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いや、これはやられた!イギリスはサンダーランド出身のぽっちゃりメガネ君と爽やか青年たちが同居する不思議な4人組がお届けする目くるめくヒネクレ・ポップ・パンクの世界は、ちょっと目を放していた隙にすっかり飛躍的な成長を遂げていたのだ。自分の中ではちょっとダークホース的な位置づけだったので、これは驚いた。いやはや。
彼らを始めて観たのは、昨年のグラストンバリーだった。確か、クラッシュみたいで元気のいいバンドだからと、観ておくように勧められていたのだ。確かにクラッシュみたいなバンドだった。でも、何かが違う。なんだが気になってしまった私は、そのライブの後に軽くストーキングしてメンバーから無理やりPR会社の連絡先を聞き出し、何回か彼らのライブを見せてもらうことにしたのだ。すると、ライブを観るたびに彼らの一筋縄ではいかない魅力がジワジワと伝わってくるではないか。なんかこう、ふざけているというか、ひねているというか。彼らのことを初期のXTCと比較したがる人が結構いるが、それは結構当たっているかもしれない。でも、やっぱりジャムとクラッシュもあるんだよなあ。なんか、ポール・ウェラーとジョー・ストラマーの音楽から生真面目さがスッポリ抜け落ちてしまった摩訶不思議な脱力ポップ・パンク(ニューウェイブ経由)というか。でも、結局はクラッシュがやりたいんじゃないの、と思わせるような無邪気さもあり…。というのが、アルバムを聴くまでの彼らの印象。
ところが、このアルバムと来たら、どうだ。ポップの神が舞い降りたフックのあるメロディーとギクシャクしたニューウェイブ風味のサウンドが渾然一体となり、逆ギレ寸前の勢いで疾走。そして、そこに独特のとぼけたユーモアが加わり、もう一捻り。BB5チルドレンなコーラスからニール・ヤングの"bullshit"まで飛び出すロックンびっくり箱な一曲目から、もうすっかりメロメロにさせられてしまうじゃないか。クラッシュとかジャムとかXTCとか、そんな比較を考えているのが馬鹿らしくなるくらい痛快な出来。ここではもうクラッシュもジャムもXTCもびっくり箱の一要素となって、忘れた頃にポンポン飛び出してくる隠し玉の一つに過ぎない。いやあ、これは、正直一枚通して聴くとちょっと疲れるけど、何回も繰り返し聴いて新たな発見がしたくなるような、かなり情報量の詰まった面白アルバムだ。フランツと比較してるA誌や、モッズとか言ってるB誌は、もう一度耳の穴かっぽじって聴き直した方がいいのでは?
しかし、こんないいバンドに限って、日本盤がまだってどういうことなんだろう。洋楽が売れてないから日本盤の数を絞る? 冗談じゃない。絞るんだったら、もっと他に絞っていいアルバムがあるだろうが、と声を大にして言いたい。
reviewed by yoshi_k
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