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今、ここにいる僕は、今までにあったたくさんの出会いで、造られていると思います。すばらしい人、音楽、映画、その他無数の数え切れない出会い。全ての出会いの中でも、とびっきり素敵な出会いは、あることはあるが、そう多くはないのかもしれない。でも、素敵な出会いは、とても大きいから、いっぱいあるとパンクしてしまうのかもしれません。このとびっきり素敵な出会いは、偶然じゃないんだと思います。だからたとえ何かで素敵な出会いを見過ごしても、気にすることはない。必ずどこかで出会うのだから。「勝手にしやがれ」の音楽との出会いは、僕にとっての、とびっきり素敵な出会いの一つです。
約半年ほど前、僕は「勝手にしやがれ」のメンバーが造りだす音の塊で、頭を殴られました。彼らの音楽に対する抗体を持っていなかった僕の頭は、真っ白になり、ガラガラと音を立てて崩れていったのを覚えています。その後はしばらく放心状態で、何も考えることができませんでした。この音楽に対する反応を、頭ではなく体で分かり始めると、頭の中で彼らの音楽に対する抗体が、構築され始めました。今までにあった物の破片、彼らの音楽、そして新しくできた抗体。これらで今までとはまったく違う新しい、僕のイシができました。
「いい音楽とは、造り手はもちろん、聞き手も努力しないと成り立たない。」
これはビルエヴァンスというピアニストの言葉です。僕なりのこの言葉の解釈は、「たくさんのいい音楽を、たくさん聴く」という単純なものですが、本当に素敵な出会いと思える音楽は、聴けば聴くほど味が出るものだと思うので、この解釈も一理あるなと思います。この「WILD ROOM」には尽きる事がないんじゃないか?というくらい味があります。僕はこのアルバムを、これから何十年と聴いていくことでしょう。そして、ちょっとずつ、小さな発見を繰り返し、前に聞いたときよりも、ちょっとずつ好きになっていくんだろうなって思います。
僕は音楽が奏でる物語が好きです。音や歌詞が持っている温度を一人で探るのが好きです。音楽は映画と違い、映像がないぶん、より自由に想像できる。自分だけの物語が見つかると、その音楽は自分だけの宝物になる。「勝手にしやがれ」という地図を机の上に広げて、見つけた宝物はとても綺麗だから、みんなにも見て欲しくて、この文を書きました。ただ人はみんな違うから、たとえ同じ地図を見ても、人それぞれ色、形が違う宝物を見つけることでしょう。あなたが持っている宝物はどんな色ですか?どんな形をしてますか?
最後に素晴らしいアルバムを造ってくれた「勝手にしやがれ」と全ての関係者に感謝。
reviewed by yohsuke.
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