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最近ベルギーのバンドにはまっている。それは昨年日本でもブレイクしたSoulwaxがきっかけであることは確かだ。Soulwaxの音に出会ったとき何とも独特なものを感じたが、これはSoulwaxが、ということでもなくて、それがベルギー産の他のバンドにも通じるものであるということはその時知る予知もなかった。例えばUKギターバンドものを聴いた時、「ああ、UKだなあ。」となんとなくわかる。アメリカものを聴いたら「アメリカらしいな。」と思うだろう。それと一緒で、この小さな国。今まであまり目にも留められなかったベルギーという国の音楽事情でもこういうものが存在する、ということなのだ。日本でたとえたらそれは「演歌」にでもあたるんだろう。もしかしたらある種の「ビジュアル系」だって当てはまるかもしれない。
ベルギーものを聴いたことがない人がほとんどだと思うので、特長だけ説明したいと思う。それはダークエレクトリックポップ、というべきか、ダークディスコチューンと呼ぶべきか、とにかくはずんでいる。リズムに凝っている感もある。ただ、「ダーク」なのだ。私がSoulwaxを聴いていたとき、私は何の違和感もなく、彼らの音楽が明るいポップだと思っていた。だがある時友達に、「暗いね。」と言われた。正直これには驚いた。「これが暗い?」ただ、たしかに言い方を変えれば「暗い」のだ。これがベルギーサウンドだとわかる一番の特長の部分。短調なのだ。曲展開は短調で進んでいく。いくら明るいシンセの音で曲がスタートしたとしても、いきなり曲が短調方面に進んでいったりする。ここで確信する。これだ、ベルギー。ダークなDiscoって非常に矛盾しているし想像しにくいところもあるかもしれないが、それはもうベルギー産バンドの個性とよぶしかない。例えばTrip Hopが「踊れないダンスミュージック」と呼ばれるのと同じようなことだと思う。
ベルギーもので最近手にいれたのがZita Swoonというバンドのアルバムである。ベルギーものにはまるのもいいが、難点は日本ではまず手にはいりにくい、ということだ。そのため今回はロンドンの友人に助け船を出させてもらった。ジャケデザインのセンスのよさやかわいらしさを見たら最近のバンドかと思うが、ふとみたらこれは1998年のアルバム。けっこう経っている。ただ、最近やっと注目されてきた(特にUKで)ベルギー勢にとって、こういうことはゆうにありえる。まあ言い換えれば「発掘されている」時期なのだ。ベルギーのバンドに限らず、例えば今UKで大旋風を巻き起こしているSwedenのThe Hivesだって同じことなのだ。今度The HivesがアイルランドでMuseの前座をやるそうだが、このZita SwoonもフランスでMuseのTourの前座をこなしたらしい。Museもまたベルギーものにはまっている風で、この間のUK TOURではベルギーから、Millionaireというバンドを前座に迎えたりもしていた。思えば初めてZita Swoonというバンドの名前を聞いたのは、そのMuseのフランス公演に行った友人からだったと思う。すごくいいバンドだ、と聞いて興味が湧いた。そしてロンドンから調達してくれた友人によると、「eelsみたい。」という意見をもらった。eels? 少し意外だったが、自分で聴いてみると、確かにそれも納得。だが、eelsというよりはBeta Bandだった。声が似ている、という要因もあるかもしれないが、ある種特殊で、どこにも属してない感がBeta Bandを思い起こさせた。だがサビにくるとやはりこれはベルギーサウンドだ、と確信させられる節がある。
そしてベルギーバンドに共通するもうひとつのことは、いくらエレクトリック色が強いからといってエレクトリックで楽器のナマの部分を覆い隠してしまっていないこと。ちゃんと楽器の音が生きていること。そしてそれをアクセントにしていること。このバンドからはベースの音がびんびんに響いていたし、アコギの音もこのエレクトリックの中から聴こえてくるとえらく新鮮だった。Soulwaxなんかで言ったらギターのDavidのスライドギターやヴォイスパーカッションは絶対に耳に残るはずだ。サウンドのことばかり書いてきたが、歌詞で驚いてしまったことがあった。「Song For A Dead Singer」という曲のサビででてきた、「ある運の悪い日にミシシッピ川は君をさらった。」という歌詞。これはもしかしてJeff Buckleyのことだろうか? Dead SingerってJeffのこと??? Jeffファンの私は真相が知りたい限りだ。
UKやアメリカだけじゃなくて、他の国々からの音楽も注目されてきてることについて、非常にいいことだと思う。だっていいバンドはUKとアメリカだけに存在するわけでもないし、ただMediaの力が弱いために日の目に当たらないバンドが多いだけだと思うからだ。 例えば今UKがSwedenからの新人、(実はけっこうアルバム数を出しているベテランだったりするらしい。)The Hivesに旋風を受けていることは非常におもしろいことだと思う。 これからもいつもと違う国から何かと出会えたら紹介していきたいです。
reviewed by eri.
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