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『Heroes To Zeros』、これはFranz Ferdinandなどの今のUKの新人バンドを取り巻く環境を皮肉ったものである。今はちやほやされていても結局はハイプでいつかは忘れられる存在になる…UKのメインストリームから遥か遠く、別次元の住人であるThe Beta Bandにとっては蚊屋の外の話だと思っていただけに、なぜThe Beta Bandが今、そこにこだわる必要があったのかわからなかった。
The Beta Bandの解散が発表されたのは、先週のことだった。なぜこのタイミングでなければならなかったのか?本当に疑問でならない。今夏いくつかのフェスに出演し、やっとこれから『Heroes To Zeros』のツアーも決まりいずれは日本にも来てくれることだろうとワクワクしていた時期に。すでに決まっていた9月のUSツアーもキャンセルとなり、秋にUKでさよならツアーを最後にThe Beta Bandは幕を引くことが決まった。
『Heroes To Zeros』は、最大限にライヴ感を意識して作られているアルバムである。今回のプロデューサーであるナイジェル・ゴドリッチによって新しい風が吹き込まれた。「Assessment」「Out-Side」「Liquid Bird」なんかがその象徴でイントロからギターが高らかに鳴り響き、やっと屋外の空気を吸ったかのような開放感に満ちている。だが、「Out-Side」の出だしでの犬の鳴き声や、「Rhododendon」のハンドベルの音色なんかをサラっと入れてしまう遊び心は健在で笑ってしまう。これまでの『The Beta Band』や『Hot Shot II』では、スタジオワークとしての作品の完成度に虜になっていたのだが、The Beta Bandのライヴを観たいと思わせたのはこのアルバム『Heroes To Zeros』だったのだ。
オフィシャルサイト(http://www.betaband.com)には、「ベータ家恒例、全員集合〜2004年編〜」というタイトルをつけたくなるような写真と共に、「8年間のうちに受けた称賛は打撃こそ与えど、商業的なリターンはほとんど与えなかった」というバンド側からのコメントが発表された。8年間やってきて、今さら何を!と言いたくもなる。The Beta BandのマジックはThe Beta Bandにしか起こすことができないのに…。『ヒーローからゼロへ』、これは現在のUKの音楽シーンの皮肉ではなく、The Beta Band自身そのものとなってしまった。本当に残念だ。
reviewed by kuniko
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