ラリー・ケイン (著)
室矢憲治 (訳)

ザ・ビートルズ

"ビートルズ 1964 - 65
マジカル・ヒストリー・ツアー
"


The official site

Larry Kane

http://www.larrykane.com/

室矢憲治

unknown



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ジャック・ケルアック

"ジャック・ケルアック
放浪天使の歌
"
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Tom Waits

"トム・ウェイツ
酔いどれ天使の唄
"
パトリック・ハンフリーズ (著)

なお、この書籍のジャケット写真が入手困難のため編集長が85年に撮影したトム・ウェイツをイメージ写真として使用しています。

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 ジョン・レノンが凶弾に倒れて、今年でもう25年。相変わらず世界は、彼とポール、ジョージ、リンゴ――世界の若者たちのオピニオン・リーダーだったあの4人が、ノー!ヘルプ!と叫んだのに戦争に差別、飢餓に貧困はなくならず、毎日のニュースは殺人や汚職、詐欺、横領、暴行と非人間的な事件ばかり……。

 それならば、愛と平和と自由を愛する僕らロッカーズ、もう一度そもそもの原点に戻って、ロックンロールが時代をシェイクさせて、みんなをハッピーにしたときめきのはじまりにゲット・バック。つまりリヴァプールからやってきた、あの4人のボーイズ、ザ・ビートルズが世界を震撼させた、1964、65年のアメリカン・ツアーを追体験してみるのもいいのじゃないだろうか……そう考えながら、その旅の全行程に同行した唯一のアメリカ人ジャーナリストが、去年発表した本を日本語ヴァージョンにして、12/6に出したってわけ。著者は当時、フロリダの小さなラジオ局の社会部記者をやっていた21才のラリー・ケインという若者。どうせ一過性の人気の若者芸能人たちだろう…と半信半疑で旅に参加したが、どっこい、彼の手にしたマイクに向かって、当時始まったばかりのベトナム戦争についてジョンの口から飛び出したのはびっくり、どっきりの深い知識にうらづけされた激しいアメリカ政府批判の言葉。そして人種差別についてのポール、ジョージ、リンゴの等身大の若者の率直な意見。

 この4人は何かがある、とその声を全米45局に配信しながら、シスコ、ボストン、ダラス、ニューヨークと旅していけば、行く先々で待ち受ける若いファンたちの大歓声と熱狂、あやしくせまるママたち、会いに来てターンオン初体験に彼らを導き、「ほれた、はれたの歌ばかりじゃなくて、もっと意味のある歌を書けよ」とその時、“歴史が動いてしまった”ボブ・ディランとの出会い、彼らの最初の憧れの人、エルビス・プレスリーとの対面……セックス、ドラッグ、そしてもちろんロックンロールがいっぱいの世紀の旅の中で、あのやんちゃな4人組がどんな表情で、どんなことを感じていたのかが、臨場感たっぷりに描かれているんだ。

 そしてイエー、イエー、イエー!と初めて人前で叫ぶこと、感じたことをありのままに表現することの気持ちよさ、素晴らしさにめざめた子供たちが、この後、愛と平和を叫ぶヒッピー世代へと成長していったんだ、とさすがと思わせる考察もそこここに。ちなみにラリーはこの後、TVの花形ニュースキャスターになってエミー賞も獲得したというから、わかりやすく言えばこれは若き日の筑紫哲也が書いたビートルズ同行記。ケネディ大統領の暗殺、多発する人種暴動、揺れる60年代半ばのアメリカに、ロックのポジティブなパワーによって、若者文化誕生をうながしたビートルズのマジカルな旅の話なんだ。ちなみにツアーの合間のわずかな休息日に彼らのロスの隠れ家で一緒にプール遊びしながら、「若くても本気でやれば彼らのようなことができるんだ。僕もなにかしなきゃ……」と思ったのがピーター・フォンダ。映画『イージー・ライダー』誕生の最初のきっかけも、このビートルズ・ツアーにあったんだ。

 i-POD に何千曲ダウンロードすることがロックだと思ったら大間違い。温故知新、この本をチェックして、もう一度自分たちのロック・スピリットで、どうやったらこの地球って星が、みんなのそれぞれの場所が、よりよいところに変えていけるか、そんなことちょっとでも考えてもらえたら、訳者としてはそれ以上のしあわせはないよ。

 ALL YOU NEED IS LOVE!

 今夜も天国でジョンが歌ってるぜ……。


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