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この夏、フジロックをはじめ各地のフェスへ覆面バンドとして登場したザ・クロマニヨンズ。明かした正体は言わずと知れたロックンロールブラザーズ、甲本ヒロトと真島昌利が、活動を休止させたハイロウズの次に選び取ったロックンロールシップの形だったわけだ。初体験はフジロックの初日だったのだが、凄くソリッドになった音を思い切り鳴らしたいた。骨と皮しかないロックンロールを残してステージを後にする姿にたまらない爽快感を感じずにはいられなかった。
そして、届けられた1stアルバム。アルバムタイトルはズバリ"ザ・クロマニヨンズ"。サウンド面は単刀直入なバンドの音を貫徹している。余計な飾り付けは何一つなく、マーシーもソロなんかほとんど弾かず、パワーコードだけを鳴らし続けている。加えて、歌われる言葉のシンプルさも痛快。「タリホー」やら「キラービー」なんて意味があるのか無いのか不明な言葉もキレキレで聞こえてくる。風景描写や心情描写のつかみがやたらとうまかったハイロウズ時代とは違って、脳味噌に言葉を直接叩き込んでくる感じ。そのくせ、「もっとはやくと、指揮者はどなる」とか「全身恥部」とか含蓄深い言葉をさらっと歌ってしまうのがヒロトの凄み。音にしろ、言葉にしろそのままダイレクトに体で反応させてしまうのは、とにかくひたすらに最短距離を突っ走っているからだ。
アルバムタイトルが、そのままバンド名という形はハイロウズの1枚目と変わらない。音がよりシンプルなロックンロールに向っている姿勢も同じように聞こえる。が、あまりにも肥大化し過ぎたブルーハーツのイメージを振り落とす答えがシンプルなロックだったハイロウズの時とは少し趣が異なる。歌詞にしろ、音にしろ深読み不能なぐらい簡潔でストレートに仕上がっている。ロックンロールの衝撃にやられたまんま、2人がその瞬間に立ち会わせてくれているような音だ。新しい玩具を求めたのがハイロウズだったとしたら、クロマニヨンズは初めて玩具を手にした時のようなバンドだ。たとえ時間軸が逆になっとしても、それを進化として聴かせてくれるのは、そんな衝動をそのままに物語を語り、ギターを鳴らしているからに違いない。嘘をつかない裸のままの音の果てに、見る前に飛んでしまうロックンロールの真髄を体に染み込ませてくれるのだ。
このアルバムにはブルーハーツへの哀愁も、ハイロウズへの未練も全く無意味なものしてしまう。何にも流されない断固たるロックがある。あるのはそれだけだ。それ以外は必要ないという確信を聞く者に与えてくれる。それさえわかってしまえばロックする準備はもう整ったようなもんだ。後はひたすらクロマニヨンズと一緒にロールしようじゃないか。
reviewed by sakamoto
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