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泣きました。あまりの美しさに。涙ドドドです。半端な恋愛映画みて涙するくらいならNINのアートで心ゆくまで泣け!!...な作品である。
このDVDは『The Fragile』発売後に行われたツアーの集大成。アレック王子の襲来でボロボロになった体で何げなくDVD鑑賞に挑んだのだが、頭がぶん殴られるような感動で一気に見てしまった。それから今度は怒濤のNIN週間のはじまり。毎晩夜中までNIN祭り。そろそろ社会生活にも影響も出そうなくらい。ああ、もう神経がもたないワ...。
しかし当初の発売予定は去年だった。それがズレにズレ込んで、今年1/22にやっと発売。とはいえ、それは本国USでの話。この時点でまだ日本盤は発売されていない。3月に伸びたそうで、私は我慢できずに輸入盤をゲット。
お約束、出だしの"Pinion"から"Terrible lie"でいっきに持っていかれる。ライブ映像は、北米でのFragility tour2.0をむっちゃ繋ぎあわせてつくられたもので、ぶっ飛んだことにそれが1曲の中でも容赦なく展開されている。さっきまで短パンでひざ小僧出して跳ねていたTrentがカメラが切り替わるとアラ不思議、早変わりのごとく上下黒い服にかわってたり。ギタリストの髪は7変化に変わる。ショート、ミディアム、ボウヅ...ここまでやるか、とも思ったけれど、曲が進むにつれ、気にならなくなった。何故ならカメラが切り替わりヴェニューが変わってもNINのテンションは決してバラつくことなく高い位置で保たれているから。
途中"The Frail"の美しいピアノの音色にホロリ。
製作にはnothingの若き職人Rob Sheridanが非常に貢献している。彼はNINのファンサイトを運営していたところTrentの目にとまったらしい。(羨ましい!)Trentは彼から様々なアイディアを貰ったとも話している。撮影も小型デジタルビデオ8台を使ってツアー中自分達で毎日録画したのだそうだ。プロは大きなカメラと機材を持ってきて撮るが、たいして面白いモノは出来ない。しかも機材が邪魔でいいライブが出来ないから、というのが理由のようだが「ホントは自分で1から10までやりたかったからでショ?」とつい苦笑してしまうのは意地悪だろうか。
そのようにして撮った記録は、当然膨大な量になるのだが、自他共に認めるMacユーザーTrent、それをAppleのFinal cut proというソフトで編集したのだそうだ。確かにデジタルの映像はこのツアーを記録する上でピッタリだったようで、音楽とともにシャープな映像が楽しめる。切り替わるアングルも多岐に渡っていて飽きさせない。ヴェニューがコロコロ変わるんだから当然なんだけど。
日本でのライブと北米でのライブ、屋内屋外あわせて見ることが出来たラッキーな私。特に北米のver2.0は非常に凝っていて文句のつけようもなく素晴らしかった。特に"La mer"〜"The marks has been made"は圧巻である。もう、コレは見ていただければ分かると思うのだけど、今までこれだけ映像と音が一体化した美しい作品があっただろうか? 大抵映像と音がミスマッチで音と映像のバランスが悪いことが多い。いっそ映像なんてつけない方がマシ!な作品より頭ひとつもふたつも飛び抜けた本物のアートと言っても過言ではないだろう。
私はライブ盤というものに私はいつも幻滅させられていたので、実は楽しみにはしていたもののTrentがいくら渾身の作をつくろうとも、やはりナマの記憶に太刀打ちできないだろうと思っていた。誰でもそうだと思うのだけど、自分が体験した記憶というものは絶対で、後からどんな記録をもってこられて「本当はこうだったんだよ、君のイメージはどうだか知らないが、実際はこの程度のものなんだ」と言われて、例えそれが真実だったとしても私は自分の記憶の方を大事にいつまでも味わうだろう。だけど、このDVDは記録を昇華して、もう一度新しい作品に仕上げている。無論「ああ、この曲、すごくよかったな」と懐かしみ再び当時の感動が蘇るのだが、同時にもう一度新しいステージを見せてもらったような新鮮な気持ちも引き起こしてくれる。
それはTrentが『音』の部分でも妥協を許さなかったこともある。このDVDはdtsとdolby digitalの2versionそしてVHSで発売されていて、dtsの方がより高音質で体現することが出来る。私はこの作品のためにDVDを買った貢ぎ女なので、もちろん5.1ch/dts対応の器機を揃えた。お金ないのに。この音響で見るとまるでライブ会場にいる様な錯角。しかし環境は整えたものの、「騒音」という壁が立ちはだかっているので音量はかなり控えめ。日本の住宅事情が憎い。出来ることなら、どこかの劇場で公開してほしいものだ。
ツアー中、私は毎日NINのオフィシャルサイトで「今日のステージ」写真をチェックしていたのだが、オマケとしてこのDVDに入っている。何故かツアーが進むにつれ汚染度を増していくTrentやメンバーを見るのもなかなか楽しい。身体にススを塗りたくり、白粉をまぶし、ステージをところ狭しと駆け巡る姿は、こうやって落ち着いた状態で見ると「珍獣・トレント」という感じも。
ここには日本での写真も入っている。他にALTANATIVE ANGLEで"Gave up-La mer-The great below-The marks has beenmade"が、固定カメラで続くのだが、これはシアトル郊外のThe Gorge Amphという屋外ステージで行われたライブ映像。私はここで屋外のNINを初めて見たのだが、荒涼たる赤い岩山、その谷底にあるステージで夕暮れを迎えながら"La mer"を鳥肌立てて聴く...という嘘のような贅沢体験をさせてもらった。黄金から薔薇色へ変わる空と雲、美しいLEDの映像そして音楽。暮れかかっていく空が映像の間から見えるのが例えようもなく美しかった。(このステージには背がなく、後ろの谷の景色が見えるので宙に浮いているようです)
ここでも号泣。これが泣かずにいられようか。このヴェニューの映像は本編でもアチコチで使われていて"Wish"でそのステージの構造が分かる。(トイレットペーパーが羽衣の様に飛んでくる場面です)
ホントはね、この日はなんと"Fragile"をやったのですよ。それがもう、全身に鳥肌がたって歩く鶏になってしまう程素晴らしかったので収録してほしかったな。あの時は"Fragile"と思った瞬間頭がふわーーっと真っ白になってしまったので、もう一度確認したかった。「隠し」に入ってないかしら?
余談だが、北米で2公演見たうち、どちらも"Wish"になるとオーディエンスは物凄いハイテンションになるのだが、Trentが「fist fuck!」と拳をあげるところでオーディエンスが一斉に「fist fuck!」と合唱、拳をあげたのが面白かった。このDVDでも、皆一斉に拳を上げる姿が映っていて思わず笑ってしまった。
さあ、ここまでベタ褒めな『And all that could have been』ひとつだけ欲を言えばDiscが2枚になってしまったことが残念。Disc2でいきなりTrentの「んぎゃっ!」と言う雄叫びで始まるのだが、気持ちが準備出来ないうちにイキナリ「んぎゃっ!」はちょっとね...。なるべく圧縮したくなかったのだろうけども。このDVDはパッケージもとても美しく、Trentのメッセージもついている。MENU画面の画像等も一々趣向をこらしたつくりで、Trentがこの作品にかける愛情と誇りというものが手にもった瞬間に伝わってくる。自分の作品に一切の妥協を許さないという姿勢はとても誠実で、素直に感動する。もしかしたら例のごとくパッケージの件ではレコード会社と喧嘩したのだろうか? Trentのアートを満たそうとするとコストとのせめぎ合いで大抵レコード会社は渋い顔をするらしいし。私が大金持ちになったら是非ともnothingに出資したい。それまで、素晴らしいアートを作り続けてほしい。
--!!!!!!ATTENTION!ここからはネタバレにつき注意!!!!!!---
今回のDVD、ファンの間では発売前から言われていたことだが、沢山の隠しトラックがある。苦労したくない人は読んで下さい。でも、せっかくだからTrentの策略にひっかかって弄ばれたい...という方は読まないで下さい。ちなみに私はあっさりと苦労しない道を選びましたが、今となってはちょっと寂しいです。
隠しトラックのリストを一挙に出す方法があるのでそれをひとつ。
Disc2で"Head Like A hole"の曲がはじまって11分19秒で7を押す(チャプターボタンの。数字で7と書いてあるボタンですね)するとBeneath The Surfaceという画面にいきつきます。そこにあるトラックは6つ。
・Reptileのライブ映像。
・The Day The World Went Away
・Manson共演のNY MSGでのライブ映像(なんとMMの曲までやっちゃう!お人好し)
そしてTelevision CMsが3つ。
・ninetynine
(La MerからInto The Voidへ流れ最後はあの眠た気なスリピンナウェイで終わるところが個人的にツボ)
・The Fragile (The Way Out Is Throughで最後に歌っているトレントの顎とウスMUNAGEがアップ)
・Things falling apart (何も申しません。耽美です)
特にThe Day The World Went Awayはあまりの美しさに涙でる。つくりかけのpvのようで、多分最後まで出来て無かったのかな?と思わせるように後半はライブ映像に。音はずっとライブ音源で、あの「ナナナナーナナーナーナ」の途中で入るトレントのファルセットがとても美しい。ナナナーも、少し声がかすれたりして、ライブ音源ヨシ!
この隠しトラック一覧出すのに、一度DVD入れ直してみました。ちゃんとDVD選択して、じゃないと受け付けないようです。しかし、もうひとつ隠しトラックがあるのだ。ここからは自力でやってみよう! つか、私もまだ最後が出せないのです...トホホ。
reviewed by mimi.
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