|
ありふれた言い方だが、このアルバムを一言でいうなら、これにつきるだろう。「濃い」。曲数は5曲。少ない? 物足りない? それは、とにかく聴いてから判断して欲しい。ここには、PUNKでDISCOでROCKな"THE JERRY LEE PHANTOM"というひとつのジャンルがギュっと詰め込まれているから。
「Let's go kill the rock」と過激な歌詞で始まる"KILL THE ROCK"でいきなり脳天直下の衝撃を受ける。創りこまれた音と、少ない言葉の繰り返しが、耳から入って頭から足のつま先まですべてに侵入してくる。その時点ですでにジェリーリーの魔法にかかり、このアルバムの世界から抜け出せなくなっているのだ。
2曲目の夏のにおいがしてきそうなダンスナンバー"DISCO BEAT THE ORANGE"で灼熱のビーチへと誘われたかと思えば、"TRIPPIN' THE HOUSE"では、人の内側へ内側へと入りこんでくる音の呪文で別世界へと飛ばされる。そんなトリップから目を覚ませるように、突き抜けたヴォーカルで始まる"I'M JUST SEVENTEEN"につながり、最後は激ポップなメロディにシュールな歌詞が印象的な"NO FUN TUESDAY"へ。絶妙な流れを作っている曲の並びは完璧といっていいだろう。
さらに、1曲ごとに分けて聴いても、その魅力が減ることはない。どの曲もジェリーリーとオーディエンスとで熱狂する様子が目に浮かぶくらいライヴ直結。このCDを聴いたらライヴに行きたくなって、ライヴに行ったらまたこれを聴きたくなって…。そんな途切れない輪を創り上げていけるアルバムだと思った。
この5曲という曲数は少ないだろうか?物足りないと思うだろうか? そういう人はエンドレスで聴けばいいんじゃないか? そうやって何十回聴いても色あせない音楽が、ここにはある。
reviewd by wacchy
|
|
|