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米国サン・フランシスコ出身,ギターとドラムのシンプルな男性デュオ、トゥー・ギャランツの2ndアルバム、"What The Toll Tells"。イントロからカントリー調な曲が弾き出されたかと思いきや、続く2曲目の"Steady Rollin"では素朴なフォーク色を漂わせ、はたまたブルースの渋みをも醸し出す"Some Slender Rest"。アルペジオのもの悲しい調べに、Stringsの音色が絡まる朴訥な音の抒情詩"Threnody In Minor B"。破壊的なイントロから一転、和やかに歌が舞ったかと思いきや中盤いきなりパンキッシュに、おまけにブラスまで加味された変調めまぐるしい"16th St. Dozens"。全9曲、流れに工夫を凝らしながらも、メロディーの純真な美しさを損なわない、男くささいっぱいの新作となった。
ハーモニカやアコースティック・ギターに哀愁を乗せ、決して激情に任せること無く、控えめながらも情感たっぷりのボーカルAdamの歌声は、早くも年季が入ったかのように味わい深く、古をなぞらえながらも今までに聴いたことのない、真新しい響きを併せ持った、まさに温故知新を絵に描いた様な不思議な魅力を放つ作品である。
メイン・ストリームには相容れないかもしれない。だが、独自の真理で我が道を進みつつ、自己満足に終わっていない開放的な精神性は、彼らの不動の存在を既に保証している。
reviewed by kaori
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