ALEX CUBA BAND

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『Humo De Tabaco』
UK import / 国内盤



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 今年のフジロック・フェスティヴァル、ホワイトステージの傍のロッジで更新作業をしながら、自分のi Bookで鳴らしていたのがこのアルバム。今年リリースされたなかで、個人的にいちばんはまった作品だ。ちょうど、意外にもリラクシンな演奏を聴かせてくれたムームが終わった、よく晴れた昼下がり。「今年のフジロックはこういった、リラックスして風を感じるようなアーティストが少ないね」と仲間のカメラマンと話ながら、しばし作業の手を休める。

 情感たっぷりに歌うソン、マンボにチャチャチャ、ルンバ、変拍子のつんのめるようなリズムを駆けていくパーカッション。でもどこか、うだるようなハバナの熱気をクールダウンするかのよう。そんな曲と交互に織りなす、優しく紡がれるギター、しっとりと響くコンガとピアノのシンコペーション、心地よい海からの風のようなストリングスに導かれた、歌心溢れる伸びやかなバラードナンバーがとても印象的だ。

 ローティーンで地元のソン、ルンバ、サルサ、ジャズといった様々なバンドに参加し、コンポーザーとしても活躍、現在は活動の拠点をカナダに移したアレクシス・プエンテスのソロ・プロジェクトが、このアレックス・キューバ・バンド。同じくキューバの新世代を代表するジューサが、どこかブラジル音楽との邂逅を垣間見せてくれたように、この『ウモ・デ・タバコ』にも、キューバ音楽という既成のイメージだけでは語れない新鮮で瑞々しい感覚がそよいでいる。カナダつながりなのだろうか、プロデュースはロン・セクスミスを手掛けたマーティン・テレフェ。歌心をとても大切にした作りを始め、そんなことも理由の一つなのだろう。

 それでもレコーディングは(どうやら紆余曲折あって)映画『ブエナ・ビスタ・ソシアル・クラブ』に登場するハバナのエグレム・スタジオで行われ、なんとキューバン・ジャズの巨人チューチョ・バルデス(先日イラケレを率いて来日したばかり)や、ソンを生んだ伝説のバンド、セプテート・ナシオナルのメンバーであるパンチョ・アマットがゲスト参加。アレックスのキャリアと実力も含め、バイオのコピーに『ブエナ・ビスタ・ソシアル・クラブ最後の継承者』と謳われる由縁だろう。伝統と新しい感覚が交差する、まさに今のハバナを表すアルバムかもしれない。

 で、そのアレックス・キューバ・バンドが今月来日ツアーを行う。しかもテレビ朝日系『報道ステーション』のテーマで、バップしたプレイを聴かせる弱冠17歳のサクソフォニスト矢野沙織がセットに入っての公演。アレックスが矢野沙織に楽曲を提供した関係で、今回の共演が実現したという。来日メンバーのピアニスト、ヒラーリオ・デュランはディジー・ガレスピーやブエナ・ビスタのオリジナルメンバーとも共演歴のある実力派だ。

 アルバムのタイトルナンバーでもあるラストの『ウモ・デ・タバコ』で、パンチョ・アマットの弾く、ハワイのスラックキーのような文字通りゆるいトレスギターが聴けるのだが、huno de tabacoは「煙草の煙」という意味。コイーバのシガリロとキューバ・リバー*(注)で、まぶたをとろんとさせながら耳を傾けるのがいちばん、とネットをサーフしていたらこんな興味深いレポートを見つけた。キューバ・リバーを作るときはぜひともハバナ・クラブで。

*(注)ラムとコークとフレッシュライムで作るカクテル、キューバ・リバーはクバ・リブレ、つまり「キューバの自由」という意味。1898〜1902年の米西戦争でスペインの植民地支配から解放されたことに由来する。以後アメリカの保護国とされたキューバは1959年のキューバ革命で真の独立を果たすのだが、アメリカによる経済封鎖など様々な国際的制約は今日まで続いている。

 

■ 矢野沙織 with ALEX CUBA BAND Japan Tour ■

10月25日---渋谷O-East
10月27日---名古屋ボトムライン
10月28日---心斎橋クラブクアトロ
10月29日---仙台CLUB JUNK BOX
10月30日---横浜 赤レンガホール
総合問い合わせ:サモンプロモーション : TEL0120−499−699



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