フェルミン・ムグルサ

Fermin Muguruza

"エウスカル・エリア・ジャマイカ・クラッシュ"
(国内盤)

The official site

Fermin Muguruza

http://www.muguruzafm.com/

check 'em? -->MySpace

Previous works

Fermin Muguruza

"In-Komunikazioa"
(国内盤UK import)

"Er Remix Ak"(UK import)
"FM 99.00 Dub Manifest" (US import / UK import)
"Ireki Ateak" (UK import)
"ブリガディスタック・サウンド・システム" (国内盤)
"Apolo 2004/01/21" (UK import)
"Xomorroak " (UK import)
"Irun Meets Bristol" (UK import)
"Euskal Preso Politikoen Famili" (UK import)
"Piranha's World Cup Party" (iTunes)
"Class Pride World Wide" (iTunes)
"Rmx Made In Barna" (iTunes)



check the albums?


buttonmag files : Fermin Muguruza

buttonCD review : Euskal herria Jamaika Clash : (07/07/22) : review by sakamoto
buttonphoto report : (07/04/30 @ Totem, Pamplona) : photos by hanasan
buttonphoto report : (07/04/29 @ Vina Rock Festival, Benicassim) : photos by hanasan
buttonボブ・マーリーとジョー・ストラマーと : (04/04/17 @ Leonkavallo, Milan) : review by ken, photos by hanasan
buttonphoto report : (04/04/17 @ Leonkavallo, Milan) : photos by hanasan
buttonbad dog outside! : (04/04/16 @ Ku.Bo, Bolzano) : review by ken, photos by hanasan
buttonphoto report : (04/04/16 @ Ku.Bo, Bolzano) : photos by hanasan
button赤い街から煙る街へ : (04/04/15 @ Estragon, Bologna) : review by ken, photos by hanasan
buttonphoto report : (04/04/15 @ Estragon, Bologna) : photos by hanasan
button日本にはない空気 : (04/04/14 @ Auditorium Flog, Firenze) : review by ken, photos by hanasan
buttonphoto report : (04/04/14 @ Auditorium Flog, Firenze) : photos by hanasan



 その昔、 確かに音楽は自分にとって戦いだった。16,7の頃に聞いたブルーハーツは何が本当なのか、何が正しいのかという問いを突きつけたし、ミッシェル・ガン・エレファントは生きる事への疾走や衝動との戦いだった。しかし、それはあくまでもナイーブな戦いで、自分の内側にある戦いだ。もう少し言うと、外からみても誰にもわからない戦いだった。だからまあ、極論するとあってもなくても一緒なのだ。そんなもんは不必要だという人はたくさんいたし、見向きもしないで生きてる人だってたくさん知っている。正しいことはどちらかよくわからないけど、お陰で現実的な道を歩くのに多くの苦労さえしたと思う。

 そして、僕はフェルミン・ムルグサを知る事になる。数年前のフジロックでの話だ。それは、間違いなく素晴しいライブだった。外に打ち出るエネルギー、ナイーブさなんてちっとも感じさせない太っいビート感。まさにパワーが爆発したという表現がぴったりなパフォーマンスに体も心も十二分に揺らされた。エンディングのSEが鳴りだしても、いつまでもいつまでも終わらない叫び声とダンスの嵐は自分のフジロック体験の中でも指折り数える美しい風景だった。

 もちろん、帰ってすぐさまレコ屋に駆け込んだ。店員曰く「この人のCDちょっと前も探しにきた人いたんですよ。」という言葉にフジでのライブの繋がりを感じたりもし。その時、手に取った一枚のライブ盤はフェルミンの最初に手にしたレコード。今でも素晴しい情熱とパワーを頂戴している。これは余談。

 ここで、彼の思想や行動に関する話は自分には出来ない。それを語るには自分はあまりに知識も言葉も体験も不足している。しかし、彼等の音楽を聞いて真っ先に感じる事は、彼の音楽が戦っているという感触だ。その表現はとにかく外に向けられている。決して内側に埋没する事はない。そして、常に軸足はしっかりと一点を踏んでいる。 特に今作ではそんな感触を強く感じる。ほぼ全編をジャマイカでレコーディングした"エウスカル・エリア・ジャマイカ・クラッシュ "。全編を通して流れ続けるポジティブで躍動感に溢れるパワー。それは広く外側に窓を広げているもののように聞こえてくる。もちろん彼の歌には熱いメッセージが込められている。だけど、そんな事は関係無しにスッと楽曲に入っていける懐の深さが今作にはある。押し付けがましさとか、強引さなんてものは感じない。肩の力が抜けた良い歌ばかりだ。ジャケットの絵がジャマイカの国旗とバスクの国旗が交ざりあっていることからもレコーディングが非常に好調だったことを表現しているのだろう。この外に向うパワーにこそ彼の戦いがあるのだと思う。

 しかしである、音楽での戦いとはどんなものなのであろうか。例えば、安倍晋三の悪口を大声で歌えばそれは戦いになるのだろうか。決してそんな単純なことではないと思う。主義主張を歌に込めるというのも、違う気がする。そんな時、自分は前述したフジロックのライブを思い出す。何も知らない他人同士なのに、肩を組みハイタッチを交わしたあの日のことを。なるほど、答えは簡単だ。流れてくる音に身を任せて、心を解き放てばいいんだ。そんな音楽をステージの上から届けることなんだろう。僕が思う音楽の戦いがこんな事なんだとしたら、このアルバムはどんなものにも負けない武器になることは間違いない。聞くほどに心が解き放たれていく。そんな作品だ。やっぱり、自分にとって音楽はまだ戦いだ。フェルミン・ムルグサを聞いて幸せになるこの感じ。いつかそんな気持ちが世界に蔓延すればいいのに。そういうことだ。

 7月29日のフジロック、グリーンステージに登場するフェルミン・ムルグサ。奇しくも参議院選挙と同じ日。今から待ちきれない人も、期日前投票はお忘れなく。



フェルミン・ムルグサ - アフロ・バスク・ファイアー・ブリゲイド

2007/7/27(金) 渋谷エッグマン
with ザ・ズート16、タートル・アイランドほか
2007/7/29(日) フジ・ロック・フェスティヴァル
詳細はこちらでご確認を。

reviewed by sakamoto


Recent Pick Ups

ファウンテインズ・オブ・ウェイン

Fountains of Wayne

"トラフィック & ウェザー"

reviewed by hara

ザ・50回転ズ

The 50kaitenz

"50回転ズのビリビリ!!"

reviewed by nob

マンホール

Manhole

"ブギー・アウト"

reviewed by sakamoto

マイルス・デイヴィス

Miles Davis

"アガルタ"

reviewed by jay

sakamoto's reviews

button"ブギー・アウト" / マンホール (07/05/27)
button"ラヴィエベル〜人生は素晴しい" / ソウル・フラワー・ユニオン (07/05/27)
button"セカンド" / ミドリ (07/04/27)
button"スーパー・ナイス" / モーサム・トーンベンダー (07/03/18)
button"サム・ラウド・サンダー" / クラップ・ユア・ハンズ・セイ・ヤー (07/03/05)
button"デッドロック" / ギターウルフ (07/02/20)
button"ソング・オブ・インストゥルメンタル" / サケロック (06/12/24)
button" B☆B☆B" / ズボンズ (06/11/23)
button"夢助" / 忌野清志郎 (06/10/23)
button"アイ・ノウ・アイム・ノット・アローン & イェル・ファイア!" / マイケル・フランティ & スピアヘッド (06/09/11)




無断転載を禁じます。The copyright of the review belongs to and it may not be reproduced in any form whatsoever.counter
==>Back To The Top Page : JPN / ENG.