東京ピンサロックス、ロリータ18号ほか

『GAL盤』
収録曲
1.ONEWAY GENERATION / 東京ピンサロックス
2.なごり雪 / けちゃっぷmania
3.19 GROWING UP / HONEY SAC
4.銀の指環 / Emmie the STRIPPER
5.春咲小紅 / SUPER EGG MACHINE
6.春だったね / GTP
7.夏のお嬢さん / ロリータ18号
8.あいにきてI・NEED・YOU / ソープランド揉美山
9.激しい恋 / コンコンジャンプ
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日本の女の子バンド、いわゆるギャルバンを盛り上げていこうと企画された『GAL盤』は、ただ女の子バンドの曲を集めるのではなく、80年代の曲をカヴァーさせたところがミソである。広く知られている曲――吉田拓郎とかチューリップ(財津和夫)とか、少なくともアーティストはみんな知っている曲――をカヴァーしているのだ。そうすることによって世代をまたいで聴かれるチャンスを増やそうということのようだ。リアルタイマーなおれにとってはうってつけである。以下、全曲解説である。
■東京ピンサロックス
本田美奈子の"Oneway Generation"をカヴァー。ヒサヨによるモータウン風のベースから始まるがエッジの効いたギターとドラムが加わってナオコの伸びやかなヴォーカルが乗ると、ピンサロックスの世界になる。そんなに奇をてらったわけでもないんだけど、ピンサロックスのものになっているのがすごい。
東京ピンサロックスにカヴァーして欲しい曲:本田美奈子つながりなら"1986年のマリリン"か"あなたと熱帯"なんだが、以前、おニャン子クラブの"セーラー服を脱がさないで"をカヴァーしているのに続いての秋元康作品なんで、秋元康つながりで美空ひばりの"川の流れのように"。このゆったりした曲をレディオヘッド風に料理してはいかがでしょう。
■けちゃっぷmania
名古屋を拠点にしているパンクバンドで、このイルカ"なごり雪"もメロコア風にカヴァー。イントロはピストルズの"アナーキーイン・ザ・UK"風だったりする。まあ、この"なごり雪"をいじったのって、他にもどこかで聴いたことあったような気がするけど、まあ元が名曲なんでアリかなぁ、アリです。おいしい素材ならどんな料理しても美味いということなんだろう。
けちゃっぷmaniaにカヴァーして欲しい曲:"なごり雪"に近いものというと、はしだのりひこの"花嫁"なんかいかがでしょう。
■HONEY SAC
若いっす。レコ発のライヴでも観たけど若さが溢れているっす。何せプリンセス・プリンセスの"19 Growing Up"が文字通りに歌えるのは特権だろう。真面目にオーソドックスに歌っても許されるのだ。別にいじったりせずに、そのまま出しているところが逆に好感というか。それゆえに当時のことを思い出し甘酸っぱい感じが蘇ってくる。そうそう、あの頃カラオケでプリプリ歌っている女の子って本当に一杯いたよね。
HONEY SACカヴァーして欲しい曲:やっぱり、プリプリつながりで"世界でいちばん熱い夏"でしょうか。
■Emmie the STRIPPER
チューリップの"銀の指環"をマッタリとしたアレンジでカヴァー。ヴォーカルの伸びやかでさわやかな声と押し付けがましくないホーンセクションの絡みがよい。この曲と"春だったね"が、パンク色強いこのアルバムの中でオアシスのようだ。
Emmie the STRIPPERにカヴァーして欲しい曲:チューリップはあんまり知らないけど"虹とスニーカーの頃"かな。ただし歌い出しは「我がままは〜女の罪〜、それを許しちゃうのが男の罪〜」と変えよう。そっちの方が今ではリアルでしょ?
■SUPER EGG MACHINE
矢野顕子の"春咲小紅"は神戸のポートアイランドで行われたポートピア'81という博覧会のテーマソングだった。博覧会つーか大阪の万博から筑波科学万博に至る博覧会に浮かれた日本の空気を描いた歴史的な証言という意味も含めて名曲なんである。ちなみにmagのスタッフには、不入りが確実視される愛知万博の仕事をしている人がいたりします。で、その"春咲小紅"を骨太でヘヴィなアレンジに改造したのがSUPER EGG MACHINEのヴァージョンである。原曲のフワフワ浮かんでいる感じから一転、豪快ぶりが気持ちいい。レコ発のライヴであまりのすごさに衝撃を受けてしまったのだった。「女なのに」とか「男勝りに」という次元を越えて、豪快なロックが好きな人にお勧めなのだが・・・最近ベースが脱退してしまった。理由は「結婚のため」・・・。決断まで悩んでいたようだし、バンドは続いていくらしいのだけど、理想と現実の壁は高いんでしょうか、やっぱり。
SUPER EGG MACHINEにカヴァーして欲しい曲:この曲の作詞は糸井重里なんだが、糸井重里つながりで沢田研二"TOKIO"。糸井重里ってオイルショック以降からバブル崩壊までの日本経済が一番繁栄していた時代の空気を捉える天才だったなぁ。
■GTP
吉田拓郎の"春だったね"をアコースティックなアレンジでカヴァー。芯の強そうな声が印象的である。シンプルで力強い感じ。うるさい系のアレンジが多い中で異彩を放っているんだけど、こういう力強くてさっぱりしている声が魅力のひとつになっている人も、カワイイだけじゃなく、ギャルバンの要素として大事だよなぁ。
GTPにカヴァーして欲しい曲:吉田拓郎つながりでKi nKiKidsの"全部抱き締めて"。アコースティックヴァージョンが映えるのでは?
■ロリータ18号
榊原郁恵の"夏のお嬢さん"を取り上げる。このバンドは過去にもたくさんのカヴァーをこなしているわけだが、この曲もロリータ流にカヴァーする。原曲はロックンロールをベースにした横ノリなんだけど、ロリータは見事に立てノリに改造する。マサヨのヴォーカルの破壊ぶりもすごい。しかし歌詞の世界と歌って演奏している人とのギャップが激しいっていうか、そもそもロリータ18号のメンバーが海辺にいること自体が想像できない(笑)。とか思ってたらこちらもメンバーが脱退という事件がありました。
ロリータ18号にカヴァーして欲しい曲:それこそたくさんのカヴァーしているので、今更なんだが松田聖子とかやって欲しいもんだ。夏つながりで"夏の扉"とか。
■ソープランド揉美山
今年のフジロックのルーキーステージにも出たソープランド揉美山は、GO-BANG’Sの"あいにきてI・NEED・YOU"をガレージ風にカヴァーする。まあゴーバンズ自体がガールポップ+パンクみたいなもんだから、原曲が壊れ気味になっているけども、ソープランド揉美山と相性がいい。
ソープランド揉美山にカヴァーして欲しい曲:GO-BANG’Sの"ざまぁカンカン娘"とか"スペシャルボーイフレンド"とか"私はパラダイス"あたり聴いてみたい。
■コンコンジャンプ
ラストを飾るのは「やめろっと言われても〜(客:ヒデキ!)」でおなじみの西城秀樹"激しい恋"のカヴァー。ホーンセクションのノリの良さが「おおっ!」と思わせるも、ロリータ18号〜ソープランド揉美山と続いた崩壊ヴォーカルが入って笑い転げる。文字通り激しい恋に身もだえするヒデキのオリジナルと比べこのヴォーカルは歌詞なんて関係ないよーんと暴走してしまっているのだ。この感情が入らなさ加減がパンクである。
コンコンジャンプカヴァーして欲しい曲:やっぱり秀樹つながりで"ギャランドゥ"でしょう。
reviewed by nob
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