Monoral

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"in stereo"
(国内盤)



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Monoral

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 Anis Shimada (Vo), Ali Morizumi (B)。この2人の名前を知っている人も少なくはないだろう。なぜならAliの方はラジオ番組のDJを務めており、また2人とも元MTV JapanのVJである。このMTVでの出会いがきっかけとなって結成されたユニットがMonoralだ。Anisは日本人とモロッコ人のハーフ。そしてAliの方は日本人とアメリカ人のハーフ、と多国籍なイメージを思い浮かばせるが、この2人が作り上げるサウンドは多国籍というより、「無国籍」な匂いがする。彼らの音はよく「British系サウンド」と呼ばれる。だけど私はこのフレーズを初めて見た時正直驚いてしまった。私の中には「アメリカ」が浮かんできていたからだ。だけどよくよく考えてみると、彼らのだすような繊細なメロディはアメリカ系バンドからはなかなか聴く事ができない。そして彼らのサウンドをあらわすのによく使われるもうひとつのフレーズ、「邦楽でも洋楽でもないサウンド」という言葉が浮かんでくる。

 彼らの音がBritish系と呼ばれるのは先にも書いた通り、その「メロディ」からなんだと思う。メロディのメランコリックさ、繊細さ、メロディ最重要視の姿勢。ただイギリスのバンドと決定的に違うところは、シンプルな曲調の中に「ドラマティックさ」が融合されていること。こんなこと言っていいのかわからないが、イギリス人は不器用だ。曲をシンプルな3分ポップソングで終わらせるか、それとも6分間の混純した、断片の繋げ合わせソングを作るかしかできない。それはそれでまあいいが、というか当然だが、だからこそこのMonoralサウンドに驚きをおぼえる。今まで聴いたことのない、「Monoralサウンド」としかいいようのないサウンドを鳴らしてくれるからだ。

 それがただのBritish系に感じさせない大きな要因はまずヴォーカル、Anisの歌声にある。私が即座にMonoralの曲からアメリカを思い浮かべたのも彼の歌声と声の出し方にある。そしてアメリカというかグランジである。 グランジ代表格のバンドのヴォーカリスト達、Pearl JamのEddieやSound GardenのChris Cornelを思い浮かばせる。 ただMonoralにグランジを感じるのはAnisの声だけではないこともわかる。例えばSound Gardenの「Black Hole Sun」をあらためて聴いて思った。「この重たい部分を取り去ればMonoralだな。」と。グランジの特徴といえば「激しい重たさ」であるのは承知だが、それを「取り去ったら」なんて例え、なんて無知なんだろう、と自分でも思う。でも聴けば聴くほどそうとしか表現できなくなる。「British」と「グランジ」。まるで正反対の、絶対に交差しないようなジャンル同士だが、それがMonoralのサウンドの中には普通に存在している。

 シンプルな中のドラマティックさ、Britとグランジの融合、ヘビーさを取ったグランジ、など想像もできない事柄ばかり並べてしまったが、きっと音を聴いていただければこれらをすんなりと受入れられると思う。そんな奇跡をMonoralは実現してしまったのだから。


reviewed by 高橋絵里.
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