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ギーを観たことのない友人から「ギーってどんな感じ?」と質問を受けることがある。私はそれにうまく答えることができない。英語詞でストレートなギター・ロックだからUKっぽいかといえば、そう簡単にひと括りにはできない気がするし……(大体UKぽいってなんだ?)。メンバー・インタビュー時の言葉を借りるなら
「新しいスタイル(ヤナ)」「ストレートだけど奥が深い(ヒサヨ)」
となるけれど、これだけではイメージがわかないだろう。決して複雑ではないのに、とてもひと言では言い表せないのがギーの音楽なのだ。
乱暴な言い方をするなら、観てもらう、聴いてもらうのが一番早い、ということになる。そういった意味では、セカンド・アルバム、『レコンキスタ』はギーをもっと知りたい人に猛プッシュしたい作品だ。ライヴと彼らが表現したい世界観の両方が見えるから。ファースト・アルバム、『GHEEE』を聴いたときは「あ、生の音とCDは違うんだ」という感想を持ったが、今回は耳にした瞬間にライヴの映像が浮かんできた。マニア垂涎の深沼元昭のギター・プレイとか、マイクをスタンドごと引っつかんで歌う近藤智洋とか……。実際にギーを観たことがない人でも、照明が落とされた暗い会場、ステージにだけきらびやかな光が踊る中に立つ4人の姿が想像できるはずだ。
しかし、ライヴ感だけが今作の魅力ではない。ツイン・ヴォーカルのキャラクターが際立つ歌(歌詞と曲と声すべて)にも注目してもらいたい。聴く者のイマジネーションをかき立てる言葉を駆使する近藤と、ストレートで尖った歌詞を打ちだす深沼。出合い頭に殴られたかのような衝撃を持つ声と、激しさの中に自由な柔らかさある声。1曲の中で、それぞれの個性がしっかり光を放っているのに、それがバラバラに聴こえることはない。ふたつなのにひとつ。ひとつなのにふたつ。まったく違うカラーのふたりが融合するのではなく、そのまま合体して大きな1となっているのだ。こんなバンド、そしてこんなアルバム、他にあるのだろうか?
冒頭で書いた、どんな感じ? という問いに答えられないというのは、「こんな感じ」と例えられるものがないからだ。ギーというバンドが心のどこかに引っ掛かったのなら、実際に触れてみるしかない。「ライヴを経たギーの第一歩」というこのアルバムを聴けば、答えの一角が見えてくる。
"Reconquista"ツアー スケジュール
4月2日:下北沢クラブ251
4月4日:京都MOJO
4月5日:大阪・福島ライヴスクエア・2ndライン(ワンマン)
4月6日:名古屋クラブ・ロックンロール(ワンマン)
4月11日:札幌スピリチュアル・ラウンジ(近藤智洋、深沼元昭の各々ソロの弾き語り)
4月12日:札幌スピリチュアル・ラウンジ
4月13日:旭川カジノ☆ドライヴ
4月19日:仙台マカナ
5月8日:鹿児島SRホール
5月10日:福岡ドラム・サン
5月18日:代官山ユニット(ワンマン)
reviewed by wacchy
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