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ザ・ベータ・バンドが解散して間もなく2年がたつ。「賞賛はあれど、商業的な成功はなかった」という負け犬としては最高の名言を残し音楽シーンから去った。極東、日本にいる身としては、これからどうやって追跡していったらいいのだよ、キミ! という途方もない不安に駆られていたのをよそに、予想以上のフットワークの軽さを持って、キング・ビスケット・タイムとザ・エイリアンズとして帰ってきた。
ザ・エイリアンズは、ザ・ベータ・バンドのジョン・マックリーン、ロビン・ジョーンズに加え、ザ・ベータ・バンド初期コア・メンバーであったゴードン・アンダーソン(ザ・ローン・ピジョンとしても活動)による新しいバンドで、メンバーの名前を見ただけでその濃度にニヤリとしている人も多いことだろう。そのザ・エイリアンズがデビューEP『エリアノイド・スターモニカEP』をリリースした。
『エリアノイド・スターモニカEP』をプレイヤーに入れプレイ・ボタンを押すと、ザ・ベータ・バンドの『ザ・スリーEP』の"ザ・モノリス"を彷彿とさせるあらゆる音をサンプリングして構築した"Hey Leanne"がスタートする。田園風景が頭に浮かび、ポンコツのピックアップ・トラックからエイリアンでも降りてきたのか……果ては人間の姿をしたおっさんがエイリアンなのか……うわぁ、EPなのにこのストーリー性は一体何っ? と気がつけば私はザ・エイリアンズ・ワールドに引きずり込まれていた。この曲が終わらないうちに、ザ・ベータ・バンドにおけるサウンドのキーマンはジョンだという仮説が確信に変わった。リリース前からマイ・スペースで"オンリー・ウェイティング"や"ロボット・マン"が視聴できたのだけれど、どちらもフロア向けの曲で、あの時点ではジョンのテイストが強く出すぎていて、ゴードンの持っている世界観を十分に出し切れていない感があったのだけれど、"Hey Leanne"の弱小エイリアン(ゴードン)が鼻歌まじりに歌い出すと同時にそんな小さな不安は払拭された。
また、"ロボット・マン"はPVも制作されているのだが、これも放っておくわけにはいかない。ただただジョン、ロビン、ゴードンがロボットダンスをするだけで、固定カメラの回りをグルグル回ったり、ああでもない、こうでもない、その角度はありえないとか、オレがブサイクに映りすぎてるとかを時間かけて形にして、こうでなければならないという最終形があれなのである。最高にチープであるのだけれどザ・ベータ・バンドの"インナー・ミート・ミー"の映像世界に酷似していて、今のザ・エイリアンズの魅力が最大限に凝縮されている。やっぱりただお金をかければいいモノが作れるわけではないのだ。
すでにライヴも行っていて、この夏はベン・フェスティバル、ウィッカーマン・フェスティバル、グリーン・マン・フェスティバルなどに出演することが決まっている。ライヴではザ・エイリアンズの曲の他にプライマル・スクリームの"ハイヤー・ザン・ザ・サン"をカバーしていたり、シマウマな出で立ちでステージに登場したりと一筋縄ではいかないらしい。日本で指をくわえて来日してくれるのを待っている必要はない。私が目撃しに行けばいいのだ。
reviewed by kuniko
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