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今年も夏フェスの出演者ドンドン決まっていく時期。いつもならドキドキに包まれているはずのこの時期に、一抹の寂しい思いが思わずよぎってしまう。それはやっぱりあのバンドがいないから。そうハイロウズがフェスにブッキングされることはもう2度とないから。
昨年の11月に唐突に解散を発表したハイロウズ。一つのお別れもなく、ただ活動休止の4文字が届けられただけだった。ヒロトとマーシーらしいと言えばそうだけど、少しはこっちの気持ちも考えろよと突っ込みを入れたい気分だった。そして届けられたのが「Trash Bag」だ。ファーストギグと書かれた野音での「グッドバイ」からラストギグとなってしまった学際での「ハスキー」までのライブ映像が収められている。これまでお蔵入りしてきた映像を中心に、ファンならば「ウオッ」とか、「ウワー」とか思わず声を上げてしまいそう映像群を拝むことが出来る。ライブ感溢れる映像が多い中、リハの様子やライブ前後の姿みたいなプライベートで親密な場面が見れるのも今更ながらに嬉しい。
でも、一番のけ反り返るのは彼らが全く変わってないってことだ。基本的にデビューから時系列に並べられているから、ヒロトの髪型みたいな外見の変化は見て取れる。しかし、どこから見ようとも彼らの姿は全く変わっていない。そう、いつだってロックンロールしている。それはシンプルだけど凄いことだ。日本の女子大で演ろうと、ニューヨークのCBGBで演ろうと、ステージの上にいるメンバーはギターを鳴らして、マイクを掴むだけだ。そこに少しのブレもない。初めて聞いたロックンロールに心を振るわせたまま大人になってしまった姿。自分がかっこいいと思ってるものを信じてる強い力を感じずにはいられない。そんな無邪気な姿がこのバンドの最大の魅力だったし、聞くものを一瞬で14才に連れて去ってしまうような凄い説得力なんだと再確認した。
そう、生きることなんて単純なことなんだ。好きなことを好きなだけやってみせればいい。言い訳なんてロックって言葉だけで十分なはずさ。ハイロウズの演奏から僕は一貫して感じていたことだ。解散だってそう。余計なドラマなんて必要ない。ロックだけがあればいい。この作品、僕は彼らなりの落とし前の付け方だったのだと思う。でも、これを見てますますロックンロールにやられちまった。その責任はしかっり取ってもらわなきゃ困るし、取ってくれると信じている。
reviewed by 坂本唯
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