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ポスト・ロックだとか轟音系だとか明確な定義がどの程度存在するのかは定かでないが、この65daysofstatic(シックスティーファイブ・デイズ・オブ・スタティック)というバンドはそういったジャンルで括られていることが多い。ボーカルのないインストゥルメンタルの曲のみを演奏するバンドである。比較対照によくモグワイの名前が出てくるのは仕方がないのだろう。商業的に成功したバンドといえば彼らくらいのものなのだろうから。「モグワイ・ミーツ・誰それ」などと書かれていることもあるが、先入観を持たすような表現はあえてないほうがいいと思う。
2004年にデビュー・アルバム『The Fall Of Math』を発表。ギターが奏でるメロディーに、いかにもデジタル世代な感じのするノイズやビートを合わせ、時折クラシカルな雰囲気を持つピアノやストリングスが重ねられドラマチックに展開するものの、初めは耳障りなデジ音にやや抵抗感を覚えた。それでもシングル・カットされた"Hole"や"Retreat! Retreat!" などのように割と親しみやすい曲もあった。My Space.com内の彼らのページで視聴が可能なので興味のある方はまずそちらで聞いてみられてはいかがだろうか。
しかしながら、二作目となる『One Time For All Time』では前作のようなデジタル・ロックの雑音感(グリッチという言葉があるそうだ)はやや影を潜め、ドラム、ベース、ギターが鳴らすシンプルなライブ・バンド・サウンドへと変化していた。そうは言っても、バンドの方向性そのものが変わったということではない。引き続き攻撃的な部分は残しつつも派手さはなく、重厚感というかダークな感じというか、怒りや悲しみという感情ではないフラストレーションのようなものが感じられ、メロディーのキャッチーさにはやや欠けるところはあるかもしれないものの、澄んだ空気の中を吹き抜けていく風や清らかな川を静かに流れていく水のような雰囲気のアルバムに仕上がっている。
ひとつだけ残念なことに、このアルバムにはライブで見せる彼ら本来の実力が充分に収まりきれていないのだ。日本でのレコード契約は今のところ無いようなのだが、彼らの音を耳からだけでなく体全体で感じ取ってもらえる日が来ることを願う。
reviewed by miyo
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