Diana Krall

Diana Krall

『Live at the Montreal Jazz Festival』
(US import / 国内盤)

*なお、このDVDはリージョン1とされていますが、購入したものは国内のDVDプレイヤーでも再生できました。

The official site

Diana Krall

http://www.dianakrall.com/

The label site

http://www.vervemusicgroup.com/
artist.aspx?aid=2701



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Diana Krall

『Live in Paris』
(US import / 国内盤)

*なお、このDVDはリージョン1で日本国内向けのDVDプレイヤーで再生可能かどうかは確認できてはいません。なお、国内盤の廉価版が近日発売で、こちらで予約できます。

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the latest album

Diana Krall

『The Girl in The Other room』
(US import / 国内盤 - SACD / 国内盤)


the debut album

Diana Krall

『Steppin' Out』
(US import / 国内盤 - SACD / 国内盤)

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(US import / 国内盤)
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(US import / 国内盤)
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(US import / US import - SACD / 国内盤 / 国内盤 -SACD)
『The Look of love』
(US import / US import - SACD / 国内盤 / 国内盤 -SACD)
『The Look of love』
(US import / 国内盤)

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『Genius Loves Company』: Ray Charles
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『Let's Get Lost』: Telence Blanchard
(US import / US import - SACD / 国内盤 -SACD)
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(US import / US import - SACD / 国内盤)
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『シェ・トゥーツ〜思い出のフレンチ、そしてジャズ』: Toots Thielmans
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『Heartdrops』: Vince Benedetti Meets Diana Krall
(US import)他多数
 

 ダイアナはマジックだ


 そう思った。完全な一目惚れなんだが、そんな言葉でさえも、あの日、あの場所にあった「魔性の」空気を説明するには不十分だろう。

 たまたまロンドンで自分にとって初のプロデュース作品、『Sandra Cross meets Alan Weekes - Just a Dream』を録音していた頃だった。ジャズとレゲエを融合して、ジャズ・ボッサに匹敵するような新しいレゲエのサウンドを作り出そうとしていたプロジェクトなんだが、ちょっと時間を作って出かけていったのが老舗ジャズ・クラブのRonnie Scott's。ソーホーのど真ん中にあるクラブで、かつてここで見たのは、亡くなる直前のビル・エヴァンスやディジー・ガレスピーからアート・ブレイキーなどといった巨人たちで、ストレート・アヘッドなジャズを楽しむにはロンドンで最高のスポットだと言える。この時、ヨーロッパをツアーしていたのが、以来完全に惚れ込んでしまうことになったアーティスト、ダイアナ・クラールだった。

 おそらく、最初に聞いたのは『Love Scenes』ではなかったかと思うのだが、美人でヴォーカリストでジャズ・ピアニストだという彼女を一度は生で見てみたいと思っていた。同じように、ピアノも弾いて歌うという意味で言えば、かつてから好きだった女性アーティストにBlossom Dearie Rose Murphy いるのだが、このふたりあたりとは明らかに違うのだ。彼女たちが、素晴らしいヴォーカリストでありながらも、ある種、コケティッシュなタッチを魅力としていたのに対して、ダイアナはブルージィで微妙なセクシーさを持っている。加えて、卓越したジャズ・ピアニストであることは疑いないのだが、ダイアナのフレーズはどこかでひねくれているのだ。ただ者じゃないんだろうなぁと思っていたら、実に、そんなことを遙かに吹っ飛ばしてしまうほどの魅力を初めて見たライヴで発見することになる。

 この時点ではまだまだ好き者が話題にする程度の人気で、客席は1/3も埋まっていなかったのだが、それでも客は熱かった... というよりは、男の客が異様にホットだったといった方がいいだろう。彼女が登場してからというもの、マイクに手をかける仕草から、他のメンツのソロを聴くときの視線やそぶり... そのどれもに引きつけられてしまのだ。しかも、曲間の、あるいは、ピアノを奏でながらの語りになると、会場にいる男たちの視線が彼女に釘付けになり、まるでマジックでもかけられたかのようなそぶりを見せ始める。そう、まるで自分の恋人にでも応えるような視線を彼女に投げかけているのだ。すごい、この女性はすごい。間違いなくスターになると思っていた。

 この時の演奏はドラムレスでギターとベースとのトリオで、その演奏や歌のすばらしさは当然としても、それ以上に引きつけられたのは、どうしても絵になってしまう彼女の存在そのものだった。ちょうど若かりし日のチェット・ベイカー(最高傑作は『Sings』。必聴盤です)やジェームス・ディーンと同じだろう。なにをしても絵になり、素晴らしい写真が撮れる。この時、カメラを手にしていなかったことがどれほど悔しかったか... (といっても、撮影許可を取るとなると、面倒な話が待ち受けているに違いないが...)結局、そんなアプローチをすることもなく、この場を離れることになってしまったのだが、それを今も後悔している。だってねぇ... ビッグになるとは思っていたけど、ここまでビッグになるとは... 誰も想像もできなかったからね。

 それを見事に証明してくれているのがこのライヴ、『Live at the Montreal Jazz Festival』(カナダのモントリオールでのもので、スイスのモントルーではないので、誤解しないように)。初っぱなから会場の全景が目に入ってくるんだけど、「これって、ピンクフロイドかなにかのライヴ?」ってほどに会場がでっかく、しかも、それがびっしりと人で埋まっているのだ。はっきり言って、これって、代々木体育館ぐらいの規模じゃないのかなぁ。あるいは、それ以上かもしれない。それほどの大きさなのだ。どこかで目にしたこのDVDの宣伝文句で、「ジャズ界には疑われることのない常識があって、ジャズ・ミュージシャンは売れない。ヒット・チャートに関係ない。ビッグ・コンサートなんてありえない。でも、その常識を覆してしまったのがダイアナだった」というのがあったように覚えているのだが、まさにその通り。思うに、このライヴの規模を考えたらオアシスと比較してもいいぐらいだからね。このDVDを見ながらも、未だに信じられない。

 でも、これほど観客がいても、ステージにはアクースティック・ピアノに、ドラムス、ウッド・ベース、ギターの4人がいるだけ。派手な照明もなければ、演出効果もない。当然のように、演奏するのは紛れもないジャズであり、単純に素晴らしい演奏と歌を聴かせてくれるだけなのだ。といっても、ジャズ界では初めてではないかと思うけど、クレーンを使っての撮影やステージ上部からダイアナの指の動きをとらえた映像までを見せながら、ダイアナの、そして、それぞれのミュージシャンの演奏のすばらしさを余すところなく見せてくれるのだ。

 おそらく、ストレートアヘッドなジャズしか興味のない人には不満もあるだろう。コステロとの出会いや結婚などで、ちょっとした流れの違い(あるいは、変化、成長か?)があったようで、最新アルバムの『The Girl in The Other room』では、ジャズ・ピアニスト、ヴォーカリストだけではなく、シンガー・アンド・ソングライターとしての才能も発揮し始めている。コステロとの共作で、いい「歌」を歌い出しているし、そのあたりがこのとんでもない人気にまで彼女を押し上げてしまったように思える。また、そんなことにやっかむジャズ・ファンもいるような気きがしないでもないけどね。

 それでも、前述のように、ダイアナの魅力はジャズやポップスのイディオムを遙かに越えているのだ。このアルバムで、そして、DVDで取り上げているように、夫のコステロの名曲、『Almost Blue』からジョニ・ミッチェルの『Black Crow』、トム・ウェイツのの『Temptation』はたまたMose Allisonの『Stop This World』をカバーしてしまうセンスや、度胸や、アレンジのうまさに、やはり参ってしまうのだ。特に、ジョニ・ミッチェルに関していえば、いわゆるロックやフォークの世界からジャズに近づいて、ラリー・カールトンやトム・スコットにジャコ・パストリアスをバックに従えて録音した『Hejira』に収録されている曲。同じカナダ人の女性アーティストとして、おそらく、ダイアナがあこがれていたんだろうと思うが、この曲をジャズ・アーティストとして取り上げるのは簡単ではないはずだ。でも、やっちゃているのね、ダイアナ色いっぱいで。恐れ入りましたとしかいいようがない。

 まぁ、なにはともあれ、これ、見てみてください。はっきり言って、CDを買うより安いから。今、ちょっとドルが上がってしまって値上がり傾向にあるけど、それでもこれを書いている時点で1700円しない。映像もいいけど、音だけ聞いていても充分に素晴らしいアルバムになっているから、そう考えてもいいと思うのだ。

 一方で、まだコステロとの恋に落ちる前なんじゃないかと思うが(全然定かでないです。ゴシップにはうというもので)『Live in Paris』もも素晴らしい。4年前の2001年12月にパリのオランピア劇場で収録されたもので、妖艶なジャズ・アーティストとしての魅力はこちらの方が遙かに上だろう。しかも、バックはオーケストラで、こちらでは彼女のアレンジャーとしての才能も確認することができる。それに、どこかにそこはかとなく漂うパリの香りが映像に花を添えているのも嬉しい。こちらは3/9発売で、それまでに予約すれば20%オフとのこと。私ゃ、マルチ・リージョンのDVDプレイヤーをもっていなかった昔、国内盤を高い値段で買っているので、この値段だったらお買い得だと思いますよ。国内盤なのに、CDとあまり値段が変わらないから。まぁ、それにしても、日本のDVDの値段は異様に高いなぁ。


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