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何百回と賞賛の言葉で語られてきたこの金字塔アルバム。実は大好きな1枚というわけではないし、自分では持っていない。だったら紹介するなよ!と言う声も聞こえてきそうなのでちょっと言い訳。もちろんいい曲が入っているし、当時の世代の生々しいリアルな叫びが収められた90年代を代表する1枚という意見に異論はない。それでこのアルバムは自分にとって何なのかと言うと"始めはダメだったけど、後で好きになったアルバム"なのです。自分にはそういう音楽(バンド)がいくつかあって、メタリカ、ローリング・ストーンズ、セックス・ピストルズ、なども同様な経路を辿っています。
ニルヴァーナに興味を持ったきっかけは、「新世代ハードロック!」的な雑誌の紹介を見てだったと思います。近所のツタヤでレンタルして、早速CDプレーヤーに入れて再生ボタンをオン。1曲目はスメルズ・ライク・ティーン・スピリット。最早90年代のアンセムといえるこの曲。当時聴いた自分の第一印象は…「う〜ん、なんだこれ?」。アルバムをズンズン聴き進めて行っても、ヒリヒリする様な生々しさは感じつつも、正直お世辞にもいいとは思えなかった。どの曲も異様に暗い曲調、暴力的にやかましいギター。聴き終えた後はドンヨリ憂鬱…。
まぁ当時の自分は某B誌系のHR/HMにドップリだったので、このニルヴァーナのかもし出す陰鬱としたへヴィさに、それまで聴いていたものとの異質感を感じて思わず引いてしまったわけです。カート・コバーンは「ブラック・フラッグを初めて聴いた時、すぐには受け入れられなかった」らしいけど、同じような感じだったのかなと。B誌のレビューページでこの歴史的名盤に点数「?」をつけた人の気持ちも自分にはわかる。もちろんテープにも録らずにダッシュでツタヤに返却です。
そして再び出会うのは2年後、パンクを聴くようになってから。そういやニルヴァーナっていたな、もう一回聴いてみよう、と思い再びツタヤへ。パンクの生々しさをカッコいいと思うようになった耳には、パーっと新しい世界が開けたように、スピーカーから流れるニルヴァーナの音楽がすんなり入ってきました。それからかなり長い間自分の愛聴盤になったのでした。
カート・コバーンがインタビューで「REMみたいな曲を1曲でもいいから書けたらな…」と言っていた。意見は色々あろうけど、「曲の良さ」という点で見ると確かにREMが生み出してきた曲と比べてニルヴァーナはちょっと劣るかなと自分も思う。色んなジャンルの音楽を聴くようになった今では、当初「どこが?」と思ったビートルズからの影響もうなずける。自分にとっては新しい音楽への視野を広げてくれたと同時に、今聴いても初めて聴いた時の"エグさ"を思い出させてくれるそんなアルバムです。
あとで知ったのだけどNirvanaとは涅槃(ねはん)と言う宗教用語で「悟り」と同じ意味だそうな。また煩悩(ぼんのう)の火を吹き消した状態とも言うとか。煩悩…?
LAメタルのことでしょうか?(笑)
reviewed by 棚村知祥
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