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待っていたのだ、この時を。今年の2月に彼らのライブを観たその日から、これは絶対にアルバムを買わねばならぬ、と私に異様なまでの期待と執着心を抱かせた英国、リーズ出身のフォーワード・ロシア。ついにそのデビュー・アルバム『ギブミー・ザ・ウォール』発売!まず第一に挙げたい彼らのユニークさは、その楽曲名が簡潔に全て数字で統一されているということ。タイトルなんぞに重きを置かない俺らの音を聴いておくれ、という意図なのか、その辺り是非とも質問してみたいところだが、そんな疑問はこのアルバムを紐解けば自ずと答えが返って来る。
1曲目の"サーティン"はシングル・バージョンのボーカル・パートにエフェクトのアレンジを加え、駆り立てられる衝動的な音にボーカル、トムの危なっかしい高音が絡み、痛々しくも胸打つメロディが良い。その、痛々しさと、切なく、狂おしく乱れ咲く様な歌声を乗せた、耳に馴染み良いメロディ・ラインの輪郭がくっきりと出ているのが続く"フィフティーン・パート1"、"ナイン"、"シックスティーン"。トムの歌はややもすれば下手ウマぎりぎりに聴こえてしまうきらいがあるが、それが却ってひたむきで情熱が込み上げてくる様な懸命な表現力に後押しされ、聴く者に言葉に隠れた激情を伝えるのだ。心の涙を誘う歌、小刻みに忙しく曲の中心を往来する主張あるギターが旋律の美しさを担う。"エイティーン"に際立つやるせない主旋の妙。
この旋律の美しさこそ、実は彼らの最たる魅力であり、ディスコ・パンクだかいうジャンルで形容され、狂気が表立つステージ・パフォーマンスにそれが見落とされがちだが、例えば、疾走する弦楽器や、けたたましいドラムを取り払い、メロディだけを残しても、やはりそれが独立して光るだけの確かな響きがある。是非、自分の耳と心を傾けて聴いて欲しい。1800円程度で騙されるなら、これだけの熱い幻、いつだって大歓迎だ。
reviewed by kaori
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