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5月にシングル"ブロウク"を大手レーベル、EMIからリリースしメジャー・デビューを果たした、ロンドンを拠点とする男女5人組、キャプテン。耳心地よく鳴り響くギターと爽やかなシンセサイザーが特徴のポップ・ソングを展開する彼らのデビュー・アルバムは、清々しいまでにキャッチィ。共鳴しやすい普遍的な歌詞も含め、幅広い層に受け入れられるであろう良質なポップ・ソングのてんこ盛りだ。
ファースト・シングルとなった前述の"ブロウク"やセカンド・シングルの"グロリアス"、アルバム中盤の"フロントライン"などはまさに、一般的好感度の高い純正ポップスで、さっぱりとした曲調に、癖のあるリックと瑞々しいクレアのツイン・ヴォーカルが不思議と調和している。他のメンバーはコーラスに関わることなく、この二人だけで歌われるメリハリのはっきりした曲に、一見天地茂風の三つ揃いスーツで決めた思慮深げなギタリスト、マリオが奏でるトレモロのかかった甘い音色が、じっくり、ゆっくりとそのメロディの美しさを広げていく。一度聴いたらすぐにハミングしたくなる様な音の流れが全編通して気持ち良い。
今作のプロデューサーはベル・アンド・セバスチャンの最新アルバムやディレイズの"ヴァレンタイン"を手がけたトレヴァー・ホーンということで、なるほど、ポップスの名手にかかるとこのように等身大でどこまでも聴き易い曲が生きてくるのだ。ミュージシャンの素の才能を更に良い形へと導き、原曲の未知なる魅力を引き出すプロデューサーの存在はとてつもなく大きい。爽やか、ポップ、後味すっきりな楽曲がお好みの方へ。
reviewed by kaori
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