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「目からウロコ」とはこういうことなのかも。ヘッドフォンをつけてCDプレイヤーのスタートボタンを押す。耳に流れてくるのは何かの始まりを予感させるきれいなエレキのフレーズ。そこに言葉の連続パンチみたいなヴォーカルがなだれ込んでくるのだ! このメロディにこの歌がのるんだ…。衝撃的だった。予想外だった。
11年ぶりに復活したビヨンズが放つ音源第1弾は4曲入りCD『シルトの岸辺で』。元のビヨンズやファウルを知っている人なら、この谷口健のヴォーカルは意外でも予想外でもなんでもないのかもしれない。だけど、初めてここに触れると、声の表現の仕方、日本語の言葉の運び方に「こんな世界があったのか!」と目を開かされる感じがする。
映画『ウォーク・ザ・ライン』でジョニー・キャッシュが初めて訪れたスタジオで「自分の歌を歌え。聴いた瞬間に誰が歌っているのか分かる歌を。」といわれるシーンがあるのだけれど、谷口健はまさにそういう歌を歌っていると思う。誰にもマネできない唯一無二の歌。そこにちょっと聴いただけで「あぁ、岡崎さんだ」と分かる岡崎善郎のギターと、テッキンのベース、アヒト・イナザワのドラムが重なるのだから、これは超オリジナルになって当然なのだ。このCDの最後には1stアルバムの収録曲"Feddish Thing"を現メンバーで再録という企画も盛り込まれているというから、今のビヨンズに触れたい人は必聴
reviewed by wacchy
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