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ここ2年ぐらい関西のバンドからアツい音がたくさん届けられている。フジロックのホワイトステージに出演を果たしたあふりらんぽを筆頭にオシリ・ペンペンズやワッツシー・ゾンビなどなど、多くのバンドが僕を含めた多くの東京人の喉元へナイフを突きつけたのではないだろうか。俗に彼等は「関西ゼロ世代」と呼ばれ全国の数寄者達の注目を集めてきた。ボアダムスの子孫なんてことも言われてはいるが音はかなり雑多。要は関西発の前衛的で人を引きつける魅力のあるバンド達ということだ。
そして、ミドリである。Vo&Gの後藤まりこ率いるこのバンドも関西ゼロ世代として注目を集めたバンドの一つ。2005年にはデビューアルバム『ファースト』をリリース。セーラ服を着た後藤まりこがギターを掻きむしり、暴れまくるライブは各地で話題を呼び、円盤ジャンボリーやカモガワロックフェスなどの数々のイベントへの出演を果たしている。今年は全国の夏フェスへの進出も決まり、今や飛ぶ取り落とす勢いと言ってしまっていいだろう。そんなタイミングで2作目となる『セカンド』が届けられた。
基本的にサウンドは爆音パンク路線を続けているが、昭和歌謡の匂いが漂うメロディーはかなりキャッチーに仕上がっている。ジャジーで洗練されたピアノとエネルギッシュでタイトなドラムスの上を縦横無尽に飛び回る後藤まりこ。絶叫の狭間にみせる情感溢れる彼女の歌声はボディーブローのように心を揺さぶる。歌詞も含め全体的には本能爆発といった感じだが、表情はかなり豊かだ。まるで童謡のような"あたしのお歌"と叫び声のようなアジテーションを繰り広げる"あんたは誰や"。こんな曲を一枚に収めてしまえる程の懐の深さがこのバンドにはある。
セーラ服という言葉を一聴すると色モノという言葉が思い浮かびそうだが、その音はかなりど真ん中を突いてくる音だ。もの凄いデス声の絶叫の裏ではかなり繊細なバンドの音が鳴っている。一言片付けるとしたら歪んでるのだ。しかし、この歪みこそがこのバンドの真髄。この音を聞いていると純粋さとは言われるほど単純なものなんだろうかと考えてしまう。「セックスがしたい」と叫ぶ後藤まりこの声にこれほど純粋さを感じ取れるのは、純粋でないものを知っているからこその強さなんじゃないだろうかと。だからこそ後藤まりこの絶叫には嘘のない衝動や本気の魂を感じさせるのだろう。見た目やあけすけな歌詞のインパクトに目を奪われがちだが、聞くほどに惹き込まれるのはバンドの音も含め衝動の先にあるものをしっかり音に鳴らしているからだろう。そう、本当の純粋さに立ち向かう強さを感じずにはいられないのだ。
ステージの上から「愛してるで」と叫びダイブする後藤まりこの姿は、音をなぞっただけのパンクサウンドなんかより比べ物にならないほど衝動的だ。まだまだ2枚目。これから先、この衝動が何を叫び続けるのか、そんな期待まで膨らませてくれる作品だ。
reviewed by sakamoto
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