One From The Heart

Tom Waits and Crystal Gayle

Tom Waits
and Crystal Gayle


(US import / 国内盤)


なお、US import、国内盤共にボーナス・トラック2曲(未発表)を追加。ただし、US importにはPVも収録。

 

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Tom Waits

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Crystal Gayle

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 ワン、トゥー、スリー、フォー...

 曲頭のタイミングをとる、あのしわがれ声が聞こえてきただけで、なにやらうらぶれた酔いどれの世界にすこ〜んと引き込まれてしまう。そんなトム・ウェイツに惚れ込んで20数年になる。デビュー・アルバム『Closing Time』が発表されたのが73年で、初来日が74年だっただろうか。当時、学生として住んでいた街、岡山なんて地方都市にまで彼がやってきてライヴをしたというのに、それを見逃して... あれ以来、来日したことはないというのが信じられない。

 が、かつて英国のブライトンに住んでいた81年ぐらいだろうか、ロンドンのVictoria Theatreで彼のライヴを初体験している。そして、『Rain Dog』が発表された頃にインタヴューをして、ライヴを撮影。あのときの写真は10年ほど前だろうか、友人の室矢憲治が翻訳した(本当は、、ほとんど彼が書き足して、彼の作品のようになっているんだけど)『トム・ウェイツ 酔いどれ天使の唄』という本で使用されている。そのあと、『Franks Wild Years』の頃に、やはりロンドンのハマースミスでタフ屋からチケットを買って見るなど、これまで3回ほど生のトム・ウェイツを経験しているし、そのどれもが素晴かったというのは想像できるだろう。

 それでも、その昔、知人がハワイで見たデビュー当時のトムのライヴに比べればなにか物足りない。なにせ、この時のライヴ、まるで『Nighthawks at the Diner』のアルバムまんまだったらしく、初期のトム・ウェイツに惚れ込んでいるファンにとってみれば、「この野郎、いい思いをしやがって!」と頭が切れそうなほどにうらやましいのだ。

 そんな初期のトムがフランシス・コッポラと完全なタッグを組んで録音したのがここで紹介する奇妙なサウンド・トラック『One From The Heart』だ。コッポラ監督自ら書いたライナー(US盤に収録。国内盤には翻訳と宮本啓氏執筆のライナーと訳詞を収録)によると、『Foreign Affairs』でのベット・ミドラーとのデュエット、"I Never Talk to Strangers"が、この奇妙なライヴ・ストーリーの発端だったということで、実をいえば、男と女が語り合うような形でのサウンド・トラックがまずは生まれて、それに合わせるように映画、『One From The Heart』を作っていくとトムにアプローチしたという。残念ながら、スケジュールの関係でベット・ミドラーとのデュエットでのアルバム制作はかなわず、トムのアイデアで、カントリー・シンガー、クリスタル・ゲイルとのデュエットを中心に組み立てることになったようだ。なんでカントリー・シンガーの彼女のと... と思うのだが、その彼女がジャズっぽい歌にさらりと挑戦しながら、ヴォーカリストとしての才能を見せつけてくれているのが面白い。

 『Foreign Affairs』の後と言えば、トムの声がかなり壊れていた頃なのだが、(実は、あの声、かなり作っているようで、彼とアルバム制作を人物にそんな話を聞いたことがある。加えて、酔っぱらっているような雰囲気も全部芝居。要するに、トムは役者なんですな)ここでのトムの声はもっと初期の『Heart Of Saturday Night』に近いものがある。サウンドもあの名作に近く、トムの映画趣味が、あるいは、物語作り趣味が見事に形になっているというのがこのアルバムだ。

 オリジナルではデュエットが4曲で、トムのみのヴォーカルが4曲、クリスタル・ゲイルのヴォーカル・トラックが3曲にインストゥルメンタル1曲という構成で、そのアナログ盤は手にしていたのだが、今回、未発表のボーナス・トラック2曲加わったというので、購入したのがこのCDヴァージョン。といっても、きちんと検索をかけていなかったせいで、まずは国内盤を購入。ところが、後に、チェックしたら、US盤には映画のフィルムを使用したPVが収録されているというので、結局、2枚も買う羽目になってしまった。しかも、US盤は値段も安く、デジパック仕様で、こちらの方が遙かに魅力がある。(ただし、US盤も2種類あって、こちらにはPVは入っていないようだ)

 さて、そのボーナス・トラックが、また、素晴らしいのだ。タイトルは"Candy Apple Red"。ピアノの弾き語りで、バックにちらりとトランペットのソロが聞こえてくるあたりのタッチは、やはり『Heart Of Saturday Night』の世界を思わせる。もう1曲はオープニング・トラックの別ヴァージョンで、当時はお蔵入りになったもので、トム・ウェイツのみのヴォーカルが聞ける。作りも違うし、おそらく、トムのファンだったら、こっちの方が気に入るんじゃないだろうかと思う。

 PVに関しては、81年のトム・ウェイツの映像はほんの数秒見られるのが嬉しい。その他は映画のフィルムを編集したもの。そのなかでトランペッターに扮したトムが登場するのだが、当然ながら、それは映画でも見られる。ファンだったら、ボーナス・トラックの2曲とこのPV、それにリマスターということで絶対に買うべき作品だと思う。

 それに、トム・ウェイツのオリジナル・アルバムを持っていても、サントラだからといってこれを持っていないんだったら、とんでもない名作を聞き逃していることになる。映画趣味というか、ストーリー・テラーのトム・ウェイツがその本領を発揮したのがこの作品。これを聴かずして、トムのことは語れません。

 ちなみに、このトム・ウェイツの影響を受けて"まだ合わぬ友(トム・ウェイツに)"という曲を歌っていたのが日本人のシンガー・アンド・ソングライター、大塚まさじ。彼のソロ・デビュー・アルバム、"遠い昔ぼくは..."もチェックしてもらえたら嬉しい。このトラックも"アフリカの月"も"遠い昔"も、あのタッチをすんなりと吸収した素晴らしい『歌』になっている。これも名作だ。

 ところで、今回、クリスタル・ゲイルの公式サイトを探し出しだしたんだが、トップページに星条旗が翻り、God Bless Americaなんてメッセージが書かれている。カントリーの世界にある『愛国主義』ってのを露骨に感じて、いやな気分になった。あれほど悪行の限りを尽くしているブッシュのアメリカを支持しているのだったら、人間としての見識を疑ってしまうなぁ... と、そんな思いに駆られたのは筆者だけだろうか。


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