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 たまたまなんですけど、Magの携帯版BBSに「藤圭子がヘヴィーローテ...」という書き込みがあって、それに触発された感じかなぁ。それほど高いものでもないし、どこかでべたな70年代への郷愁というのもあって買ってしまったのがこのアルバム『新宿の女』。でも、こんなものなんです、はまってしまう音楽にぶつかる時なんて。実際、Magの更新日記で書いた、広沢虎造の浪曲『清水次郎長伝 石松金比等羅代参,石松三十石船』にはまったのも、「浪曲なんて聴くわけねぇだろ」と言っていたのに、レコード屋さんで働いていたとき、居候していた店長が、「まぁ、ええやんか。一回聴いてみぃや」と無理矢理ラジカセにテープをつっこまれて聴いたのがきっかけ。そしたら、はまった。はっきり言うけど、この浪曲はめちゃ面白いぞ。

 それはともかく、なんとはなく、『新宿の女』を買ってしまって... 聴いたら、とんでもない傑作だということに気がついて、今じゃ、なんとこれをiPodに入れて、聴いてしまうほどにはまっている。

 おそらく、今じゃ宇多田ヒカルのおかぁさんということで知られているって程度なんだろうなぁ。そんな若い人たちが、その母である藤圭子の音楽をどう受け取るのかはわからないし、オリジナルが発表された70年頃、歌謡曲の世界に興味がなかったわけではないが、あの頃はヒデとロザンナとか、ピンキーとキラーズとか、復活した弘田三枝子とかが好きで、演歌系は聴きたいとも思わなかった。

 ところが、このアルバムを聴いて、単純に感動した。ディープでソウルフルな(っていったらヘンか?)彼女の声が聞こえててくると、それだけでスコ〜ンとその世界に吸い込まれるのだ。なんでもあの時彼女は17歳。娘がデビューしたのと同じ年齢だというのに、その年齢からは想像もできないほどに、とてつもなく深い「声」をもっていたことにまずは驚かされるのだ。たとえが奇妙かもしれないけど、マディー・ウォータースのブルースの世界に通じるような声。だから、「なんとかブルース」ってのがいっぱいでてきたんだろうけど。

 なんでも彼女は流しで歌っていたらしい。っても、それも今の人にはわからないのかもしれないなぁ... 今じゃ、道ばた(ストリートというらしい... なんで?)で歌うのが主流で、ギター抱えて飲み屋に入って、歌って金を稼ぐなんて世界は消滅したようなものだから。でも、彼女はそれをしていたというのだ。その体験が彼女自身にいろいろと反映されていったんだろうと想像する。

 同時に、驚いたのは、ここに収録されていた曲を全て知っていたということ。曲名とかは思い出せなかったりもしたが、どの曲もメロディやフレーズがでてくる。といっても、彼女自身の持ち歌は3曲で(もちろん、全部名曲)他はカバー。森進一の『命かれても』と『花と蝶』や内山田洋とクールファイブの『逢わずに愛して』、青江三奈の『長崎ブルース』、美川憲一の『柳ヶ瀬ブルース』といった同時代の歌手の持ち歌や、戦後間もない頃のヒット曲『星の流れに』など、このあたりのセレクションもいいんだろうが、それがなんの違和感もなく、「藤圭子」の歌になっているのだ。なんで17歳の女の子に、こんな深い声が出せるのか... そんなことを考えるまもなく、はまってしまった。というので、続くアルバム『女のブルース』も注文してしまった。

 おそらく、藤圭子の歌、あの声には、どこかであの時代の『空気』を映しているんだろう。70年安保闘争に敗れた「革命家気取り」の人々にとって、その悲しみを癒した、あるいは、増幅させたのがこの世界。高倉健や藤純子のやくざ映画から、矢吹ジョーや力石徹という英雄を生んだ『明日のジョー』といった漫画と同じよう名世界がここにあるように思える。

 なんでも、宇多田ヒカルのライヴに、彼女が登場してアカペラで名曲中の名曲『圭子の夢は夜ひらく』を歌ったことがあったらしいのだが、仕事でその現場にいた知人から「実は、背筋がぞっとするほど素晴らしかった」と聞いている。同じ業界の人で、これまでだっていろいろな音楽を聴いてきた人がそういうんだから、とんでもないインパクトを与えてくれたんだろう。おそらく、藤圭子が再び自分のステージをやってくれるとは期待していないし、それをまったくやってこなかったからこそ、伝説になっているんだろうけど、その現場にいたかったなぁ... と、その話を聞いて悔しい想いをしたものだ。

 そういえば、その『夢は夜ひらく』をカバーしているのが三上寛。オリジナル・アルバムは『ひらく夢などあるじゃなし』というもので、藤圭子へのアンサー・アルバムなんだろう。といっても、もちろん、三上寛の歌の世界は強力にパンクであり、どろどろした怨歌の世界であり、藤圭子に対するオルタナティヴ演歌だと思う。それが収録されているベスト・アルバムには、名曲中の名曲、小林旭の『さすらい』のカバーが収録されているのだが、このヴァージョンもいい。いつか、友部正人のヴァージョンをライヴで聞いて、しみたんだけど、こっちもしみる。ちなみに、友部は三上の影響であの曲を歌ったんだとか。

 ちなみに、99年に藤圭子のアルバムがかなり再リリースされているんだが、それを仕掛けていたのが高譲さんだというのがクレジットを見ていてわかった。さすがです。彼の視点や音楽を聴く耳はものすごくオープンで素直で... これまでも埋もれていた素晴らしい名作の数々をいろんな形で発掘してきては再発売を試みてくれている。もし、クレジットに彼の名前があれば、ぜひ手にとってチェックしてもらいたいと思う。


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