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今年の朝霧JAMのお土産は、金曜日に見上げた満天の星空と、日曜の朝にやっと顔を覗かせてくれたシャイな富士山と、その富士山と虹がペイントされたサイケなタイプのTシャツ。そして、ひょんなことからスピードスターレコードの担当者からゲットした、Double Famousの新作のCDだった。
一週間後のまだ朝霧ボケの抜けない休日に、コーヒーとコイーバの香りを燻らせながら、のんびりと聴いてみた。南アフリカ出身の往年の名歌手ミリアム・マケーバが60年代に吹き込んだ、西インド諸島のトラッドソングを歌ったレコードに、なんだか似ている気がする。
もちろん、Double Famousは結成当時から、カリブ海や中南米やアフリカのトラッドソングやダンスホールサウンドをアレンジして演奏していて、この新作にはスカ以前のジャマイカのカリプソや、ラテンフォークロアやブラジルのスタンダードナンバーに、李香蘭の戦時中のヒット曲からAFRICAN JAZZ PIONEERSなどなど、ヴァラエティーに富んだライヴ/スタジオテイクがコンパイルされているのだが、そんな演奏の背後にある空気感というか、エキゾチックな粒子の質感が、似ているのだ。
陽気で、のんびりゆったりとしていて、可愛らしくて、ちょっと郷愁を漂わせる。
大昔シルクロードの東の終着点のこの国で、今、同じような立ち位置と空気感をもつのは、まず真っ先にLittle Tempoだろうか。朝霧でDouble Famousがステージでそんな演奏を繰り広げているときは、実は自分のテントで昼寝の真っ最中だったのだが、風に乗って青空が運んできたしっとりとしてキラキラした質感は、ロッジの窓を開けて更新作業をしながら耳を傾けていた去年のフジロックのホワイトステージでのLittle Tempoと、似た感じがしたものだ。
いざCDをいただいてちょっと昼寝を後悔したのだが、まあ朝霧はタイムテーブルがステージではなくて自分のペースになってしまうからなあと、妙な納得のほうが勝ってしまう。それに、このアルバムがそんな空気感を包んでいるのだから、きっと許してもらえるだろう。
と、またそんな妙な納得を繰り返すのと同時に、シルクロードの時代に輸入文化を独自に成熟させていったように、この国の音楽も、もう模倣だけの時代を抜け出したのかもしれないな、とそんな感慨も抱きながら、秋晴れの休日を過ごしてみる。『Live in Japan』というタイトルにも、ひょっとしたらそんな思いがこめられているのかもしれない。
reviewed by ken.
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