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『SUN』
彼女の詞はどんどん余分なものが削ぎ落されていくため、ひとつのフレーズの持つイメージの容量が大きくなっていく。
「泥棒」は紛れもない傑作で?マったと同時に「重ッ!」というのも正直あり、以前のポップさは2度と耳にする事はないのかも、と寂しくもあった。
「SUN」
そんなタイトルを持つこの新作でのUAの声はのびやかで、音も心地よさそうに浮遊する。今まで積み上げてきた上にふんだんに新しいエッセンス。出し惜しみ無し、でも自然で。『LIGHTNING』は待ってました!という気分にさせられた。CDの回る間「Turbo」での具象的なものとは違う太陽が燦々と輝いている。
ヘッドフォンの調子が悪く最初完全インストで聴いた。(ホントにインスト状態の曲あって逆に驚き....)だからこそ余計この作品の音へのこだわりが見えて。楽器としての声の力、湧き出すようなヴォーカルの美しさ。
土の匂いがする。その中を官能的な精霊である彼女が木々の間を歩き、枝の上で鳥と、夜には犬と戯れる。
『ファティマとセミラ』はどこかの国の神話かと思えば、モロッコで出会った実在の子供達。プライベートで生まれたというその愉し気な掛け合い。緻密に計算されて創られたろう楽曲の中溶け込んでいる。
UAの音楽への優しい情熱と遊び心を感じるアルバム。
それにしても今年ってCMに、数々のコラボに、ツアーにと、ファンには堪らん年です。
『Lightening』
タイトルで「閃光」と対の作品かと思った。そうだったとしても光の質は別物。何て幸せな「うた」なんだろう。生きる、という事を今までにない優しさで肯定している。光のベールがイメージだそうで、ジャケットのUAは朝の太陽を浴びる鳥のよう。
やや寂し気に始まり、徐々に世界は壮大に広がっていく。翼の生えた象、空を泳ぐ魚、そんな中で目と目を合わせあう子供達は彼女であり、わたしでもあり、この曲を聴いた人たち全てだ。
ラジオでサビが流れただけでゆったりと身体が揺れてくる。彼女の歌でこんな気持ちになれたのって初めてかもしれない。
鳥、空、光......初期からこだわってきたフレーズを使いながら一作一作で全く違う面を見せてくる。やっぱ底が見えません、この方。
『うたううあ』
NHK教育テレビ、うたのおねえさん「ううあ」の童謡集。
悔しい事にまだ番組観れていません。
『もりのくまさん』や『ゆき』のような幼い頃から耳にしてきたお馴染みの曲がUA的解釈でアレンジされている。
今時の学校給食事情をニュースで目にした時のお子さま達への大人気ないジェラシーを思い起こしてしまった。
オリジナルだとさすがにホラーな古くからのお伽話が、わたしの生きている間にも無毒な方へと修正されていっている。でも子供相手だからと清潔にまとめる程薄っぺらくなってしまう。
「ううあ」は言葉を丁寧に汲み上げながら、楽しく、きれいで、それでいて深い曲にしている。一部は普通にUAのアルバムに入っていておかしくないし。『ひらいたひらいた』って、子供の頃から思ってたけど短くてシンプルなのにやたらデカい曲だなーと改めて実感。
小さいうちから本物に触れられるってやっぱり凄い。とりあえず彼女と同じ時代に生きててよかった。
この歌がこんなアレンジに!という楽しさ。童謡の力と「ううあ」の広い歌心。お子さまのいない方も「UA」ファンでない方も必聴。
reviewd by chihiro
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