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アンダー・ワールドの名前を聞けばほとんどの人はテクノのアンダー・ワールドを連想するのではないだろうか。これは映画「アンダー・ワールド」のサウンドトラックである。まず最初に言っておくが、テクノ・グループのアンダー・ワールドの曲は一曲も入っていない。だが残念に思うことは何一つない。全ての曲が良いからである。何が良いのか? 「ハード・ロックの持つ生々しさが詰まっている」の一言である。ハードロックに偏見を持っている人に聴いてほしいCDであるし、以前からハード・ロック好きだった人々をも満足させられる力がこのCDにあるだろう。
総指揮を執ったのはナイン・インチ・ネイルズ人脈の一人、ダニー・ロナー。参加アーティストはメイナード・ジェイムズ・キーナン(Tool, A Perfect Circle)、フィンチ、ウェス・ポーランド(ex. Limp Bizkit)ジョン・フルシャンテ(Red Hot Chili Peppers )、ア・パーフェクト・サークル、デヴィッド・ボウイ、と挙げたらきりがない。今挙げたアーティスト達を眺めるだけで好きな人はたまらないのではないだろうか。
全体的にハード・ロック調の曲が多いが、バラード調の曲もあり、「これ何?」というようなニューウェイヴの影響を受けたであろうテクノを交えたロックもあり、とヴァリエーションにも富んでいて単純に聴いていて飽きがこない。
ハード・ロックの持つ激しさ、壊れた感触、生々しさ、その全てをギュウギュウに絞って稚拙な言い方をすれば良いとこ取りをしたのがこのサウンドトラックだ。
シャウトするヴォーカルにボコーダーでファズをかけたヴォーカルをさらに被せ、緊張感を持たせたM2はまさに破壊力抜群であるし、落ち着いた綺麗なストリングスを鳴らし曲の途中一気に轟音展開に持っていくポストロック的カタルシスを持ち合わせている曲もある。そこにはハード・ロック、グランジ、ニューウェイヴの生々しい息を温存しただけではなく、さらに進化させた音がある。
そして何よりもこのサウンドトラック全体から聴こえてくる音は幻想的である。ギター・サウンドは激しくはあるが、どこか哀愁感が漂っている。これ中々できることじゃない。ただ単にマイナー・コードを弾けばいいってもんじゃない。感覚的なものだ。それはアーティストの胸のうちかもしれないし、この映画「アンダーワールド」の世界観そのものかもしれない。
reviewed by takashi.
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