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ここ最近世間を騒がし、今ではもうレコード屋の新しいカテゴリーになる勢いのElectroclashーギターとドラムの代わりにシンセサイザーを使って作られたパンクミュージックー。2001年に発表されたデビューシングル"Emerge"がやけに受けて、このジャンルの宣教師的存在になったFisherspoonerが、そのシングル曲を含
全9曲を収録した初のアルバムがこの"#1"だ。
Warren Fisher氏とCasey Spooner氏を中心とするNYの音楽&アート集団がFisherspooner。"Emerge"が抜群のダンストラックだったため、アルバムも勢いの強い曲が多いのかと思いきや、意外とミディアムからスローテンポの気持ちの良い曲が多く収録されている。彼等の使う楽器はシンセサイザー、ボコーダー、サンプルされた手拍子に連結されたベースと伝統的な(?)80年代のやり方に忠実で、それらで作られた音楽は純粋すぎてまやかしを見てるかのような気にさせられるエレクトリックである。
1曲目の"Invisible"からピコピコ音大全開で、まるで自分が宇宙からメッセージを送られているような気分にさせられる。"なんか気持ち良いなー"と聞き入っているうちハッと気が付けばもう2曲目の"The 15th"(Wireのカバー)が始まっている。これが正にエレクトリックポップの理想ともいえる出来でとても幻想的に仕上がっており益々フワフワした気分になってきた所で、"Emerge"の攻撃的なビートがはじまり、彼等を有名にしたこの曲の力強さに圧倒される。この曲でマントラのようにくり返し呟かれる"Sounds Good, Looks Good, Feels Good Too"というフレーズにはバンドといわれるよりアーチストと言われたいという彼等の美意識があらわれている。アルバムはこの後ポップ寄り、ダンス寄りと繰り返しながらリスナーを彼等の世界へ誘っていく。
このアルバムで使われている製作方法は、はっきり言ってそんなに破壊的でも革新的でも無い。そして彼等の音楽は刺激的にエイリアンであるけど、程よくレトロでもある。そのバランスの巧妙な滑らかさが彼等の音楽を新しいサウンドとして響かせるのだろう。デビュー作として完成度の高い、そしてなによりもとても`今`な作品である。
ちなみに彼等のライブショウは美川憲一もびっくりの派手さらしい。今月末に私、自らの目で目撃する予定なので、その際はぜひ、彼等のパフォーマンスのほうも報告させていただこうと思っている。
reviewed by naoko.
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