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SORROWのニューアルバム『confusion』はロックンロールの芯を見事なまでに打ち抜いている。金銭がありとあらゆる隙間に入り込み、ロックが何なのかすら解らなくなっている日本のミュージックシーンにおいてはまったく異質な音だろう。インディーならともかく、メジャーならばなおさらだ。だが、あえてメジャーからドロップすることによってカウンターカルチャーとしてのSORROWが活きている。こころして聞いてほしい。純粋なロックがビジネスの介入を許さずに成長したならば、きっとこうだっただろうという音がぼろぼろと流れてくるはずだ。ロックンロールの現在進行形としてのあり方を教えてくれ、あわよくば根こそぎ感化させてしまおうという、欲とはまた別の野心が溢れるアルバムだ。
ヴォーカル&ギターを務める川村カオリ自らが召集した豪華メンバーに触れないわけにはいかないだろう。ハードコアの最重要バンドASSFORTのドラムスで、ROSSOの活動でも話題をさらったMASATO、ウッドベースをスラップさせたら右に出るものがいないex.HELLBENTのYUICHI、ギターには川村カオリの公私にわたるパートナーで、つい先日SOBUTを脱退し衝撃を与えたMOTOAKI。ハードコア、ロカビリー、パンク、etc、様々な要素がからみ合って生まれた楽曲は、例外なく素晴らしい。かつてのブランキー・ジェット・シティがそうだったように。
芯の通った強靱なリズム隊は、トルクをあげて突っ走っていく。被さるグレッチの潤んだ音色が誘うのは、タールが滴り落ちるロックンロールの世界だ。そこから発せられる川村カオリのハスキーな歌声は、張り裂けるようなシャウトとなって、理不尽で矛盾だらけの社会に対するメッセージを吐き出す。決して口先だけの薄っぺらなものではない。実体験を元に思いを綴った歌詞は鋭く内面をえぐるはずだ。
一曲目"Gitanda"はフラメンコやマタドールを思い起こさせるイントロで幕を開ける。だが歌詞はロシア語だ。もう一つの母国語で歌う意味は深い。続く"SHERRY"も民族的アプローチから始まる。そういえばライブ時のSEはアイルランド/ケルトのバンド、ルナサではなかったか。混乱を極める場所の音が彼女と共鳴するのはただの偶然なのだろうか? トラディショナルな音楽を取り込み、世界観を広げていく裏には、宗教、人種などが引き金となって起こってしまう紛争やテロへの嘆きや、さらなる平和への願いが込められている。命の安売りは許さない、そんな決意がひしひしと伝わってくる。これは自らを単一の大和民族だと勘違いし「confusion」(混乱)とは無縁だと思い込んで、戦争へとひた走る欧米のやり方を鵜呑みにしてしまった日本人に対しての警鐘なのだろう。
その半面、愛娘の名を冠する"LUCIA"は愛情に溢れ、闇に射込む一筋の暖かな光となって輝いている。「笑って」と親が子に注ぐ愛情は何よりも深く、強い。また、世界が愛に飢えているからこそ歌われる曲でもある。
最後に言うべきことはただ一つ。SORROWは決してプロパガンダに屈したりはしない。
reviewed by taiki.
*なお、SORROWは11月26日より郡山を皮切りに全国10箇所を回るconfution tour 2003が始まります。詳しくはこちらをご確認ください。
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