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悔恨したオレ、 後追いはこれで終わりにしたい!
日本の地下は本当に掘り甲斐がある。ガツンと言ってしまおう、日本のアーティストは最高!!特にアンダーグラウンドはめっちゃクレイジー!!日本の若者にとって、もちろん世界中のひとたちにとっても言えることだが、今起こっているリアルなシーンを体験することは徳川の埋蔵金を探し求める以上に重要なことだ。アクセントを強くするべきは"リアル"という言葉。我々リスナーが今起こっていることに目を向けなければシーンは育たない。そして、"リアルだった"シーンには、投資することを控えなくてはならない。映画の中でDJ BAKUは、真剣な眼差しで「知られなさ過ぎる…」と洩らした。そう、そこが問題なのだ。
この映画はDJ BAKU監修の下、POP GROUPとDIS-DEFENSE DISCによって制作され、カオスでディープなターンテーブリスト、DJ BAKUが刻んだ時間を見事コンパイルすることに成功したドキュメンタリー映画である。映画に収録されている期間というのは、地下のジャパニーズヒップホップが最も暗く危険で盛り上がっていた時期とリンクする…と、いつしか知った。というのもボク自身がその最高の時を体験していなかったので大きな声で言いふらす資格を有していないのだ。このあたりのことを知りたければ『ヒーローはいつだって君をがっかりさせる/磯部涼』を読んでみるといいだろう。非常に興味深い。
映画はDJ BAKUを中心に、色々なアーティストにスポットライトを当てテンポ良く進んでいく。序盤に現れるDJ KENTAROはDJのチャンピオンシップとして名高いDMCで2002年世界チャンピオンになった男だ。しかもそのとき20歳。そのニュースが飛び込んできた瞬間、「そんなことってあるの?」と驚いたことを覚えている。そして、スペースシャワーの番組でそのターンテーブルさばきを見てさらに驚嘆した。この映画では、その尋常じゃないテクニックの裏に音楽への真剣な思いがあることを知らされる。「NO WALL BETWEEN THE MUSIC」。彼がいつも掲げているテーマだ。
中盤はDJ BAKUとGOTH-TRADの話を中心に展開していく。DJ BAKUはここでGOTH-TRADからの影響を正直に告白している。ふたりのカオティックかつストイックなノイズサウンドからは、負から生まれる音楽の可能性をその低音と同じくらいビシビシ感じる。DJ BAKUに関して言えば、去年RAW LIFEで行われた真昼間のプレイが強烈。彼のことを知らない観客が多かったんだろう、あっけにとられつつも自然に身体が動くクラウドの様子が、昼間というシチュエーションもあって面白い。
終盤では東京の地下ヒップホップ事情が暴露されている。MS CRU(現MSC)の面々、特にKAN(漢)の存在感は並じゃない。KANのラップに込められた湿った闇と、DJ BAKUのスクラッチとスクラッチの間から洩れる破壊的衝動が見事に合わさり生まれる相乗カオス。超越した"快楽"の世界を感じる。そして最後、スタッフロールが流れているときバックで繰り広げられるRUMIなども加わったHarvestのライヴは圧巻。あの熱が日本中どれだけのひとに届いていたのだろうか。
ここで紹介しきれなかった沢山の出演者含め当事者に敬意を表し、知られるべきひとにあなた達のスタイルが認められることを祈る。後追いの自分が情けないが今後を見届けたいシーンだ。そして、新たな"リアル"を探す気持ちを奮い立たされ、今はこの映画と邂逅できたことを清々しい気持ちで受け入れなくてはいけないと思っている。
ちなみにこの映画は5/27まで毎月月火金曜にUPLINKで公開中。詳しい情報はUPLINKのKAIKOOページまで。また、KAIKOO完成を記念し映画に所縁のあるアーティストで東名阪ツアーがある。これは絶対行くべき。ボクは行く。
review by toddy
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