|
|
「このアホさ加減がラブ・ゾンビ」
2004年もいろんないい映画があって、きっと今頃はみんなが今年のマイベストをあれこれ思い浮かべていることだろう。…が、今年を総括するのはちょっと待った!年末になってこんな素晴らしい作品がイギリスからやってきたのだ。
この『ショーン・オブ・ザ・デッド』、ゾンビ映画のクラシック『ドーン・オブ・ザ・デッド』(*注)をもじったタイトルからも想像がつくようにゾンビの出てくる映画なんだけど、ただのホラーだと思ったら大間違い。テンポ良く進むプロットにしょうもない小ネタ満載の会話、次々と迫り来るピンチにハラハラしたかと思えば時にはしんみりさせられ、その間を縫うように細かな笑いが散りばめられた、愛すべきジェットコースター・ゾンビ映画なのである。
(*注:77年オリジナルの邦題は『ゾンビ』で、原題と同タイトルのリメイク作品『ドーン・オブ・ザ・デッド』も今年リリースされた)
舞台はロンドン郊外の平凡な住宅地。しがない電器店員のショーンが愛する彼女や家族を守るためゾンビと戦う(or逃げまくる)というごくシンプルなストーリーながらも、スピーディーで目が離せない展開に引き込まれあっという間に99分が過ぎてしまう。
面白いシーンをあげていくとキリがないけど、中でもゾンビとレコードで戦う場面なんか個人的にはこの映画の一番のハイライトといえるくらい大好き。ゾンビの弱点である頭部を狙うため、手当たり次第物を投げつけていたショーンとエド、とうとう投げる物が尽きて部屋からレコードボックスを持ち出す。迫り来るゾンビを前に、どのレコードを投げるか選びながら交わすやり取りがこんな感じ。
「バットマンのサントラ」「投げろ」「Dire Straits」「投げろ」「Stone Rosesは?」「あ〜ダメ!」「…Second Coming?」「俺は好きなの!」
そして最後には彼女の物だというSadeまで投げつける始末。
そんなわけでこの映画で忘れちゃいけないのがサントラ。QueenとかSpecialsとかAshとかUKロック好きの心をガッチリ鷲掴みな選曲がどれもシーンにはまりまくってて最高なんだけど、特に注目すべきはゾンビから逃げる時の緊迫感あふれるシーンで爆音でかかるEighties Matchbox B-line Disaster。映画内での使われ方も良かったけど、その曲を最近出たアルバムで聞くとこれがまたカッコいいのでぜひDVDとあわせてチェックしてみて。ちなみに映画の最後の方にはColdplayのChrisとJonもチラっと出演してるので、それもお見逃しなく。
残念ながらこの映画、日本では劇場未公開。今のところDVDかビデオで見るしかないけど、そんなに怖くないのでホラーの苦手な人がお家で一人で見ても大丈夫。もちろん友達とツッコミ入れながら見てもめちゃめちゃ楽しい。でも決してゾンビ映画を茶化した作りにはなってなくて、むしろ往年のゾンビ映画へのオマージュと愛が最大限に込められた作品でもあるので、ホラー好きの人はそのへんに注目して見るのも楽しいと思う。私の2004年ベスト映画はもう文句なしにこれ!スティーブン・キングもサム・ライミも本家ジョージ・ロメロも絶賛した『ショーン・オブ・ザ・デッド』、とりあえず難しいことは考えずにこのバカバカしい笑いをぜひ体験して欲しい。
reviewed by taeko
|
|
|