忌野清志郎

忌野清志郎

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 今年の夏のビックサプライズは忌野清志郎と仲井戸麗一の共演のはずだった。そう、あのロックンロール・ブラザーズの共演。RCサクセションを体験するには生まれてくるのが遅過ぎた僕にとって、それは何かを叶えてくれる瞬間だろうと期待に胸を膨らませていた。しかし、7月11日に清志郎が喉頭癌と診断され入院というニュースが発表され、僕の期待は儚くも消えていってしまった気がした。その後の清志郎のニュースは数少ないまでも経過は順調で自宅で数日を過ごすこともあるらしい。そして届けられた今回の新作「夢助」。ファンとして清志郎の元気な声をしっかりと受け止めたいと思う一方で、6月にレコーディングされたという事実を耳にし、ジャケットの写真を見ていると切ない気持ちに襲われたりもする。

 録音は全曲ナッシュビルで行われ、プロデュースをブッカー・T&The MG'sやブルース・ブラザーズ・バンドに在籍し、清志郎とも親交深いスティーブ・クロッパーが担当。シチューエーションとしては清志郎のルーツに近い場所や人に囲まれた録音となっている。その影響もあってかサウンドは清志郎の笑顔が見えてきそうなぐらい幸せな空気に溢れ、強い包容力を感じずにはいられない。音の踊り具合からも相当楽しいレコーディングだったのだろう。クロッパーのリードギターも冴えまくり、ホーン隊の絡みやベースラインは古き良きアメリカのダンス・ミュージックが全開である。清志郎自身もいつものどこか尖った部分も見せず全作ラブでピースな楽曲を仕上げている。そんな楽しい音を聞かせながらも、いつもとは違う高音の声の通りが病気の事実を思い出させたりもする。

 特に感動的なのは3曲目に配置された"激しい雨"だ。仲井戸麗一との共作のこの歌で「RCサクセションが聞こえる」と歌う清志郎。得意の言葉の小細工もなしのド直球な歌詞に開放感が感じる。もしかしたらこの夏の僕達へのお土産だったかもしれない。と、そんな思いに浸っていったら、"温故知新"では「古いとか新しいとかたいした事じゃない」と歌ってしまうんだからもうたまらない。そうなんだ。RCだろうがなんだろうか今をビンビンにロックしてる清志郎の姿を僕達に見せつけてきたことを思い出す。実はそれが一番大事で、一番基本で、清志郎が今でも魅力あるアーティストであり続けてるってことなんだと思い知らされた。今作はほぼ全曲がラブソング、そうビンビンのラブソングが鳴り続ける。誇り高く愛を歌う清志郎の姿が眩しく見えるのは、真直ぐな言葉を紡ぎ、オープンなマインドで歌っているからだろう。反抗して、突っ張っるだけがロックなら能がない。愛が最高のプロテストソングだという事を思い知らされる一枚だ。それは僕と君だけの愛ではない。僕とあなたの、あなたと誰かの愛になる可能性になる強い歌だ。

 王になり、神になり、そのままどこ行くやらやらと思っていたら、ただの夢助に戻った清志郎。いつまでも夢を見て、愛を語る男の強い姿の元気な歌声をもう一度聞かせて欲しい。「愛しあってるかい」とステージから問いかけられた時、僕は胸を張って「イェイ」と答える。そんな事を誇りに思える、「夢助」はそんな作品だ。何より激しい雨のあとの夜空に輝く星をもう一度見たいじゃないか。

reviewed by sakamoto


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