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ドンマツオは常に挑戦を続ける人である。その場に胡座をかき続けるなんてことは絶対にしない男だ。当然の事ではあるが、それはズボンズというバンドにもシンクロしてくる。怒濤のテンションでロックを切り裂いてみたら、次の瞬間は深層意識に潜るようなインプロビゼーション連発で一枚のレコードを仕上げたりと作品毎に違った顔を見せ続けてきた。その行為は想像力の戦いであり、聞き手の期待との戦いでもある。何より自分達の作った枠を壊し続けるという行為には際限のない情熱と極上の勇気が必要とされるはずだ。その意味でズボンズは途切れることのないテンションで8枚のレコードを生み出し続けてきたのだ。
ズボンズとして9回目の挑戦となった"B☆B☆B"はまたひとつ新しい達成感と充実感を携えた作品に仕上がっている。前作までのジャム・セッションによるレコーディングには別れを告げ、バンドとしてひとつのゴールに向うグルーブ感をたっぷりと聞かせくれる。プロデュースにはex-じゃがらたのOTO氏を向え、インプロなプレイもなく楽曲の構築に力点を置いた作品が並べられている。バンド全体が無駄な音を削ぎ落とし、ひとつひとつのリフの絡み合いが余計なものを語らず1曲を形作っていく様は圧巻だ。
ヒップホップ、ファンク、ソウルなどジャンルの多彩さも決してトッ散らかった印象にならないのもしっかりとズボンズという骨格がメンバーの中で形作られているからだろう。スポークンなドンのボーカルや、ジャンルを縦横に飛び回る様は傑作"Let It Bomb"を思い出すが、バンドのグルーブ感は今作の方が数段上を行っている。当時とはドラマーが違うが、"Let It Bomb"以降のセッション・プレイの中における音の語り合いは腹を割って話し合うというようなもの以上にバンドとしての一体感を作り上げたのだろう。一糸乱れぬバンドの演奏は常に前を向き、激しくぶつかり合うプレイは自己主張とチームプレイが高い次元で同居する。いつのまにか僕はライブハウスに立っているような錯覚を起こす。ドンの汗と唾が降り掛かってきそうな音だ。それは、高い熱量の放出がズボンズの表現まで到達した瞬間。音の臨場感はズボンズの中でもバツグン。ドンのテンションがここまで音に乗った作品も初めてだ。
このレコードは今の音楽シーンの中で一際目立つ。ふと周りを見回してみると、何ともムラっけの少ない音楽が多いこと。これをやっていればOKという枠の中にいる音楽の多いことか。ズボンズの鳴らす音はそんな音楽とは明らかに一線を画す音だ。この作品は僕に前に向かう凄さを教えてくれる。勇気を持つ凄さを教えてくれる。それがどれだけエキサイティングなことかを雄弁に語っているのだ。最先端なんて言葉を盾に何かをなぞっているような音やら、誰かをわからせるような見え透いた音に払う銭なんてありはしない。ズボンズが9回目の挑戦で鳴らした音は破壊と構築の素晴しい結実だ。それがどれぐらいエキサイティングなことかはレコードを爆音で聞けばいい。ライブハウスまでは走っていけばいい。
reviewed by sakamoto
Bigger Bomb Tour 2006
11月19日sun.@いわきSONIC
11月20日mon.@山形SANDINISTA
11月21日tue.@仙台enn
11月22日wed.@札幌 HALL SPIRITUAL LOUNGE
11月23日thu.@盛岡CLUB CHANGE
11月25日sat.@早稲田大学 所沢キャンパス祭
11月26日sun.@法政大学自主法政祭後夜祭
11月30日thu.@浜松 RockBar LUCREZIA
12月1日fri.@神戸バックビート
12月2日sat. @徳島銀座CROWBAR
12月3日sun.@黒崎MARCUS
12月7 日thu.@鹿児島SR Hall
12月8日fri.@熊本ジャンゴ
12月9日sat.@宮崎SR-BOX
12月10日sun.@福岡DECADENT-DELUXE
12月13日wed.@広島ネオポリスホール
12月14日thu.@岡山ペパーランド
12月15日fri.@大阪FANDANGO
12月17日sun.@京都NANO
12月19日tue.@名古屋アポロシアター
12月20日wed.@下北沢SHELTER
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