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元MANO NEGRAのマヌ・チャオが、去年のフジロック・フェスティヴァルでRADIO BEMBA SOUND SYSTEMを率いて圧倒的なライヴを披露してから、スペイン語圏の今の音楽シーンの求心的な存在としてようやく日本でも評価されてきたようで、レコードショップやメディアなどにも"ロック・エン・エスパニョール"を担う新たな才能たちが、『マヌ・チャオ的ミクスチャー』や『ポスト・マヌ・チャオ』といった形容詞で紹介されている。
スペイン系フランス人であるマヌが現在居を構え、まさにシーンの震源地であるバルセロナから登場したこのシェブ・バロウスキの2ndは、そんなマヌ・チャオ以来の衝撃かもしれない。
リズムはヘヴィに構築されたスカであり、曲によってはジャンプするカリビアンであり、コンテンポラリーなフラメンコなのだけれど、そこに絡むのはロマ(ジプシー)なヴァイオリンやアコーディオン、それにアラビックなリュートにコブシの効いた男女のヴォーカル。マヌがイベリア半島から大西洋を超えてカリブ海や南米の風味なら、こちらは対岸のマラケシュやアルジェの濃密な香り。
全編にモロッコやアルジェリアの伝統音楽であるライの感覚が貫かれ、重いベースに絶妙に絡むアラビア歌謡を思わせるヴォーカルや畳みかけるようなMC。それらが基礎骨格としてとてもシンプルに構築されリフレインするのだから、聞き込むほどにトランスしてしまう。まるで、パウロ・コエーリョの寓話小説『アルケミスト』の猥雑とした北アフリカの港町の市場のシーンを、ウォシャウスキー兄弟が映像にして、そこにサウンドトラックをつけたかのようにはまりまくりの怪作。
reviewed by ken.
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