春一番ライヴ73

春一番

春一番ライヴ73


収録曲

Disc 1
1.もう帰るところが / 朝野由彦
2.オリオン座 / 朝野由彦
3.吹雪哀歌 / 中塚正人
4.風景 / 中塚正人
5.雪の月光写真師 / 若林純夫
6.雪まつり / ザ・オイルフィット ブラザーズ
7.虹の民 / 中川五郎とたらちねしょんしょんバンド
8.祝婚歌 / 中川五郎とたらちねしょんしょんバンド
9.ぷかぷか / 西岡恭蔵
10.街の君 / 西岡恭蔵

Disc 1
1.こうもりが飛ぶ頃 / はちみつぱい
2.煙草路地 / はちみつぱい
3.私の青空 / 高田渡
4.私は私よ / 高田渡
5.石 / 高田渡
6.時は過ぎて / ザ・ディランII
7.ガムをかんで / ザ・ディランII
8.茶色い帽子 / ザ・ディランII
9.悲しみは果てしなく / ザ・ディランII


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春一番ライヴ72

収録曲

Disc 1
1.かたつむり / いとうたかお
2.インスタント・コーヒー・ラグ / 田中研二
3.夜汽車にのって / シバ
4.交差点 / シバ
5.ミスター・ボー・ジャングル / 中川五郎
6.カレーライス / 遠藤賢司
7.満足出来るかな〜シー・サイド・バウンド / 遠藤賢司
8.冬のサナトリウム〜サルビアの花 / あがた森魚+蜂蜜ぱい
9.へいの上で / 蜂蜜ぱい


Disc 1
1.どろんこ祭り / 小坂忠とホージョハーフ
2.庭はぽかぽか / 小坂忠とホージョハーフ
3.僕の街 / ザ・ディランII
4.追伸 / 友部正人
5.街は裸ですわり込んでいる / 友部正人
6.とめ子ちゃん / ごまのはえ
7.系図 / 高田渡
8.あしたはきっと / 武蔵野タンポポ団
9.カーカー / 武蔵野タンポポ団



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 映画となったウッドストックワイト島のフェスティヴァルが日本に紹介され始めた頃、いろいろなところで「フェスティヴァル」が生まれていた。といっても、そういった海外のものに触発されたというよりは、世界中で自然発生的にそういった「gathering(集まり)」が生まれていったと見るのが正しい。日本でもその先駆け、フォーク・ジャンボリーの第一回目が開かれたのは69年と、Woodstckとはほぼ同じ時期(実際には約1週間前)となる。詳しい情報は、こちらでチェックすることができるのだが、このとき出演していたのは高石友也、岡林信康、高田渡、五つの赤い風船、ザ・ジャックス、田楽座、上条恒彦といったアーティストたち。これが世間にどれほどのインパクトを与えたのかは想像するしかないが、その後に紹介されたウッドストックの影響もあり、70年、そして、71年が大きな盛り上がりを見せたのはいうまでもないだろう。(ただし、CD化にはいろんな疑問がある。70年、71年のものも曲数は増えているんだが、政治的なにおいの強い曲がカットされていたりとなにかがおかしい)

 比較的よく知られているフォークジャンボリーの他にも、数年のギャップはあるんだろうが、北陸では夕焼け祭りというのが開かれていたらしいし、なによりも当時は「自分たちでやっちまえ」というのが当たり前で各地でいろいろなものが生まれていたようだ。記録によると、今回取り上げる春一番の前身、「Be in Love Rock」が生まれたのも70年。世間一般で団塊の世代と呼ばれる人たちが若くはつらつとしていた頃の話で、物理的に人口で多数派となっていた彼らの影響力はいろいろな局面で発揮されていた。おそらく、それが端的に現れたのが今にもつながるカウンター・カルチャーやオルタナティヴ運動であり、世間一般でいうところの学生運動だろう。

 その少し下の世代のなるのが筆者で、こういったものに、当然ながら、少なからず影響を受けたんだと思う。実際、音楽という現場に関わり始めたのもその頃で、それがなかったら、こんな不良にはなっていなかっただろうと察する。

 あの当時、高校を抜け出してはたむろしていたのが大阪は難波の南にあったディランという喫茶店だった。ときおり、ライヴも開かれていたここで、ショートホープをふかし、一杯のコーヒーで何時間も時間をつぶしながら、当時は簡単には買えなかったレコードを聴いていたものだ。親からもらった昼飯代を使わないで、空腹とレコードを天秤にかけていた頃。ここは未知の音楽との出会いの場であり、ここを通してスタッフとして手伝うことになったのが春一番の73年だった。おそらく、72年はただの客として出かけていったように思うんだが、その翌年は、今のフジ・ロックの、fujirockers.orgのスタッフと同じように、なにかを手伝うために会場の天王寺野外音楽堂にいた。

 実をいえば、72年の春一番が100セット限定(300セットの説もある)10枚組の自主制作盤(今でいうインディ)として出回ったことがあり、今ではプレミアものになっているのだが、あれをディランでよく聞いていたものだ。なかでも、この時のはちみつぱいがとんでもなくよくて、『春一番ライヴ72』でそのほんのわずかを聞くことができる。あがた森魚と一緒に演奏している"冬のサナトリウム〜サルビアの花"は涙ものだし、「ぱい」唯一の収録曲となっている"へいの上で"は、いつ聞いても、あの日の天王寺野外音楽堂の空気が部屋に漂ってきそうな気分になる。他にも、ジェイムス・テイラー丸出しだった小坂忠とホージョハーフ(四畳半の意味)や友部正人、遠藤賢司、中川五郎など、一般的にはこのライヴが春一番で最も素晴らしかったとされている。

 が、自分にとって最高なのは、その翌年『春一番ライヴ73』のアルバムだ。スタッフとして初めて関わったこの年、実は、トラブルがあった。ニューミュージックなんてわけのわからん名前を付けられて、メジャーとは全然関係ないところで生まれてきた音楽が商品になりかけていた頃、高校生の自分たちがスタッフとしてただ働きして動いていた春一番を「商業主義だ」とつぶしに来た人たちがいた。今、考えれば、ただの笑い話なんだろうけど、つぶしに来た彼らはやたらシリアスで、「おまえらは日和見ってるやんけ」と高校生のスタッフにけんかを売る人たちが続出していた。まぁ、それに対して、友人のスタッフ(通称、ピン高の松田って名前だっけかなぁ)は「なんぬかしとんじゃ、われぇ! おのれやないけ、日和見ってんのは」と、どう見ても年上のそいつに喰ってかかっていたのはさすがというか、みんなそれほど血気盛んだったということなんだろうけど。そのそばで自分は当時流行していた「日和見」という言葉の意味もわからずに、「そや、そや」なんていっていたように覚えている。そんな騒ぎを聞きつけたのか、あいりん地区(東京でいうところの山谷のようなエリア)からそんなに遠くない場所に会場があったものだから、労務者のおっちゃんが一升瓶を片手に会場を目指して突進してきたり...「おっちゃん、かなんな...」と、それを止めにかかっていたのが筆者だった。

 そのせいか、どこかで緊張感が漂っているのがこのライヴ。今、どうしているんだろう、ひょうひょうとした表情が大好きだった若林純夫が"雪の月光写真師"という曲を演奏している時、そして、ディキシーランド・ジャズっぽい音を気に入っていた高田渡がそれ風のバンドを引き連れて、(ホントは、二村定一なんだけど、)エノケン(榎本健一)で有名な"私の青空"(『ねこのねごと』に収録)を歌っている時、バックで爆竹がならされている音が聞こえるのだが、おそらく、これもあの「じゃま」じゃなかったかなと思う。特に、それが露骨になっているのは最後の方に登場したザ・ディランII(セカンドと読む)がステージに上がった頃じゃなかったろうか。春一番をつぶしに来た連中は電源の元をぶった切ろうとしていて、ステージの上でも一悶着があったことは覚えているのだが、それが彼らの演奏しているときだったのかどうか、定かではない。ただ、ザ・ディランIIの録音を聞いていると、それを感じるのだ。
 (ちなみに、後に知るのだが、この春一番つぶしに来たのは京都の憂歌団関連の人たちだったらしく、当時のマネージャーから、「ホンマやねん、わしらや、あれ」と聞かされた。すごい時代やなぁ...)

「いろいろ僕もいいたいことあるけど、今日は、僕、歌いたいし...」

 "茶色い帽子"という曲を歌う前に、ヴォーカルだった大塚まさじがこんなことを話しているのも、それが理由なんだと思う。今から思えば、ナイーブな歌を歌っていたのがこのザ・ディランII。それでも、そんな歌を歌うしかなかったあの時代の意味を知っているじじいには、今も、これが素晴らしく暖かく聞こえるのだ。しかも、その緊迫した表情が歌から感じることができる。

 このライヴのオリジナルはもう持ってはいない。確か、今回同様、大阪のイラストレーター、森英二朗がジャケットのイラスト担当していたようにも思えるが、(それはひょっとして72年のものだったかもしれない)その当時の空気をめいっぱい詰め込んだこれは、 『春一番ライヴ72』と並んで、関西のフォークが作り上げてきた最もヴィヴィッドな記録として多くの人に聞いてもらいたいと思っている。

 ちなみに、以前は1枚もののCDで発売されていたのだが、今回はそれにかなりの未発表曲が加えられて2枚組となっている。新しく加えられているものよりも、なによりも貴重なのは、結局、スタジオ録音されることのなかった、はちみつぱいの名曲"こうもりが飛ぶ頃"と"煙草路地"がここに収録されていること。確か、オリジナルはこの2曲が理由で買ったように覚えている。わずか1枚のアルバム、『センチメンタル通り』を発表して、解散してしまったのが鈴木慶一率いる「ぱい」。その2枚目となるはずだったのに、鈴木慶一とムーンライダーズ名義で発表され、その後に、鈴木慶一名義となり、現在は再び鈴木慶一とムーンライダーズとしてCD化されている『火の玉ボーイ』に収録されている名曲"すかんぴん"のなかで、"煙草路地"のフレーズが聞こえてくるのがファンにとっては唯一の慰めとなっている。

 この時代の音楽が今どう響くのか、じじいには全然わからんが、自分のなかでは今もまぶしいぐらいの輝きを持っている。加えて、60年代から70年代へとなにかが大きく変わっていた時代そのもののドキュメントとして、聞けば聞くほどになにかを伝えてくれるように思えるのだ。


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*これはCDジャケットで、DVDのものではありません

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