Blur

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"13" (国内盤 / US import)

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 今さらながら(ちゃんと)聞きました、ブラー渾身の作「13」。ホント、今さらなんだけどフジロックも間近に迫ってきたのでいいかな?と。実は発売日に手に入れてたんだけどね。コレ負け惜しみじゃなくて。ブラーは私が欠かさずアルバムを買ってるとゆー、数少ないミュージシャン。そして、新作が出る度に「うわ、また一歩前進したなぁ」と思わせてくれる楽しみなアーティストでもあるし。多分、それは私が彼等と同年代の80年代育ちということもあるんだろうなー。一緒に歩んでいる様な感覚を持ってしまうのだ。

 まぁ、それで今回も楽しみにしてたんですよー。お買い上げ直後「待切れない!」っつー勢いで、店を出るやビリビリとパッケージを破りすて、ディスクマンに挿入。スタンバイオッケー、さぁ聴くぜ。

 しかーし!!1曲目のTenderで、もー、私は思いっきりひいてしまったのだ。ぎょえ〜〜何これぇ!?これがブラー?なんだかあまりにも生々しくて、ふいをつかれて「ま、待って、心の準備できてないのよ、そんな話しないで」とたじろいている様な気持ちにさせられてしまった。

 既に、デーモンが長年の恋人と別れたとか、下世話な情報もアチコチに載ってたから先入観あったかもしれない。だけどさぁ、「Oh my baby」なんて歌詞、今までのブラーからは考えられないでしょ?ちょっとぉ、そんな感情を露にしていいのー?なんか、デーモンから人生の悲哀話を延々と聞かされている様に思えてしまって(ごめん、デーモン)...。それに加えてこのゴスペル調のコーラス。およそブラーとは思えない。今、日本を席巻しているブラックの波に辟易していた私にとっては、はっきり言ってゲップが出そうだった。「あぁ、ブラーよ、お前もか」と。「やっぱり、どんな白人ミュージシャンにも避けて通れない道なのだろうか?」等と考えさせられてしまったりね。...そんな訳で気持ちは萎えに萎え、このアルバム、買ったその日に見事お蔵入りしてしまったのでした。

 しかし、人生とは不思議なものである。心の中でデーモンに「さらば!」と告げ「ちぇっ、金返せ」とまで舌打ちし、今や冷酷非道のファンとなったワタシの目にある番組が。それは先日NHK BSで放送された「AROUND THE WORLD〜日本のうた 世界のうた」

(しっかし、NHKなタイトルねぇ〜(苦笑))

 出演者はそうそうたるメンバー。カルチャークラブ(オヤユビの様でしたな、ポーイジョージおぢ(おば?))ジャミロクワイ、ブラー、ニック・ケイブ、そしてポール・ウェラー。あ〜、もう別にブラーはどうでもいい、それよりポール・ウェラーだよ、ポール・ウェラー!!こっち見とかんと。なんて状態で見ていた私をブラーは「あれれ?」と思わせてくれたの。オーディエンスもいない、西田ひかるがへんてこな進行役をつとめる退屈な番組(だと思うんだよねー、だって日本側のアーティストはヘボい質問しかしないしさぁ、段取り悪そうだしさぁ〜って文句ばっかり)での彼等はマジよかった!ええステージやった!これについては違う見解を持つ人も沢山いると思うけど、いっちゃうもん。

 私には彼等がひと皮むけた、なんだかとっても大人になった様に思えたの。毎回思うけども、今度は格段の飛躍。んー、私にとってのブラーって、ちょっとひねくれた、タカビーな(本人達はそうは思ってないでしょうけどね)、皮肉やの集団って風に見えてた。で、それがなんだかリスペクトしたくなる様なタカビーさなんだよね。「オレらはお前らみたいなダッサイ事はしね〜よ」といわんばかりの高慢チキな態度。でも、その横にくっついて「ホント〜だっせー」って声を揃えて言いたくなるのよ。それでギャラガー兄弟がグルルルル、となる気持ちもわからんではない。

 でも、これってもしかしたら自分の内面をさらけだす事への照れ隠しだったんじゃないかな。ストーリーテリングな、自分の代わりに誰かをみたてた歌、ひねくれ入った歌詞。そんなカクレミノをぜーんぶ捨てて、いや、脱いで、ホントの自然体になったんじゃない?今度こそ、自分にとって本当に大切なことを歌い上げたのではないだろうか。

 まぁ、だとしたら、オアシス兄弟や、他にブラーを毛嫌いしてたアーティストが今まで言ってた、ヤツらには魂がねぇ!みたいなのって、ある意味正しかった事になるのかなぁ。 そんなこんなで、放っといてどっかいっちゃったアルバムを探して再度聴いてみるとですねぇ、目からウロコな体験なんです、コレが。なんか泰然って空気が流れてる。「今まで色んな事があったんだ、でも今は新しい気分で進んでるよ。」そんなメッセージを感じとれる。自分を理論武装してた時期はもう過ぎて、素直に表現する気持ちになれた清清しさを感じてしまった。そんな自然さって、ブラックぽさだとかなんだとかの屁理屈をすっ飛ばすパワーを持ってる。黒かろうが白かろうがどーでもいいでしょ、と。

 そして、その感情ってやっぱり同年代だからとっても分る部分があるのです。仕事も恋愛も一通り経験してきたけど、本物の大人と言うにはまだ足りなさを感じる中途半端な年代。そして中途半端ながらも、今までの自分の結果をつき出される時期。およそ今まで考えもしなかった、人生を自分はどう歩くのか、なんて否応なく考えさせられてしまう。 もちろん、スターの彼等と一般人の私とではディティールはちがうだろうけど、核の部分は同じ事を感じてるんじゃないかしら?そう、30才って微妙なお年頃だもの・・・。

 そう思ったら、冒頭の「へん、ブラーも終わったぜ」って態度は180度回転。今や一日中聴いてる有り様。ふむ、ボーカルも深くなったみたい、エモーショナルだよね。Tenderが自然と沸き起こった感情なのは言うまでもなく、歌詞の隅々にもloveが溢れている。もう全然照れたりしていない。グレアムの曲、coffee&TVもいいじゃん。これ、2ndシングルになったそうな。それにしてもグレアムの曲がアルバムの中で一番ポップというかキャッチーというか..う〜ん感慨深い。インドネシアで録音したという(どうやって?)不思議な熱を持つCARAMEL、音への執着が窺える。ずっと一緒にやってたプロデューサーもチェンジしたらしいし。ホントに先へ進みたかったんだなぁ。

 そして何よりも視野が広くなったわー、英国にスッポリ納まってた感は微塵もなく、もはやグローバルよグローバル!!....なんて、モロに女心と秋の空。あまりの変わり身の早さに自分でも頭ポリポリ。でも、素直にあやまるわ。事あるごとに「ブラーの新作超つまんなーい」なんて、ケナシてごめんなさいー!ワタシが悪かったですぅ、もうホント、あやまります〜。あぁ、こーゆーのが素直な心というのね。うん、人間精進しなきゃイカンな...と思わずうなずくパンピーなワタシ。これはフジロックが楽しみだね...。そう、この様に「13」はひと粒で二度おいしい、しかも啓蒙までしてくれる大変お得なアルバムなのでありました。(笑)


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