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音楽にとって新人という位置づけは必要なのだろうか? 新人という言葉がこちら聴く側にもたらすものは、さて、お手並み拝見といこうかという厚かましい心構えではないだろうか? まず彼女についての知識を頭に入れない状態でこのアルバムを聴いてもらえば、きっと私が言わんとしていることが理解してもらえるだろう。
真っ白なキャンバスに淡い色を一筆ずつ乗せていくようにアルバムの1曲目"My Lung"が始まる。オルゴールのピンが一枚ずつのコームを弾いていくようなカリンバの音は、オルゴールよりも不正確に、ただその一音一音には表情というデコボコを描き出し、アルバムを聴き終わる頃、頭の中には色とりどりのカラーで埋め尽くされた情景のなかにいるアナタと私が描かれた一枚の絵が完成される。アナタと私、ジョー・マンゴーはアナタと私という日常における様々な一対一の人間模様を歌う。それは日々、私の近くにいる人という意味でのアナタと私の距離感にとてもよく似ている。だからこそ、アルバムを通して、その音が絵として脳裏に刻まれていくのだろう。カリンバやアコースティック・ギターの弾き語りによる"Tea Light"では包み込むような、男性ヴォーカルも加わる"Gomer"ではさえずるように共鳴し合う。アルバムのなかで印象に残ったのがそれまでのアルバムの流れをバッサリ断ち切るような"Blue Light"なのだけれど、ギター、ベース、ドラムというバンド・セットによるこの曲では、中音域がぐっと伸びてくる特徴を持つ彼女の声がよりいっそう際立つ。
不思議なことに、ジョー・マンゴーの音楽を聴いていると、その他のスコットランドのアーティストの音楽が無性に聴きたくなる。16歳から本格的に音楽をはじめ、トラッシュキャン・シナトラズやユージン・ケリーといったそうそうたるアーティストやエディンバラと拠点は違っても共通するスコットランドらしい音楽を続けるキング・クレオソートなどとも共演しているけれど、ああ、やっぱりと納得できる。彼らに共通するスコットランドらしさとは何なのか? 具体的に文字で表現することはすごく難しい。あの曲における一瞬一瞬のブランクや、楽器や声から吐き出されるどこかピーンとした緊張感のある空気というのだろうか。こういうアーティスト同士が数珠つながりに繋がっていくスコットランドという土地の音楽はまだまだ私の知らない繋がりを持っているのだろう。だからこそ、目を離すことができない存在でもある。
今回そんな彼女ジョー・マンゴーがヴァシュティ・バニヤンのバックバンドの一員として来日し、ジョー・マンゴーとしても一夜限りのライヴが開催されることが決定していて、贅沢なことに、ジョー・マンゴーの2つの顔を楽しむことができる。東京は代官山の晴れたら空に豆まいてにて、ジョー・マンゴーのライヴはアコースティック・セットとなるようで、ここではアナタとの新しい距離感を楽しむことができる貴重なチャンスとなること間違いない。
ライヴ・スケジュール
3月2日(金)東京 代官山
晴れたら空に豆まいて
Jo Mango(from Glasgow)
trico!(良原リエ)+山口とも
18:30open / 19:30start
前売&予約¥3,000/当日3,500円
共に+要1drink order
問合せ:代官山/晴れたら空に豆まいて
TEL:03-5456-8880
詳細についてはOffice-Glasgowのこちらのページでご確認ください。
reviewed by kuniko
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