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ごめんなさい、すいません、脱帽です...
正直言って、知りませんでした。数年前にモータウンを支えたとんでもないベース奏者としてJames Jamersonの本が出て、話題になったのは知っていたけど、そのときはきちんとチェックしませんでした。私、馬鹿です。大バカモノです。このDVDを見て、深く深く反省しました。
マーヴィン・ゲイからスティーヴィ・ワンダー、シュープリームス、テンプテイションズ、フォートップス... 書き連ねていったらアメリカのソウル・ミュージックの歴史になってしまうほどのアーティストを生み出したデトロイトのレーベル、モータウン。もう、とんでもないレーベルです。でも、そういったアーティストの名前は知られていても、実は、あの音を作り出したのが、ほぼ全て同じミュージシャンだったこと、全然知りませんでした。というか、ほとんどの人がそれを気にしていなかったと思うんですよ。実際、このDVDでもそのあたりが紹介されています。レコード屋さんでお客さんに質問するんだけど、「モータウン知ってる?」と尋ねられて、みんな知っていると答えるんですね。アーティストの名前のひとつやふたつすぐに出てきます。でも、バックのミュージシャンはと尋ねられて答えられる人は誰もいません。で、驚かされるわけです。実は、あのモータウンの音がほぼ全て同じミュージシャンによって作られていることを。
The Funk Brothers...というのが、そのミュージシャンたち。このDVDはALLAN "DR. LICKS" SLUTSKYが89年に発表した同名の本に触発されて14年を費やして制作されたという代物で、モータウンを支えた彼らの歴史を追いかけたドキュメンタリー。歴史を再現したり、貴重な映像も挿入したりといった感じなんだけど、そこに絡んでくるのがMeshell Ndegeocelloあたりのミュージシャン。チャカ・カーンからベン・ハーパー、モンテル・ジョーダン、ジョアン・オズボーンにブーツィ・コリンズなどをゲストに、そのThe Funk Brothersをバックに開催されたライヴを収めたりと、とてつもなく贅沢にソウル・ミュージックの歴史を、そして、話題になることがなかったバックのミュージシャンたちの実像を知ることができるというもです。
いわゆる再発見もので、どこかでライ・クーダーが絡んだ『ブエナ・ヴィスタ・ソーシャル・クラブ』のアメリカ版のようなもの。おそらくは、一部の好き者にしか知られていなかった、本当に素晴らしいミュージシャンを表舞台に引きずり出したという意味で、アメリカ人がアメリカの本当の文化に初めてまともにスポットライトを当てたということだと思うんですね。
そういったドキュメンタリー部分も、もちろん素晴らしいんだけど、同時に彼らをバックにしてのコンテンポラリーなミュージシャンたちの演奏もとんでもないですよ。あくまで原曲に忠実にチャカ・カーンがマーヴィン・ゲイの名曲『ワッツ・ゴーイング・オン』を歌い、モンテル・ジョーダンとのデュエットで『エイント・ノ−・マウンテン・ハイ・イナフ』を歌う... いやぁ、もう、どうしようもなく音楽のすばらしさを感じてしまうわけです。
ちなみに、輸入盤でこのDVDとサントラを両方買っても3000円弱。たまりません。実は、前回紹介した『The Howlin' Wolf Story』同様、これを教えてくれたのはシーナ・アンド・ザ・ロケッツの鮎川誠さん。おかげでまた宝物のような『音楽』を知ることができました。ありがとう。今度、彼との音楽談義をSmashing Magで紹介しようと思っています。だってねぇ、彼が勧めてくれたものに間違いなかったからね。ありがとう。
さらに、実は、このThe Funk Brothers、ツアーに出ているようで、彼らのライヴが日本でも実現すれば、すごいと思うんですよ。なにせ、『歴史』を体験できるんだから。なんとかならないかねぇ...
reviewed by hanasan.
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