりとした雰囲気で過ごしたいエリアなんだけどなぁ... ひょっとしたら、その代わりをアヴァロンあたりで考えているのかもしれない。

Glastonbury Festival 2000  で、それからこのあたりを一回りしていったところで、再びSmash UK取材班のジェイソンと遭遇。これからG. Loveに会いに行くというので、その取材をまた取材。これがその時の写真なんですが、G.Loveの連中はもう日本には何度(6回だっけ?)も行ったことがあるというので、会ったとたんに「こんにちは」とか「お元気ですか」という日本語を口にしている。

 確か彼らは昨日もピラミッドかアザー・ステージで演奏していたはずで、かなり疲れているはずなんだけど、めちゃくちゃ機嫌がいい。なんでも日本が大好きで、今回のフジ・ロックで演奏できるのが楽しみで仕方がないんだとか。ということで、コメント取りも問題なくスムーズに、しかも楽しく終わっている。

Glastonbury Festival 2000  で、ここでSmash UK班と別れて、目指したのがアコースティック・ステージなんだが、その時に通り抜けたのがシアターやサーカス、子供たちのフィールドがあるエリア。ここ、実は、グリーン・フィールド同様、フェスティヴァルで最も和める場所のひとつで、ここにいると、それだけでも楽しいのだ。残念ながら、今回は35mmでいっぱい写真を撮っていて、デジカメの方はさぼり気味だったので、たくさんお見せできないのが残念だけど、この写真のような衣装というか、装置というか... そんなもので楽しませてくれる人がいっぱいいるわけだ。今回はガリバーだとか、まるでTレックスを意識したかのような超厚底のロンドン・ブーツにド派手なギターを手にしてパフォーマンスをしている3人組がいたんだが、これはかなりのヒット。みんな大喜びで楽しんでました。

Glastonbury Festival 2000  この日、アコースティック・ステージで見たかったのはポール・ブレイディとホットハウス・フラワーズのアイリッシュ勢。実をいえば、昨日、この近辺を歩いていたときに偶然フラワーズのリアムに会って、挨拶はしていたんだが、確かエリオット・スミスのID撮りに出かける前で、ほとんど話をすることはできなかった。だから、彼とちょっと話をしたいってものあって、ちょいと早めにここに来たわけだ。

 なんでも彼は木曜日からグラストンバリーに来ていて、最終日までずっとここにいるんだそうな。昨年だっけかに彼らがピラミッド・ステージで演奏したときに、MCが「グラストンバリーはいつだってフラワーズを歓迎しているから」なんてことをいっていたんだけど、ヴァン・モリソン同様、彼らもグラストンバリーがぴったり似合うアーティストだ。同時に、彼ら自体もグラストンバリーをこよなく愛していて、ライヴのない日もここで遊んでいる。

Glastonbury Festival 2000  ちなみに、このホットハウス・フラワーズ、今年か昨年にインディでライヴ・アルバムを発表しているんだけど、一般のレコード屋さんには流通させていないようで、長らく彼らのファンである僕自身もまだ聞いたことがない。というので、そのあたりの話をギターのフィアクナにしたら、彼が1枚送ってくれるなんて言ってくれて... いやぁ、嬉しいものです。(でも、たいていの場合、そういうこと、忘れてしまうんで、それほど期待はしていないんですけど)

 さて、この日最も楽しみにしていたのが、初めてのライヴとなるアイリッシュのシンガー&ソングライター、ポール・ブレイディ。この人のアルバムは何枚か持っていて、大好きなアーティストのひとりだ。日本では前の前のアルバムかがリリースされたような記憶があるんだけど、なんでも「AOR」ってな打ち出し方で、彼がそんな看板とは違ったところで地道に歌い続けている良質なアーティストだってことをもっとアピールして欲しいと思ったものだ。

Paul Brady  まぁ、派手さがないから、それほど多くのファンが日本にいるとは思えないけど、チャンスがあったら、聞いてください。いわゆるシンガー&ソングライターが好きだったら、きっと気に入るはずだから。それに、今回ライヴを見て、初めて気がつくことになったんだけど、この人、ほとんどヴァン・モリソンのようなクオリティを持っているよ。ライヴだと、もっとソウルフルな歌い方をしているようで、(そう聞こえるだけなんだろうけど)なんかジーンときましたよ。特に、彼が演奏している途中に日が暮れ始めて、ちょっと外にでてみると、フェスティヴァルの会場を包み込むような周辺の丘がオレンジ色に染まっていて... なんか、それが彼の歌ときれいに重なり合っているわけです。このとき、10年ほど前に同じ会場のピラミッド・ステージで歌っていたヴァン・モリソンのことを思い浮かべましたよ。ホント、心にしみいりますね、ポール・ブレイディの歌は。惚れ直しましたわ。

Glastonbury Festival 2000  で、続いて登場したのがこの日のアコースティック・ステージのトリとなるホットハウス・フラワーズ。といっても、今年は昨年と違ってドラムレスのアコースティック・セットで、中央にリアム、左にフィアクナ、右手にピーターと、いつも通りに演奏です。これって、前回のアコースティックなライヴでのツアーと同じで、今回の1曲目は「Easier In the Morning」という、私の大好きな曲。といっても、彼らの歌って、みんな好きなんですけど。

 フラワーズのライヴって、いつもそうなんですけど、固定ファンが多いってのかね? けっこうみんな昔からのファンという感じで、歌をよく知っているから、実に和やかな感じでライヴが進められていくんですな。オーディエンスも、聞くときには、他の音がなにもでてこないぐらいに静まりかえって聞いて、一緒に歌うときには大声で歌って... これだとまるでファンの集いのようなライヴなんだけど、そんなアットホームなところが彼らの魅力なんだろうな。そして、最後に歌われるのは... これは決めていたのかどうかわからないけど、「Don't Go」。名曲です。

Glastonbury Festival 2000  加えて、アンコールではこの日、彼らの前にステージにたったポール・ブレイディ、そのまたひとつ前に演奏していたシャロン・シャノンが一緒に登場して、アイリッシュ・トラッド・タイムに突入。どんな曲が演奏されたかは全然覚えてはいないんですが、当然ながら、会場は沸きに沸いていたって感じですね。

 結局、この日は久々にアコースティック・ステージで音楽を堪能して、キャンプ・ベースに帰っていった。これから数日後、やはりスマッシュの仲間で、かつてジョニー・サンダース(今はグレン・マットロック)のバンドでドラムスをたたいていた友人が、「結局、よかったのってジョン・マーティンとかデヴィッド・グレイとか、歌を歌っている人だったな。きれいなメロディがあって、言葉がある... そんな感じのアーティストなんだよね。確かに、MobyとかNinとか、いいんだけど、あんまり印象に残らないんだ」なんてことをいっていたんだけど、それは僕も一緒で、結局、今回最も印象に残ったのはポール・ブレイディだったような気がする。

Glastonbury Festival 2000

 バック・ステージのキャンピング・エリアに戻ると、そこでは彼らが持ち込んだサウンド・システムから、例によっていろんな音楽がでっかい音で流されている。ここでの人気はコロンビアのクンビアとかスカ、レゲエ、ロカビリーとか、まぁ、古い音楽ばかりで... それを流しているのが年寄り連中ばかりだってのもあるけど、子供たちしかいないときには新しめのダンス・ミュージックが中心だったみたい。

 ここのキャンプにはけっこうな有名人が集まっているものだから、いろんな人が取材にやってくるんだけど、ちょうどここに帰ってくると、どうやらBBCが取材しているようで、ジョー・ストラマー、ベズ、キース・アレンとかが順繰りにインタヴューを受けている。まぁ、こっちには関係ないから、どんなことを聞かれていたのかは知らないけど、ホント、ほとんどライヴを見に行かないでこの人たち、なにしているんだろうな。よくわからん。でも、それが最もグラストンバリーを象徴しているように思えるのって、僕だけかなぁ...

Glastonbury Festival 2000  で、その翌朝、あのとき取材された(プレス関係の取材もあったようで)記事が新聞に載っているわけで、キース・アレンが自分の写真の載った新聞をチェックしているという、まぁ、これがその写真なわけです。このサイズではわかりにくいかもしれないけど、新聞の右上のが彼の写真なわけです。笑える。

 今回も前回も音楽雑誌のSELECTがスポンサーとして、このフェスティヴァルに絡んでいて、その日の出来事を翌日の朝にはタブロイド版の新聞にして配っているわけです。これこそ、デジタル時代の賜ってことなんでしょうね。撮影した写真は即座にプレス・テントでスタンバイしている編集スタッフに渡され、デザイナーと彼らが原稿を持ってレイアウトに入っていくわけです。そして、おそらく、地元の地方新聞と組んでいると思うんだけど、そこらあたりの印刷所で印刷されて、翌日の朝には会場でまかれるといった感じですかね。

 これ、やっぱりすごいよ。これほどまでに会場がでかいと、いくつもライヴを見られないから、こういったものでチェックして、「ああ、やっぱり無理してあっちのステージに行けばよかった...」とか、思ってしまうわけです。それに、いろんな人の写真を見て、「あ、この人見た見た」とか言いながら、楽しむってのかしら。これ、フジ・ロックでもできないもんだろうかね。出演アーティストがいっぱい載った公式プログラムもいいけど、やっぱり自分たちの見たライヴの写真が満載されたこういった新聞って、けっこういい記念になると思うのね。ただ、こういうのって、けっこう金がかかるし、作業も大変だから、金のない音楽関係の雑誌社だったら嫌がるだろうな... なんて思ってしまうわけです。まぁ、だからこそ、fujirockers.orgってホームページを作って、ヴォランティアでネット発信することにしているんだけど。そう言えば、今年はできれば、会場に一般客用にコンピュータを設置して、会場にいながらサイトをチェックできるようにしたいと動いています。可能になるといいんだけど...

Glastonbury Festival 2000  さて、そのベース・キャンプからプレス・テントの方に向かっていくと、主催者でこの農場の主、マイケル・イーヴィスがインタヴューを受けている。たいてい1回はプレスやテレビのインタヴューを受けるようなんだけど、いつもプレス・テントそばでやるようで、プレスの担当者が付きっきりで対応している。

 そう言えば、今年は新しいテントでBallroomというのができている。まぁ、簡単にいったら社交ダンスのテントみたいなもので、そのこけら落としにマイケルがタキシード姿でダンスしたらしい。あいにくその時には他でなにかを取材していて、いけなかったのだが、あとで聞いた話によると、けっこうおしゃれで派手な演出というか、インテリアというか、そんなものが施されたものらしく、なんとシャンデリアもあったそうな。いやぁ、平和です。

Glastonbury Festival 2000  この日の活動の中心はJazz&World Stageで、まず最初にチェックしたのがここ2年ほど気に入っているトランペット奏者のエリック・トラファス。アルバムを見ていると、てっきり黒人のアーティストかと思っていたんだけど、実際に見ると白人だったのでびっくり。当然ながら、白人でも全然問題はないし、「だからどうだ」ってことはないんだけど、なんか黒人のアーティストだってな感じに思えたわけです、ジャケットを見ていると。まぁ、ひょっとしてレコード会社なりがそれを意図していたようにも感じるんだけどね、実を言うと。だから、驚かされたわけです。

Erik Traffaz  彼らのサウンドの特徴は、ドラムンベースをメインストリームのジャズにうまく吸収しているところで、それがクール時代のマイルスに似たエリックのトランペットとうまく絡み合っていることだろう。これに加えて、ちょっとラストポエッツのジャラールのような雰囲気を持つラッパーと言うか、詩の朗読をする人が加わっていて... けっこうこの人が重要な役割を果たしているように思えます。

 彼を除けばメンバーは白人だけで構成されています。このエリックはフランス人なんだけど、けっこうロンドンのシーンを反映しているようで面白い。まぁ、おそらく、どこかでみんな繋がっているんですけどね。

Glastonbury Festival 2000  で、その次に登場することになっているのがサンドラ・クロスのアルバムを一緒に作った仲間、アラン・ウイークスやケンリック・ロウが加わっているバンド、Jazz Jamaicaだ。一時は、リーダーを除いて全員がバンドを離れてしまって、どうなるんだろうと思っていたら、結局、それではJazz Jamaicaにはならないということで、元のメンバーが戻ってきたようだ。まぁ、詳しい話はよくわかりませんけど。

 ちなみに、ホーン・セクションに関する限り、顔ぶれは全然違いました。なんでもトランペットのタンタン(アスワドのホーン・セクションのひとり)は夏休みをとって家族旅行中で、今回はFrayzのプロジェクトに加わってくれた(あと、シンプリー・レッドのツアー・メンバーで、バーシアなんかのアルバムでプロデューサー的な役割をしている)ケヴィン・ロビンソンがピンチヒッターで加わっていて、トロンボーンとアルトはよく知らない人でした。

 とはいっても、この日ピラミッドに登場したJools Holland(私の大好きなリコ・ロドリゲスもいたようですが、ライヴは見られなかった。残念!)で演奏が終わるやいなや駆けつけてきたのがテナーのバミー。それにパーカッションのトニー・ユターやキーボードのビガーもいたし、まぁ、なんにも変わっていないといえばそうかもしれないんだけど。

Jazz JamaicaJazz Jamaica Jazz JamaicaSandra Cross
 私自身がプロデュースしたサンドラ・クロスのプロジェクトが生まれるきっかけというか、伏線となったのがこのJazz Jamaicaにアイデアをあげて作った2枚のアルバム。だから、彼らとのつきあいも長いし、あんまりネガティヴなことは書きたくないんだが、はっきり言って、98年にジャマイカに行ったときにアーネスト・ラングリンが言っていた言葉が頭に浮かんだというのが今回の印象なか。確かにみんな演奏はうまいんだけど、同じことばかりを繰り返していて、退屈。一生懸命アルバムを売ろうとしているんだろうけど、彼らにとっての最新作である「ダブル・バレル」とデビュー・アルバムの「スキャラヴァン」からの選曲だけ。これじゃ面白くない。

Glastonbury Festival 2000 Glastonbury Festival 2000


 本当は日本でけっこうなヒットとなったのが彼らと一緒に作った2枚の作品「The Blue Note, The Blue Beat1&2」で、実を言うと、これが海外でも噂になっていてけっこうなコレクターズ・アイテム化しているのだ。なんでも以前のマネージャーとのいろいろな問題のせいで(政治的なことです)これが海外では発表されていなくて、そのせいか、ライヴではこのアルバムからの曲はほとんど演奏されないわけです。唯一の例外が「カンタロープ・アイランド」で、そのアレンジがアルバムとは違っているのが救いなんだけど、はっきり言って、昨年のグラストンバリーとほとんど同じ選曲で、キーボードのビガーがステージで話している言葉までほとんど同じ。これじゃ、彼らを知っている人がライヴをみたいとは思わないよ。なにを考えているんだろうね。

 ちなみに彼らが8月に来日して東京で4日間ほど演奏するらしいんだけど、おそらく、見には行くけど、それほど楽しみにしているって感じじゃない。まぁ、友達だから、ライヴが終わってでも酒を飲んだり、話をするために行くって感じで、ライヴにはあまり興味なくなりました。ホント、こんなことをしていたら、せっかく作った今までの歴史を潰してしまうと思うんだけどな。ああ、いらいらする。

Glastonbury Festival 2000  さて、このジャズ・ジャマイカのライヴが終わって移動した先は再びアコースティック・ステージ。昨日のトリをつとめたホットハウス・フラワーズのリアムが、この日はソロで演奏することになっている。例によって、シアターからサーカス・エリアをくぐり抜けて移動するんだけど、今回はさすがに最初からはみられなかった。Jazz Jamaicaと少しなんだが、時間が重なっていたし、ライヴのあと、ケンリックとまぁ、四方山話をしていたわけです。だって、そういうのだって楽しみなわけで、ライヴのために走り回るだけじゃつまらないでしょ。

 まぁ、そんなことがあってリアムのセットの途中でアコースティック・ステージにたどり着いたんですが、会場の中がやたら静かなわけです。もちろん、人がいないんじゃなくて、みんなリアムの声に聞き入っているってことなんですが、いい雰囲気でしたよ。もちろん、1曲演奏が終わる度に出てくる拍手とか、騒ぎ方ってのは、紛れもなくアイリッシュ的で、とんでもない反応を見せてくれるんですけどね。

 で、このソロでのライヴの一番最後に歌ってくれたのが大好きなトラッドの名曲「The Lake Of Ponchartrain」。これはねぇ、ジーンときちゃうんですよ。BBCの作ったアイリッシュ音楽のドキュメンタリー用のサウンド・トラックとして録音されたアルバムに収録されていて、あと、彼らのシングルかなんかにも加えられていたかな。でも、これ、どうなんでしょうね、今でも手に入るのかしら...

 とりあえず、「まだ、どこかで...」という挨拶をして、今度向かったのはDance Tent。ここで昔一緒にテレビ番組をやっていたDJ Krushとのインタヴューだ。本当だったら、こうゆうのをきちんと写真に撮影しておくべきなんだろうけど、「仕事」になってしまうと、35mmが中心になってしまって、デジカメを忘れてしまうわけで... ごめんなさい、彼の写真はありません。

 ちなみに、今回のDJ KrushはDJとしてお皿を回すセットで、ミュージシャンが絡むわけではない。ただ、彼がDJとして作り出してくる音って、いわゆる踊ればいいってものじゃないから、けっこう、会場での反応は微妙でしたね。なんとか踊ろうとしている人もいるんだけど、とまどっているような人もいたり... いずれにせよ、「なんだ、これ? こんなの聞いたことがない」って反応が一番だったって感じかな。それでも、パフォーマンスが終わると割れんばかりの拍手がわき起こっていたあたり、さすがだなって思いましたよ。というか、オリジナリティというか、こういうもんなんですね、なんか伝えたくなるものって。実際、Smash UKのスタッフでもDJ Krushをチェックして、「やっぱ、噂で聞いているとおりだね。すごいよ」なんていってました。

Glastonbury Festival 2000  と、そんなことをチェックしていたとき、Jazz & Worldでは伝説のGil Scott Heronがライヴをやって、そのあとにOzomatliが登場したんだそうな。実をいえば、プレスの担当者から「いやぁ、オゾマトリはキャンセルしたんだ」なんていわれていたから、チェックにも行かなかったのよ、実は。ところが、彼らほとんどトリで出演して、大好評を博したんだとか。それに関しては友人がテレビでチェックしていたらしく、「テレビ見ながら、踊り狂っていたんだから、ライヴの現場じゃすごかったと思うよ」なんていってました。ま、それは後に聞いた話なんだけど。

 一方、オゾマトリが出ないと信じてしまっていたSmash UK班は予定通り仕事ができたと思って、ベース・キャンプでDJ大会です。そうやって今回のグラストンバリーも幕を閉じていくんですけど、私、よく考えたら、ほとんどライヴを見ていないって思うんですよ。どうなんでしょうね。これでいいですかね? チケット代やレンタカー代に宿泊費にフライト代... けっこうな金を使っているんだけど... そんなことを真剣に考え始めたら、ろくなことはないんで、追求しません。いやぁ、楽しかった。それでいいじゃないですか。

Glastonbury Festival 2000 Glastonbury Festival 2000


 まぁ、そんなことがあって一夜明け... これでグラストンバリーとはおさらばなんですが、「ここにキャンプするな」なんて看板をとってきて、それを飾りにキャンプしていた仲間たちも帰りの準備です。ジョー・ストラマーは「このテント、ワンタッチで作れるって買ってきたわけだわ。バネかなんかでできてるんだけど... ところがだなぁ、仕舞い方がわからないんだよ。頭にくる」なんていってるし、彼の奥さんは「なんでこんなにみんなゴミをだすのよ。片づけもしないで... 日本じゃこんなこと絶対にないと思うのね」なんて言っている。昨年のフジ・ロックの印象がそれほど強力だったってことなんだけど、さて、今年はどうなりますやら。

 そういえば、ジョーに実は、オゾマトリが出演したことを言うと、「嘘だろ? 今年見たかったのは連中だけだったのに... なんてこったい!」とショックを隠せないでいる。いやぁ、実際、それ、みんなの気持ちなんだな。俺も見たかった。まぁ、僕の場合、Krushの仕事があったから、いずれにせよ、無理だったかもしれないけど... そうだなぁ、やっぱ、これからグラストンバリーに仕事を持ち込むのはやめよう。と、そう思う。

Glastonbury Festival 2000 Glastonbury Festival 2000


 ということで、彼らに挨拶して、会場をあとにした。といっても、どうやら出入り口のところで事故があったようで、会場から外に向かう車が全然動かない。前の方では係員と一般客がいらいらしてちょっとした殴り合いになりそうな気配もあるけど、殴ったところでなんにもならないはずなのに... いつも思いますが、暴力的な人間というのは、頭が悪い。結局、それで自分の欲求不満を解消しているだけで、周りの人間にしてみれば、迷惑なだけで、状況がよくなるわけないからな。まぁ、こうゆうのって、フジ・ロックでもあるんだろうなって思ってしまうんだけど、どんなものなんでしょう。ちなみに、あとで聞いた話なんですが、バスと電車で会場を離れた友人は5時間待たされたということです。かわいそうだけど、そんなものなんですよ、こうゆうでっかいフェスティヴァルになると。

 とはいっても、グラストンバリーにはフェスティヴァルのない時期にも何度も来ているから、けっこうこのあたりの道に詳しいわけです、私。というので、会場の中を突っ切って農場のところに行って、そこから村の道に入ってメインの道に抜けましたわ。おそらく、他の人たちはあそこで数時間を過ごしたんだろうなと思いますが、まぁ、かわいそうとしか言いようがないな。

 面白いのは、どこに行ってもグラストンバリー帰りの人ばかりだったこと。これも、いつも思うことなんですが、なかなかフェスティヴァルは終わらないんですよ。例えば、ちょっとした渋滞を切り抜けて、国道に入ったところでパブに行くと、明らかにフェスティヴァル帰りの人が地図を見せてくれと言ってきたり... 高速道路のサーヴィス・エリアではみんながその日に出たグラストンバリー特集の新聞を買って、チェックしていたり...

Glastonbury Festival 2000 Glastonbury Festival 2000


 と、思えば、こんな車にも出会ってしまうわけです。これにはぶっ飛びましたよ。車に落書きをしていて、でっかくGlastonburyなんて書いてるからね。しかも、他のイラストも笑えるし、こんなことをして遊んでしまえるこちらの人って、やっぱ、ユーモアのセンスがいっぱいあると思いますよ。どう思います?

 さて、今年はフジ・ロックにこのグラストンバリーの主催者をゲストで呼ぼうと考えています。それが実現するかどうかは、まだまだわかりませんけど、彼らがフジ・ロックを見てどう思うのか... けっこう気になります。その時には、おそらく、また、どこかでレポートすることになるんでしょうな。


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buttonGlastonbury 2000 - part1 (前日から1日目まで) (00/06/28 @ Pilton in Summerset) : revirew and photo by hanasan
button再び泥まみれのグラストンバリーに15万人! (00/06/28 @ Pilton, UK) : revirew and photo by hanasan
buttonかつて03という素晴らしい雑誌があった.... (90/06/ @ Pilton, UK) : review by hanasan, photo by mitch ikeda

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