ジー・フィフティーズ・ハイ・ティーンズ

Thee 50's High Teens

"Punch De Beat"
(国内盤)

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Thee 50's High Teens

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buttonmag files : Thee 50's High Teens

buttonphoto report : (06/02/14 @ Hatsudai Doors) : photos by sam
buttonVintage Valentine : (06/02/13 @ Shimokitazawa 251) : review by shawn, photos by hanasan, ryota & izumikuma
button2006年、ロックンロール最前線 : (06/02/13 @ Shimokitazawa 251) : review by nob,photos by hanasan, ryota & izumikuma
buttonphoto report : (06/02/13 @ Shimokitazawa 251) : photos by hanasan
buttonphoto report : (06/01/21 @ Kumamoto Django) : photos by suguta
buttonphoto report : (05/12/30 @ Kyoto Muse Hall) : photos by tommy




 初めてあったその日から、恋の花咲く時もある... といった感じで、完全に首っ丈です。いや、出会う前から写真を見て一目惚れしてました。でもって、13日のライヴで、その直感が間違っていなかったことがわかってしまうんだけど、このド迫力ってなによ? ステージに立って、最初の音が聞こえてきたその時点でライヴのピークに自分たちを持っていけるあのパワー。唖然としている間にキュートでセクシーで、ダイナマイトみたいな彼女たちの歌の世界に引き込まれてしまうのだ。というので、あまりにライヴがいいのでアルバムを買おうと思ったら会場の物販に用意されていたアルバムはあっという間に売り切れ。翌日彼女たちのライヴの撮影を決めてしまった写真家、samがやっと1枚を手にすることができたに過ぎない。すごいね、ライヴでアルバムを買わせてしまうっての。それこそ本物だってことの証明よ。

 それからしばらくして「聴かずにいられない」と思って入手したのが、昨年12月に発表された彼女たちのセカンド・アルバムとなることの作品。これも、初っぱなのぎゃぁ〜っという叫び声でアッパー・パンチを食らって撃沈しました。なんだろうね、これ? 基本的には60年代のガレージからサイケデリックな流れに、あの頃のポップスが持っていた「歌」の親しみやすさがあるんだろうけど、はまりまっせ!しかも、メロディラインといい、歌といい、正直言って完成されたポップスやね。

 このバンドの要はなんといっても、ヴォーカルとオルガンね。なんだが、アダムズ・ファミリーのリメイクの方じゃなくて、オリジナル(Munsters)の方を思い出すってのか... っても、今の若い子にはわかんねぇだろうなぁ。なにやらチープに聞こえるけど、味のあるオルガンがいい風味を出しているのよ。ちなみに、このオリジナルのテーマをギャズの一派がカバーしているヴァージョンがあるんだけど、彼女たちもやってくれないかなぁ。

 ヴォーカルは平山三紀をずいぶんと若くした声帯に、デビューした頃の弘田三枝子のパンチを煮詰めて、ロックをやりたいと想っていたのに演歌を歌わされた内藤やすこの怨念をまぶしてコテコテにした感じ? スマン、比喩があまりにも時代遅れで。でも、歌や音楽の世界の持つニュアンスを伝えようとすると、どうしてもこうなるのさ。そのあたりに加えて、彼女たちがTheではなくて、あえてTheeとバンド名にくっつけているように、どこかにミッシェルガン・エレファントの、文句を言わせないストレートなロックへの思いやThe Piratesあたりへのあこがれがどこかにあるんだろうなぁと思う。

 が、彼女たちの魅力はそういったサウンドに乗っかって、飛び出してくる歌にある。初っぱなの「ハートを返して」なんて、1回聴いたら忘れられないぐらいにキャッチー。女の子の気持ちがぐっと凝縮されているのだ。男の側から見れば、「んなこともあるよなぁ... 攻めないでよ」と思うんだけど、そのキュンとした心根が痛いようにわかるというか。その次の「赤い星」や「今夜は愛して」という、vo、トモの作詞作曲となるオリジナルもめちゃくちゃいい。後者は山本リンダの「どうにもとまらない」って名曲を思い出させるほどに完成されているし、その言葉ひとつひとつに締め付けられそうな女の子の想いが込められているのがよくわかるのよ。そして、おそらく、ホット・ハニー・バニー・ストンパーズの松石ゲルの手によるんだろう、2曲のオリジナルも文句なしだ。

 また、絶妙な選曲によるカバーも脱帽です。なんでも木の実ナナによって知られることになった「ポッ・ポ・ポパイ」も、マーガレットの「逢えば好き好き」のカバーも、実にツボを押さえた選曲で、ハイティーンズにはピッタリカンカン。恋する女の子の悲しさ、切なさがストレートに響いている。逆に、男として言えば、そんな女の子に惚れられたいなぁ... なんて妄想をいだしてしまうような曲が10曲にインストが1曲収録されているのが今回のアルバム。これはいいよぉ。

 おそらく、ある時代の音を今のスタイルで出せるエンジニアやプロデューサーの力や知識、技量が加えられたら、このアルバム、永遠の傑作となっただろう。でも、ざらつきのあるラフな感触やサウンドのエッジは、逆に、そうだからこそ生まれてきたのかもしれない。いずれにせよ、あまりに「完成品」ではないところに彼女たちの可能性を感じることができる。これからがもっともっと楽しみになってしまうのだ。



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