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そしたらライヴに行こう!
もしかしたら、初めて聴いたときの勢いがなくなるのではないか、という心配があったけれども、この『50回転ズのビリビリ』を聞き終えて、それが杞憂であったことがわかった。曲調は、バラエティーに富んでいるけど、彼らの持っている鋭さは変わらなかった。やっぱり、勢いで出てきたバンドなわけだし、彼らのルーツは、シンプルなロックンロールだから、続けていくうちに、どこかでブレーキがかかるのではないかという意地悪な見方をすり抜けて、ひとつハードルをクリアしたようなアルバムになった。
まず、マカロニウエスタン風のSEから哀しみを帯びた疾走感のあるロックンロールに突入する"荒野の男"は、すごくミッシェルガン・エレファントで(ミッシェル中期までのオープニングSEは"荒野の1セント銀貨")、ダニーが物語るストーリーは、まさに無国籍風マカロニウエスタンなものになっている。情景が目に浮かぶのだ。
牧歌的に労働者の日常を歌う"出稼ぎ行進曲"、ブルーハーツ風の"WE ARE THE KIDS"、などさまざまな曲が並ぶのは前作以上であるけれども、"港のブルース"や"日雇い節"あたりは、ライヴでの50回転ズのイメージに近い。そして、異色なのは"戦争と政治家"で、「忘れるなヒロシマを/忘れるなナガサキを」という言葉も出てくる、驚くほどストレートな反戦歌になっている。正直、彼らはノンポリだと思っていたので意外だけど、ブルーハーツがルーツのひとつであると思えば納得できる。さらにドリー作の"YOUNGERS ON THE ROAD"は、すでにライヴではお馴染みだけど、アップテンポなリズムに泣けるメロディが乗るというドリーらしいポップな曲。
デビューまでの蓄積を生かせた前作に比べ、短い間に曲作りをおこなわなければならなかった今回は、デビューしてから海外ツアーや日本各地をくまなく回り、さらにはフェスやテレビ出演などをこなした中で出来上がってきたものだ。そんなデビュー以後のさまざまな渦の中で生まれたのに、自分自身を見失うことなく、しっかりと次につながるようにバラエティーの幅を広げていった現在の彼らの姿を映しているアルバムになったのである。
reviewed by nob
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