高田渡 / 五つの赤い風船

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高田渡

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自衛隊に入ろう.
 

 1月10日、渋谷O-Eastで開かれた渋さ知らズの幕開けはこの曲だった。

 みなさん方の中に、自衛隊に入りたいひといませんか...
 自衛隊に入ればこの世は天国...
 自衛隊に入って花と散る..

 と、そんな言葉が出てくるこの歌が新年一発目の渋さで幕開けとなったのは、もちろん、時節柄だろう。なにせ日本が戦後初めて「戦争のまっただ中」にある国に自衛隊とは名ばかりの軍隊を送るわけだ。小学生程度の国語能力があれば自衛隊の存在自体が憲法9条に違反しているのは明らかで、その恥の上塗りならぬ嘘の上塗りで既成事実ができあがってしまったのが今の日本。その上で議論をしているのが脳たりんの政治家どもだから、詐欺師の会話がそのままメディアで幅を利かせているわけだ。整合性などかけらもないあほ首相の詭弁とごまかしの上塗りがまかり通る日本てぇのはなんだ?

 という話はさておき、この歌が登場したのは68年。ヴェトナム戦争真っ盛りの時代だ。当時、「放送自粛」という憲法違反、検閲行為がそれほどおおっぴらにはなっていなかった頃だというので、この歌がテレビのワイドショーで流れたんだとか。それを聴いた防衛庁が「この曲をPRソングに使わせてくれ」と申し出たとのこと。

「いや、れは本当なんだよね、バッカだよね、あいつら」

 とは今から10年前に高田渡氏とインタヴューしたときに本人の口から出た言葉。たしかに、額面通りにこの歌を理解した連中の頭の悪さは素晴らしい。が、もちろん、逆説のパロディであり、それをかなりシリアスにしてしまったのが加川良というシンガー・アンド・ソングライター。彼が71年に発表したアルバム『教訓』に収められた名曲"戦争しましょう"はちょいと重すぎて、高田渡のすっとぼけた大人の味は出ていないが、これも面白い。また、ちょうど同時期にアメリカで逆説的な部分も散らせつかせながら完全に反戦を歌ったのがカントリー・ジョー・アンド・ザ・フィッシュ。ウッドストックが開かれたときに大合唱で歌われた"I - Feel - Like - I'm -Fixin' - To - Die - Rag" (『Life & Times of - from Haight-Ashubury to Woodstock』より)がそれに当たるんだろうなぁと思う。

 ともかく、日本で初めてのインディ・レーベル、URC(アンダーグランド・レコード・センター)から、五つの赤い風船とのスプリット(当時はこんな言葉はなかったけど)・アルバムとして発表されたのがこの作品だ。当時のA面が高田渡のギター1本でのライヴで、B面は五つと赤い風船のスタジオ録音。

 ひょうひょうと歌う高田渡の毒気いっぱいで、おかしい歌は、録音されて35年をすぎたのにまだ忘れ去ることができない不思議な存在感を放っている。「自衛隊に入ろう」「ブラブラ節」「あきらめ節」...今聞くと、実は、その歌の意味が全く失われていない時代に生きていることがわかる。

 一方、むずむずするほどにファンタジー的なニュアンスも感じさせながら、真正面から戦争を、そして、その向こうで泣き叫ぶ人たちへの思いを歌った五つの赤い風船も馬鹿にはできない。特に「血まみれの鳩」」や「遠い空の彼方に」は、青臭いフォークの裏に潜む力強い意志を感じることができる。リード・ヴォーカルが藤原秀子と西岡タカシ。ギターに中川イサトがいてベースが長野隆という構成だったと思うが、基本的にはアコースティックなフォーク・グループではあるけど、ヴァイブを使ったりとサウンド的にはかなりユニークな部分も抱えていた。すでにこのデビュー・アルバムから音にこだわる西岡タカシのプロデューサーとしての才能が光っていた。

 パンクも生まれていなかった遙か彼方の音楽で、ひょっとすれば今の人たちがこれを聴けば生ぬるく感じるかもしれないが、歌謡曲しかなかった時代にこれがアルバムとして発表されたその衝撃は大きかった。同時に、まるで去勢されたかのような音楽が幅を利かせる今の時代に、同じく、ひょっとすれば、あの時代の音楽が逆に力強く響くようにも思える。


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