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"One(ワン)"つまり「1」を今、あなたはどう読むだろう? 「いち」、「ひとつ」…そしてどんな言葉(単語)を連想しただうか? 「一番」「一位」といった最上級を表す単語のイメージが強くて好きな数字ではなかったのだけれど、アリー・カーが描く「1」が持つ「とっておきの」とか「自分だけのもの」というステキな概念があることを”ビー・ザ・ワン”を通して思い出させてくれた。「1」という数字は意外にイヤな数字なんかではないのかも……ということを。アルバムのタイトルにもなっている"オフ・ザ・レーダ"という曲もそうだし、アルバム全体を通しての言葉遊びが、アリー・カーという人の茶目っ気がふんだんに織り込まれているようで、かめば噛むほど味がみじみ出てくるんだろうな、と想像を掻き立てさせてくれる。
グラスゴーの音楽と言えば、よく「ひねくれ」とか「皮肉」という言葉で簡単に表現されてしまっているけれど、アリー・カーの音楽からは、そういう面をうまく遊びとして表現しているから、そういう類いの言葉のマイナス・イメージをキレイに昇華させている。"オフ・ザ・レーダ"の歌詞だけを見ると、すべての状況を否定しているのだけれど、音はというと、そういう状況を完全に客観視して楽しんでいるかのようなポップさでぎゅっと固められているものだから、悲壮感はない。そしてアルバムを通して語られるストーリーは、アリー自身のすぐ手の届くところで起こるでき事=私自身のすぐ手の届くところで起こるでき事であり、アリーにとって自分(アリー)と音楽とは切っても切れない密接した関係の存在であることをうかがわせてくれる。私がここ数年、スコットランドの音楽に魅了されてやまないのは、そういう点があるからなのだ。ぜひぜひアリーの奏でる耳から感じる音楽だけではなく、アリーの描く目に飛び込んでくるストーリーもじっくりと読んでみてほしい。
そのアリー・カーがいよいよ来週、アコースティック・ツアーのため再来日する。今回は4都市、4公演(+アフターパーティもあり)で、福岡では限定30人、大阪では限定60人というカフェやレストランでのスペシャルなライヴを披露してくれるという。アリーの息づかいだけではなく、アコースティック・ギターの弦を押さえるときのギュインって音なんかも聞こえてしまうかもしれない。日本ではなかなかオンタイムで情報を得ることも難しいアーティストのひとりであろうアリー・カーではあるけれども、高感度のアンテナを張ったファンも多く、公演によってはほどソールド・アウトになっている日もあるのだとか!
私はまだアリー・カーのライヴを観たことがない。このアルバムを通して完成された私のなかのアリー・カー像と実物のアリー・カーはどういう風に重なりあり、どういう部分が違って見えるのだろうら_ "フット・プリンツ"の一曲すべてがスラーでつながれたような滑らかなピアノも聞けてしまったりするのだろうか? 来日するのを目の前にして、アリー・カーに対する好奇心は絶えることはない。
アリー・カー・アコースティック・ジャパン・ツアー
4/3 福岡 Juke Joint
4/4 広島 ばばじ
4/5 大阪 dining cafe+goods martha
4/6 東京 渋谷O-Nest
ツアーに関する詳細はoffice-glasgowのHPでご確認ください。
reviewed by kuniko
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